アメリカをさるく
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リトルトーキョー
- 2011-06-25 (Sat)
- 総合
日本は早くも猛暑のようだが、ここロサンゼルスは心地よい日々が続いている。日中の日差しは強くはあるが、空気が乾いているからか、そう蒸すことはない。
ホテルからダウンタウンの中心部に何度か歩いたが、どうも、心が弾むという感じではない。着いたばかりでよく分からない部分があるが、ロンドンのようにウインドー・ショッピングを楽しむという街並みではない。
通りをはさんでヒスパニック系の男性二人が激しく罵り合う場面にも出くわした。仲違いの原因など知る由もないが、ここで紹介するのもはばかられる、いわゆるフォー・レター・ワード(卑猥な言葉)を双方とも小気味よく連発して罵り合っていた。お互いによく手を出さないものだなと逆に感心させられた。
そう言えば、カリフォルニア州は中南米出身のヒスパニック系の住民の増加が目覚ましく、やがて米国全体でも彼らが黒人を上回り、最大のマイノリティー(少数派)になるという新聞記事をずっと昔に読んだ記憶がある。もうそうなっているのかもしれない。
ダウンタウンの外れにリトルトーキョーがある。ホテルのフロントで聞いたら、路線バスに乗れば35セントで行けるとのこと。日本円なら、約30円の安さだ。
リトルトーキョーはなるほど、日本食レストランやカフェ、日本の商品を並べた土産物店が軒を連ねており、胃袋に関する限り、日本が恋しくなることはないのでないかと思われた。朝食を食べ損ねていたので一軒の店に入り、下ろしそばを食した。6ドル70セント(約560円)。及第点。(後日他店で食べたキムチラーメンは9ポンド60セント=約800円で、麺が茹で過ぎで今一つだったが、他のお客はうまそうに食べていたので、ここの人々の好みに合っているのかもしれない)
リトルトーキョーの一角の小さな広場で佇む年配の日本人らしき人々の姿を見かけた。近づいていくと、向こうから「ご旅行ですか」と丁寧に声をかけていただいた。「二世の方ですか」と尋ねると、「いや、二世ではありません。でも、渡米してからもう40年になりますから、ここが終の棲家のようなものですが」と語る。
「それじゃ、ここは暮らしやすいんですね」
「そうね。そういうことになるかな。まあ、気候に関しては、ロスほどいいところはアメリカ中を探したってないでしょうね。冬の寒さはしれてるし、真夏だって、クーラーが欲しいと思うのはあってもせいぜい一週間程度です」とのこと。日本に帰ることは考えていないという。「だって、帰ったって、私らは浦島太郎でしょ」
「ここに来ると、みんなに会える。みんないい年だから、しばらく顔が見えないと、亡くなったということなんですよ」とも。70歳代半ばと思われるこの方は私とのおしゃべりの前には一人で、広場の壁に軟球を投げグラブにおさめる懐かしい一人キャッチボールに興じていた。きっと昔は野球少年だったのだろう。
(写真は、日系だけでなく、多くのアメリカ人、観光客の憩いの場のリトルトーキョー)
ロス到着
- 2011-06-23 (Thu)
- 総合
成田空港を飛び立ち、約9時間、目指すロサンゼルス空港に到着した。飛行中大きく揺れることもなく、まずは平穏な旅立ちとなった。空港での入国審査は長蛇の列で順番がやって来るのに1時間ほどかかったが、係官とのやり取りで向こう半年間の滞在許可を得た。
空港の外に出て、予約したホテルに連れて行ってくれるシャトルバスへ。ホテルのセールスマネージャー女史からメールで「タクシーだと60ドル、シャトルバスだと17ドル」と教えられていたので、迷うことなくシャトルバスを選択した。
チェックインしたのはダウンタウンにあるホテル。ホテル名にヒストリックという形容詞が付いており、確かに真新しいホテルでないことは着いてすぐに分かった。税込で一泊57ドル(約4700円)。ダウンタウンといっても、近くに感じのいいカフェがあるわけではなく、あまり歩いている人も見かけない。
初めての都市に来て、最初にするのは、自分がその町のどの辺り、どんなところにいるのか認識することだ。それで、時差もあり、飛行機の中でほとんど眠れなかったこともあり、疲労感がないわけではないが、ホテルの周囲を散策した。
平日火曜日の午後5時過ぎ。日本なら仕事が終わって、町が忙しくなる時だ。どうも、そんな感じではない。本当のダウンタウンは別のところにあるのだろう。歩いているうちに、ホテルやコンベンションセンターのビルが立つ一角に出た。バスケットチームのものらしきTシャツを着た人たちが多い。聞くと、今夜は地元の女子プロチームのゲームがあるのだという。バスケットはあまり興味がないが、これも何かの縁、7ドル50セント(約620円)払ってステイプルズ・センターと呼ばれる屋内競技場へ。
いや、これがなかなか楽しかった。客席の上部は空席もあり、決して大入りというわけではないが、地元のロサンゼルス・スパークスへの熱狂的な声援が送られる。素人目にも各選手のレベルの高さが分かる。3ポイントシュートも面白いほど決まる。タイムアウトではコートの真上にあるテレビ画面でスタンドのファンが大きく映し出され、そのたびに歓声が沸き起こり、カメラに捉えられたファンは狂喜乱舞のダンスでさらに歓声がヒートアップする。バスケットだからか黒人の観客が多い印象を受けた。
隣に陣取った中年の黒人女性はスパークスが守勢に回ると、しきりに大声で「キーパッ」と叫ぶ。タイムアウトの時に、何と叫んでいるのか尋ねると、「ディフエンス」(defense)と言っているのだと説明してくれた。「守れ!」と叫んでいるのだ。私の耳には以後も「キーパッ」としか聞こえなかったが。客席で食べたハンバーガー、チップスにコークもまずまずだった。締めて11ドル25セント(約930円)。
(成田空港での両替では1ドル=82.89円だったので、この旅ではこれからは1ドル=83円で計算します)
(写真は、飛び込んだ女子プロバスケットのゲーム。レベルの高いプレーを満喫した)
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