水の家ブックス
詩集 十一年記
山崎純治
四六判変形、並製、88ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-727-8 C0092
お前らには分からん
昼食と夕食の世話はしてくれるが
いつもそばにおる訳やない
お前らを責める訳やないが
やることもないので
横になり目を閉じるだけ
寝るのが好きなんよ
ぼんやり時間が過ぎ
いなくなったぽっかりから
できましたよ、食べましょう
声が聞こえるので
近づこうとすると
目が覚め
四畳半のいつもの炬燵
もうすぐ行かんといけん
何も迷惑はかけん
(「ぽっかり」より)
父が97歳だった数年前、実家に通いながら日常生活を約八ヶ月介助した。父の介助は、実家に二人で暮らしていた母が突然亡くなったからで、私たちは近くに住んでいたのだが何をどう介助したらいいか分からず、試行錯誤しながら対応した。賑やかだった母に比べ父はよく喋る方でもなく、この八ヶ月も語り合うことなどなかったが、父と向かい合い改めて人となりを感じることができた。その時に作ったものも含め本詩集では、故郷の門司へ戻ってから十一年間に作った詩をまとめた。(あとがきより)
もくじ
夢
ぼたっ
海峡まで
ぽっかり
一瞬
海峡から
ぶるぶる
遺影
海峡へ
朝
あとがき
■著者プロフィール
山崎 純治(やまさき じゅんじ)
第一詩集『夜明けに人は小さくなる』(一九九七年 ふらんす堂)
第二詩集『完璧な通勤』(二〇〇七年 ミッドナイト・プレス)
第三詩集『通勤どんぢゃら』(二〇一一年 思潮社)
第四詩集『異本にまた曰く』(二〇一四年 書肆侃侃房)
第五詩集『アンダンテ、休止符連れて』(二〇一八年 書肆侃侃房)
第六詩集『木管サラダ』(二〇二二年 書肆侃侃房)
