- 2011-10-04 (Tue) 08:42
- 総合
ニュージャージー州のクランベリーを出て、再びニューヨークに戻った。いい骨休めとなった。もっといたかったのだが、ホストのバタワース先生夫妻がこの日からトルコ旅行に出かけることになっていて、この日朝、一緒に家を出て、NYのペンステーションで握手をして別れた。
先生とは学生時代から懇意にさせてもらったが、そこは学生と先生との関係。やはり一定の「距離」がある。学生時代には私は他の教授同様、「バタワース先生」と「先生」を名字の後に付けて呼んでいた。先生は私のことを「ミスターナス」と他の学生同様、「ミスター」の敬称を名字の前に付けて呼んでいた。今回久しぶりに再会して旧交を温めるに際し、「バタワース先生」と始終呼ぶのも何だかだなあと思っていた。本来なら彼のファーストネームである「ガイ」が一番自然な呼び方である。
でも、さすがにこれはできなかった。今回の旅で初めて出会うアメリカの人々とは結構最初から、お互いにファーストネームで呼び合っている。それでこちらの頼みごともすんなり話が通じ、ミスターやミズ(ミス)という敬称なしの方が気軽でいいと思うことがしばしばだ。
「窮余の一策」で先生のことは「バタさん」と呼び続けた。彼が宮崎大学で同僚の先生たちからそう呼ばれていたことを思い出したからだ。うん、これなら、堅苦しい感じが抜けるし、礼を欠くこともない。「バタさん」は私のことを「ショーイチ」と呼んだ。学生時代は「ミスターナス」だったから、最初はくすぐったい感じがしたが、慣れると何でもない。奥さんとは今年3月に宮崎で一度会っているが、ほとんど初対面に近いから、「ケイティ」「ショーイチ」と呼び合うことに何の違和感もなかった。
いや、それにしても、歓待していただいた。2日目の夜は近くの、といっても、車で30分ぐらいはドライブしたような感じだが、日本食レストランに連れていってもらった。この店は酒類を置けない店のため、酒の持ち込みが自由。バタさんが持参したビールと日本酒を、枝豆や揚げ豆腐などを肴においしくいただいた。本当はお礼の意味を込め、支払いぐらいはさせてもらいたかったのだが、敢然と拒否され、滞在中、何から何までお世話になった。2階のベッドの寝心地も良く、申し分のない4日間だった。
そして再びNY。ここでまだ調べたいと思っていることがある。会って話をうかがいたい人もいる。ブロードウェイの劇場街での観劇はまだ一度だけ。もう少しは足を運びたい。ヤンキースはプレーオフに残っており、メジャーの聖地、ヤンキースタジアムにも行ってみたい。そしてできればゲームを観戦したい。やりたいことだらけで、肝心の文学紀行の筆は進みそうにない。
(写真は上から、クランベリーの近くにある名門プリンストン大学。古城を思わせる雰囲気ある建物の多いキャンパスだった。英国との独立戦争の激しい戦闘の舞台となったプリンストンの丘。ペンステーションに向かう電車内で夫妻と一緒に記念撮影)
- Newer: アーサー・ミラー (Arthur Miller) ①
- Older: 恩師訪問