書籍

『少女たちがみつめた長崎』渡辺考

少女たちがみつめた長崎
渡辺考

四六、並製、240ページ
定価:本体1,600円+税
ISBN978-4-86385-409-3 C0095
装画:​松尾たいこ

体重34キロ・青春が全部戦争
昭和20年8月9日、長崎の兵器工場に動員されていた女生徒たちを原子爆弾が襲った。少女たちは苦しみをかかえ、どう生きてきたのか。彼女たちの日記が、今、女子高校生たちの心をゆさぶる。世代を超えた少女たちの交流の記録。
――青来有一
(小説家)
 

2019年8月17日に放送され大きな反響を呼んだ、NHK 「ETV特集 少女たちがみつめた長崎」、待望の書籍化。

長崎原爆投下からまもなく75年。被爆者たちの命の灯が次々に消えていく中、元少女たちがたどった過酷な運命を日記や手記、対話などで、つぶさに追体験した長崎西高放送部の高校生たちの奮闘を描く。ぜひ、すべての高校生たちに読んでもらいたい1冊。


2020年8月全国書店にて発売。

試し読み 
第3章「あのとき」の記憶と記録
Part1
Part2
Part3

 

【目次】
 プロローグ 同じこころざし
 第1章 原爆を見つめ続ける
 第2章 原爆前夜の少女たち
 第3章 「あのとき」の記憶と記録
 第4章 高校生、十一時二分と向きあう
 第5章 戦後それぞれの苦難
 第6章 自責の念と罪の意識 
 第7章 わたしたちがつなぐ
 第8章 未曾有の時代の中で
 エピローグ 未来のために

 あとがき


【著者プロフィール】
渡辺考(わたなべ・こう)
テレビディレクター。1966年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。1990年NHK入局、福岡放送局、番組制作局、大型企画開発センターなどを経て現在はNHKエデュケーショナルプロデューサー。制作した番組に、ETV特集『もういちどつくりたい~テレビドキュメンタリスト木村栄文の世界~』『シリーズBC級戦犯(1)韓国・朝鮮人戦犯の悲劇』、NHKスペシャル『学徒兵 許されざる帰還~陸軍特攻隊の悲劇~』などがあり、3作品とも、ギャラクシー賞選奨(テレビ部門)を、またETV特集『戦場で書く』は、橋田賞を受賞している。他にも放送文化基金賞などを受賞。近年は映画制作にもかかわる。
著書に『戦場で書く火野葦平と従軍作家たち』、『特攻隊振武寮 帰還兵は地獄を見た』(大貫健一郎氏との共著)、『プロパガンダラジオ 日米電波戦争 幻の録音テープ』(筑摩書房)、『最後の言葉 戦場に遺された二十四万字の届かなかった手紙』(重松清氏との共著)ほか多数。『ゲンバクとよばれた少年』(中村由一氏、宮尾和孝氏との共著)は第24回平和・協同ジャーナリスト基金賞を受賞。近著に『まなざしの力』(かもがわ出版)。


 

書評

「月間はかた」9月号
《苦しみをかかえ生きてきた元少女たちの日記が、今、若い女子高校生の心をゆさぶります。元少女たちのつぶやきが、世代を超えて現代に蘇る貴重な一冊です。同じ苦難を次の世代が経験しないためにも》

「週刊新潮」2020年9月10日号
《作家・林京子の著作も参考にしながら、若い世代が原爆体験の継承を目指す》

「しんぶん赤旗」 2020年9月20日
《1945年8月9日、兵器工場に動員され原爆投下に遭った女生徒たち。彼女たちが残した日記や手紙、いまも存命の元女生徒との取材での対話を通じ、現代の高校生22人は被爆の惨状やその後の困難を追体験》

「図書館教育ニュース」 2020年10月18日
《青春真っ盛りの女生徒たちが背負わされた長い深い苦しみ。現代の高校生はそれをどう受けとめたのでしょうか》

「聖教新聞」 2020年11月18日
〈読書〉 『少女たちがみつめた長崎』

「ふぇみん婦人民主新聞」 2020年12月5日(No.3272)
《反戦、反原発、反差別…そうしたテーマに限らず、無関心、無理解な人々へどのように対話を呼びかけ、考えを共有してゆくのか?そのヒントを、本書に登場する若者らは教えてくれる》