書籍

『坂田九十百という男』 宮田昭

炭鉱最後の田川市長
『坂田九十百という男』
宮田 昭

四六判、並製、336ページ
定価:本体1,800円+税
ISBN978-4-86385-008-8 C0095

ツラがまえは悪いが、川筋男の意気のよさはダテじゃない。危急存亡筑豊の救済・復興とあらば、国を相手に気骨隆々、恐れるものなし。筑豊炭田の終焉をみとどけ、「地方の現場を直視せよ」と、政府と官僚に迫った男の気骨に満ちた一代記。獅子奮迅の名物炭鉱市長の生涯を熱くうたいあげる。
日本の近代化と戦後復興を石炭で支えて続けてきた筑豊も、石炭を知らない世代が地域を担うようになった。かつて国策として漆黒の地底から膨大な量の石炭を全国へ送り出し、そして切り捨てられてきた事実。社会が激変する今日と坂田の生きた時代を重ねたときに、彼と重なるような人物はいるのか。

2009年9月中旬全国書店にて発売。

 

【著者プロフィール】
宮田 昭(みやた・あきら)
1938年、鹿児島県生まれ。元朝日新聞筑豊支局長(1978年12月〜1980年7月)。
著書『最後の川筋頭領 坂田九十百伝』(葦書房)
   『筑豊一代 炭坑王 伊藤傳右衛門』(書肆侃侃房)

【目次】
はじめに

流 転
 つくたん
 石炭王国
 大関神力
 労務見習い
 アイクチ
 用心棒
 スミノ
 置 屋
 カフェー
 石炭商
 町会議員
 三井田川
 田川市誕生
 双葉山

起 動
 終 戦
 民主勉強会
 社会党
 アメ玉候補
 県議第一声
 炭管事件
 ベンツ
 監査委員
 翳 り
 西川沈む
 田川市長
 クソヒャク
 削減削減
 ポケットマネー
 午後三時

現 地
 現地を見よ
 とば口
 参考人
 黒い羽根
 朗 報
 天王山
 陥没だ
 名門も
 尻に火
 転 換
 閣僚三人
 スト中止
 好印象

気 骨
 生命線
 頬はこけ
 北帰行
 王 将
 手みやげ
 情 誼
 三井田川終幕
 誘 致
 田川県知事
 サノヨイヨイ
 寿命五年

落 日
 坂田のヤマ
 散る桜
 青春の門
 最後のヤマ
 六選へ
 涙の辛勝
 展 望
 俺が行く

遺 産
 無償貸与
 顕彰像
 希望・勇気
 オヤジ
 すみません
 人間の財産
 やっと二人に
 別 れ
 石炭記念公園から

あとがき