書籍

『パーティは明日にして』木田智美

『パーティは明日にして』
木田智美

四六判、並製、152ページ
定価:本体1,700円+税

ISBN 978-4-86385-457-4 C0092

装画 田中夏子

 

あたらしくって、なつかしい。

サイダーから噴き出す、あの夏の虹みたいに、十七音を駆け抜ける、カラフルな言葉たち。

ひりひりと光り出す、やさしい記憶。

────神野紗希(俳人)

 

16歳から27歳までの385句を収録した第一句集。

2021年4月全国書店にて発売。

 

【収録句より】

春光にさらして角砂糖かわいい
さっきまでピアノの部屋の蝶だった
桜蘂降る自転車は海の色
ラズベリータルト晴天でよかった
シェパードのにおいして今日も雷
蛇衣を脱ぐや瞳に爛と艶
コンビニの花火がしょうもなくて笑う
目をほそめ三日月を研ぐペダル漕ぐ
抱けばきみ定形外や藍の花
漫才師去る足揃う三十三才
手袋をはずしてから手に触れたい
うさぎ寄りあえばうさぎをゆるしあう

 

【目次】

Ⅰ ひかり

Ⅱ 水

Ⅲ エナメル

Ⅳ 絵の具

Ⅴ たぶん

Ⅵ 艶

 

【著者プロフィール】
木田智美(きだ・ともみ)

1993年大阪府生まれ。2009年、俳句甲子園出場をきっかけに俳句を始める。俳句雑誌「奎」同人。

掲載情報

「FUDGE」7月号

《きらきらして爽やかで、胸がキュッとするなつかしさ。1993年生まれの俳人・木田智美が詠む句は、まるでサイダーの泡みたいに眩しく弾ける》

毎日新聞(5月27日) 坪内稔典「季語刻々」

《「サイダーを飲みほすための腕まくり」しゅわっと泡立つサイダーは、いかにも初夏の飲料という気がする》