- 2011-12-07 (Wed) 08:58
- 総合
ヒューストンに5日間ほど滞在し、今、同じテキサス州のエルパソという都市に向かっている。例によって、アムトラックという列車に乗っている。広大なテキサス州の東の端から西の端への移動だ。何度も書いているが、節約旅行ゆえ、一泊分のホテル代が浮いて、それで切符自体は78.20ドル(約6500円)。ほぼ20時間列車に乗り続けてこの値段だから、安いと言えば安い。
ヒューストンから乗り込んだ列車は空いており、乗客もまばら。近くの乗客のいびきに悩まされることもなかった。それでイスの背を倒し、ヨガのような姿勢をいくつも試し、眠ろうと努力してみた。残念ながらほとんど眠れなかった。ただ、一夜明け、カフェがある車両でホットドッグにコーヒーでエネルギーを補給し、朝日の当たるテキサスの原野を見やりながら、パソコンに向かってこの原稿を書いている今、不思議と疲れは感じない。
ヒューストンで目にした人々は圧倒的にヒスパニック(メキシコ)系の人たちだった。これから行くエルパソはメキシコと国境を接しており、さらにヒスパニック色の濃い都市だろう。メキシコ側の国境の都市では麻薬が絡んだギャングによる残忍な殺人事件が頻発している。つい最近も、ダウンタウンに放置されていた車の中から29人の男女の遺体が見つかった事件が報じられていた。
内戦下でない国で、これだけの数の市民がギャングウォーで殺戮されている国はないのではないかと思う。ヒューストンで泊まっていた安宿は長距離トラックの運転手が多く、彼らは私がエルパソに向かっていると知ると、「おお、絶対に国境を超えるなよ」と忠告してくれた。もちろん、超えるつもりは毛頭ない。ただ、国境の街(都市)がどんな雰囲気なのか知りたいと思っている。
余談になるが、トラック運転手の人たちと雑談していて思ったことがある。この広大な国は鉄道が敷かれて東海岸と西海外が結ばれ、現在の発展の礎が築かれたのであるが、その鉄道は石油の発見でガソリンを燃焼させて走る車が普及して「衰退」することになる。貨物輸送の鉄道網の「不備」を補っているのが長距離トラックではないか。
「いや、楽な生活ではないよ。年収はざっと6万ドル程度。今大学で学んでいる息子にはさせたくないね。トラック運転手の魅力?自由かな。広大な土地を走っている時の爽快感はいいものがあるよ。70歳代の同僚も多いよ。体が続く限り走っていられるのもいい」
「自分は1マイルにつき50セントの報酬。だいたい1日600マイル(約965キロ)走るから300ドルの収入だね。一人で運転しているよ。前に相棒がいたこともあったけど、一人の方が気楽だからね。94歳でもまだ現役の運転手がいるよ」
(写真は上から、ヒューストンの週末。公園の近くで出会ったヒスパニック系の市民。お祭りに参加するので伝統的衣装をまとっていた。エルパソへの列車の車中から眺めた果てしのない光景。標高が高くなると、雪が降ったのか寒々とした印象も。そこで一句「目覚むたび テキサスは丘 雪も見ゆ」。午後からは少し晴れやかな光景に変わっていった)
Comments:1
- 看板娘 2012-05-15 (Tue) 11:28
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とくちゃん!!
身体に気を付けてね~~
皆で、和おんで待ってるね!