書籍

『詩集 クロノスとカイロスⅡ』 河野妙子

『詩集 クロノスとカイロスⅡ』
河野妙子


A5判 上製 オールカラー 104ページ
定価:本体2,300円+税
ISBN978-4-86385-696-7 C0092

装画・挿画 松永安正

 

「青葉」

花は散り 
木々のみどりは深緑へと
その姿を変える
「行く春や 鳥なき魚の 目は泪」
千住 旅立ちの地 芭蕉の句が目に浮かぶ
弾き語りピアノ音が流れてきた
仙台・青葉城・杜の都 あの人はもういない
わたしの友が逝った
今年の春にまたもや ひとり
肉声を聞くことはもうできない
ああ、涙がにじむ 夢でお逢いしましょう
花は散り 
木々のみどりは深緑へと
その姿を変える
「目に青葉 山ホトトギス 初鰹」素堂
季と
節き
はめぐりまた 夏が来る
2025.5.20

 

 

過去から未来へ、昨日 今日 明日へと一定方向で流れる客観的な連続した時間、クロノスの時。忘却と想起が、はたまた着想が浮かぶ心の内面の世界に貌を覗かせ、拡散する時間をカイロスと呼びましょう。一瞬や人間の主観的― 心理的な意味時間、カイロスの時です。「エクリール 書くこと」は「時の中で生きるわたしがあなたに出会う」そのことを望んでの行為かもしれません。『クロノスとカイロスⅡ』は、第三詩集に続いて画家の松永安正氏が彼の傑作「スペインの風景」画を寄せてくださった。コラボレーション……です。(あとがきより)

2025年9月刊行                          
 

■著者略歴
河野妙子(こうの・たえこ)
1937年(昭和12年)中国・大連市で生まれる。
2007年(平成19年1月)『蛾』河野妙子詩集 第一集(ALMÉEの会)
2007年(平成19年9月)『なんでもない一日』河野妙子詩集 第二集(ALMÉEの会)
2019年(令和元年)『クロノスとカイロス』河野妙子詩集 第三集(書肆侃侃房)

小九州詩人会誌(Bragi/ブラギ)
福岡文化連盟
福岡県詩人会
日本現代詩人会

 

■画家略歴
松永安正(まつなが・やすまさ)
1951 福岡県出身
1971 武蔵野美術短期大学卒
〈1978〜1985 スペイン留学〉
1979 バルセロナ大学美術学部編入
1981 マッサナ美術学校銅版画科卒
1984 ジョッジャ美術学校卒