- 2011-11-28 (Mon) 06:46
- 総合
ラグレインジで旅の疲れも癒せた。これから一路、寄り道しながら、ロサンゼルスを目指す。飛行機に乗れば、一っ飛びだろうが、陸路だとそうもいかない。悩ましいのは少しずつ増えている書籍でスーツケースがずっしりと重いこと。これを運びながらの旅はさすがに辛い。でも愚痴をこぼしたら罰が当たるか。スーツケースはもっと辛いかもしれない。こんなに詰め込んでくれるなと。
ヒックス家ではすっかりお世話になった。我が家のように使わせてもらった。今回初めて気づいたが、現在93歳のヒックス夫人は私の亡き母親と同じ歳だった。私の母は10年前に83歳で死去しており、生きていれば93歳。このことに初めて気がついて複雑な心境になった。晩年の数年間は老人特有の痴呆症状を呈した母と異なり、ヒックス夫人は今もお達者そのものだ。何が彼女をしてこんなに健康を保つことを可能にしているのだろうか、と思わざるを得ない。(我ながら英文和訳の解答のような文章だ)
私は間違いなく「お袋っ子」だった。良く似ているとも言われた。自分でもそう思う。私は自分が多分長生きするだろうなと信じて疑わないのは、自分が母に似ていること、その母はとても丈夫とは言えない体で9人の子供を生み、7人を育てあげていることに起因する。荼毘(だび)に付された母の灰から骨らしい骨を見つけることは難しかった。出産や長年の薬漬けの生活で骨がぼろぼろになっていたのではと、自分は何の根拠もなく思った。(男だから当然だが)一人の子供も生まず、気ままな暮らしの私が母の年齢をはるかに超えて生きても全然不思議ではないだろう。孫の顔も見せられず、ろくな親孝行もしてあげられず、「がんたれ」な私ができることは長生きすることぐらいだ。(「がんたれ」とは宮崎弁で「役に立たない」「出来の悪い」人や物を意味する。「あらぁ、がんたれじゃが」と言えば、「あの男は能無し、役に立たない」ということになる)
話が変な方向に行ってしまった。私がここで書きたかったのは、母と同じ歳のヒックス夫人のお達者さだ。私の母は子供が多い分、常に日々、心配事を抱え、子供たちのことを気に病んで暮らしていたような気がする。その分、健康をむしばんだのでないかと思わないでもない。ヒックス夫人も4人の子供を育てた。今も家事一切をこなし、家に残った初老の長男と一緒に暮らしておられる。彼が語る話、もう幾度となく耳にしている話だろう、それを微笑みながら聞き、時に合いの手を入れ、私のカップにコーヒーを注ぎ足してくれる。些事にこだわらない、おおらかな性格が「長寿」「健康」の秘訣なのだろうか。
この次、ここにいつまた来ることができるか分からないが、近い将来、また再訪できるようにしたいと強く思っている。お袋が「聞いたら」、「自分を生んでくれた親に(親孝行)せず、なんば考えとっとか」と叱られそうだ。いや、心優しい母は「お前は本当にがんたれじゃ」と笑ってくれるだろう。
(写真は上から、感謝祭で里帰りした息子や娘、その家族たちとご馳走を囲むヒックス夫人=左から2人目、ラグレインジは少し歩くと、このような贅沢な住宅が広がる)
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Comments:3
- mutsuo 2011-11-29 (Tue) 09:32
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とりあえずコメント。
那須君、正一さんのこと、おーきんな。
まだメールしちょらんけんどん、ここんとこ時間がねしてよ(飲み会もあっとじゃけんどん・笑)、昼間(ひんま)がまこち忙しい。
正一さんへのメールは片手間じゃいかんかい、ゆっくりと居住まいを正して書こうと思うちょる。
正一さんに連絡がとれたら、そんげお伝えください。 - mutsuo 2011-11-29 (Tue) 09:35
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もうひとつ。
「がんたれ」・・・
子供んときは言われてん良いけんどん(おっどんな、しょっちゅう言われよった・笑)、大人んなってかい人様かい言わるっと、こん言葉ほづ、人間失格の烙印を押さるることはねえがな。
おら、若ぇころは文字どおりの「がんたれ」じゃったと汗顔の至りじゃが。
いまでん、そうか・・・(笑) - くろまめ 2011-12-01 (Thu) 11:47
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がんたれなんかじゃない省一さんへ
今日は雨です。
面白い番組をみました。BSアーカイブHV「大阪図屏風の謎(オーストリアの古城に眠る秀吉の夢)」でした。
省一さんがアメリカ文学を探りながらさるいているうちに、思わぬ出会いがあることをブログを読んで感動しています。私は江戸時代の日本の地図のことが面白く感じられました。米良の文字に嬉しくなったからですが(笑)。
こぼれ話など旅の余話も楽しみです。省一さんの顔写真も楽しみです。表情から元気度が伝わってきます。俳句も写真を見るように明るい情報でした。
同郷のみんながそれぞれの思いで省一さんの旅をみまもっちょるとおもうよ。
それでは、今日もお元気で!