書籍

『オランジェット』笠木拓

『オランジェット』
笠木拓

四六判、並製、192ページ

定価:本体2,000円+税

ISBN978-4-86385-729-2 C0092

装丁 花山周子

栞 川野里子 黒瀬珂瀾 初谷むい

 

海に架かる橋はたてごとその弦をつまびく指をゆめみて待たず

第一歌集『はるかカーテンコールまで』で現代歌人集会賞と高志の国詩歌賞を受賞した著者の第二歌集。

 

「笠木拓という作者は、こんなにもふとぶとと言葉と命を太らせ、命がけで言葉の「遊び」を尽くそうとしている。怖いな、と思う」(川野里子)

「しずかで、時に大胆で、繊細で、そして果敢な戦いの歌。笠木さんの世界には、この時代を生きる人の言葉が現実と切り結ぶ、吹きぬける風のような精神がある」(黒瀬珂瀾)

「どうがんばったって、世界は悲しい。だが、悲しい世界を生きていくとき、その悲しさを自覚していることは強さだと思う」(初谷むい)

 

2026年6月発売です。

 

【収録歌より】

濃くうすく色づきながら夏空は慣らし保育のように暮れゆく

きみといるといつもかもめが背景を奥へゆく なぜかな さよなら

てのひらに立てたるあわで面の皮すなわちメンズBB落とす

においから桜はひらきこの星にいつか途絶える観測史あり

うつつにもゆめにもひとのおもかげのたちあおいたちあおいたそがれ

 

【目次】

くす玉

ちゃんと呪いだ

銀河のほとり

ゆめかようみち

愛から醒めて

ゆきすぎる

B is for

馬手に鰭、弓手は翼

銀の靴

はなふるなかはてをおよがせて

カピバラまんじゅう/地魚十貫

薄ら氷

可能世界のちいさなブーケ

方舟

アドベントカレンダー

幕間

思い出の灰が咲くまで

奈落にてきみと甘露を


machine washable

私淑

七つ目の道

きときと

空音

airport fiction

春の歌

 

【栞】

川野里子「命がけで「きょじつひまく」を「遊ぶ」ひと」

黒瀬珂瀾「風土から心の風へ」

初谷むい「ハンドメイド・タンカ・ワールド」

 

 

【著者プロフィール】

笠木拓(かさぎ・たく)

1987年、新潟県糸魚川市生まれ。石川県野々市市で育つ。歌集『はるかカーテンコールまで』(港の人、2019年)で第2回高志の国詩歌賞、第46回現代歌人集会賞。富山市在住。