『青木淳悟初期作品コレクション』
青木淳悟
四六判、並製、592ページ
定価:本体3,000円+税
ISBN978-4-86385-728-5 C0093
装幀 山本浩貴+h(いぬのせなか座)
装画 大越円香《Surface drawing》
解説 伊藤亜紗(美学者)、山本浩貴(いぬのせなか座)
「四十日と四十夜のメルヘン」はたとえば私にも、ほかの読者にも、まだ見たことのないような小説を書きたいと動かす力を持つ、書かれて20年経ったいまだに見たことのない小説なのである。250枚に満たない「四十日―」はまるで何千頁もの大長編に匹敵するスケールを持っているし、そのスケールのままこの枚数であることの面白さも詰まっている。
━━━━━町屋良平(小説家)
デビュー作刊行から20年、入手困難が続いていた『四十日と四十夜のメルヘン』ほか初期の傑作群を収める決定版の作品集。
収録作品:『四十日と四十夜のメルヘン』『いい子は家で』『このあいだ東京でね』『私のいない高校』
「バイト帰りの電車で読み始めたが最後、そのまま終えることができなくなり、布団の上に正座して朝まで読み耽ることになりました。ヤバいものを読まされてしまった。徹夜など滅多にしないのに、化け物に心臓を取られたような興奮と睡眠不足で手の震えが止まらなくなっていました」(伊藤亜紗さん/解説より)
「なんなんだこれはと思いながら、それでも私らがなぜか読めてしまっているとき、青木も私らも含めた人々はみな、見たことのない「わたし」に、それが依拠するフィクショナルな資料(としてのまさにこの「小説」)に、疑いようのない実在感とともに遭遇している」(山本浩貴さん/解説より)
2026年7月発売です。
「読めば読むほどわからなくて面白い(!)がここまで似合う小説を他に知らない。二〇〇〇年代以降の現代日本文学では、(略)もっとも興味深い一人称の〈わたし〉を創出した作品の代表格だろう」(機械書房・岸波龍さん/『四十日と四十夜のメルヘン』)
「物語的な展開を得ないまま書かれ続ける執拗なまでの描写に魅入っていくうち、見慣れたはずのものの死角から、可笑しみや恐ろしさを発見することになる。発見し続けて、圧倒されていく」(toi books・磯上竜也さん/『いい子は家で』)
「彼らはみな匿名である。彼らが何者であるかは重要ではないからだ。彼らが何人なのかも重要ではない。(略)この私の人生には見通しなど全く立っていない。しかしそういったこととは関係なしに、私自身もこの小説の中に紛れているような気がする」(BREW BOOKS・尾崎大輔さん/『このあいだ東京でね』)
「依拠される事実から救い上げられる想像によって記された、ことさらに個々の存在を叫ばなくとも存在しうる場所(略)作者のひそやかな企みと、小説が持ちうる自由を感じずにはいられない大好きな作品です」(HMV&BOOKS SHIBUYA・幸恵子さん/『私のいない高校』)
【目次】
四十日と四十夜のメルヘン
四十日と四十夜のメルヘン
クレーターのほとりで
いい子は家で
いい子は家で
ふるさと以外のことは知らない
市街地の家
このあいだ東京でね
さようなら、またいつか
このあいだ東京でね
TOKYO SMART DRIVER
障壁
夜の目撃談
ワンス・アポン・ア・タイム
日付の数だけ言葉が
東京か、埼玉──家と創作ノートと注釈──
私のいない高校
私のいない高校
解説 私の止まり木 伊藤亜紗
日記と小説に挟まった資料(materials) 山本浩貴(いぬのせなか座)
あとがき(今回のメルヘン修正について)
【著者プロフィール】
青木淳悟(あおき・じゅんご)
1979年埼玉生。2003年「四十日と四十夜のメルヘン」で新潮新人賞を受賞。2005年、同作と「クレーターのほとりで」を収めた『四十日と四十夜のメルヘン』で野間文芸新人賞を受賞。2012年『私のいない高校』で三島由紀夫賞受賞。著書に『男一代之改革』、『学校の近くの家』、電子書籍『激越!! プロ野球県聞録』などがある。
