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エルパソの街

  • 2011-12-09 (Fri) 04:59
  • 総合

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 寒い。とても寒い。真夏には連日摂氏で40度近くになる都市が多いテキサス州のことだから、エルパソも温暖な気候だろうと考えていたが、着いた日から朝夕は凍てつくような寒さだ。標高を調べてみると1140メートルとあるから、寒いはずだ。この国の人はなにかちょっと良いものやいい体験をすると、”Awesome” (すごい) という形容詞を口にするが、エルパソは本当に私にとって「オーサム」だ。
 エルパソのダウンタウンを歩いていると、冷え込んでいるせいかどうか分からないが、あまり歩いている地元の人を見かけない。かつては多くの人で賑わったに違いない歴史的な通りを歩いていて、ここでもこの旅でたびたび感じた「伝統的なダウンタウンの衰退」を思った。シャッターが下りたままの店、テナントが去って久しいビル。本来ならこの都市の一等地の地区だ。
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 エルパソは田舎町ではない。人口約60万人の大都市だ。市の観光局のような役所を訪ね、ガイドブックをもらい、歴史的な建物を見て回った。1881年に建設され、元国立銀行だった二階建てのビルは今は衣料品の店になっていた。外観はさすがに当時の雰囲気を残している。写真を撮っていると、中年の白人男性が近づいてきて、「このビルの歴史をご存知ですか。もったいない話でしょ」と話しかけてきた。どうして空き家のビルが多いのですかと尋ねてみた。「テナント料金が高すぎるからですよ。それに、郊外に大きなショッピングモールが沢山あることもダウンタウンがすたれている一因ではあります」
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 ダウンタウンの中心街を外れ、エルパソ通りをメキシコ側に向かって歩くと、様相が一変した。通りに面した店は賑わっているのだ。メキシコから国境を越えてきたメキシコ人の買い物客で賑わっている。客の相手をしているお店の人の顔を見ていると、中国系か韓国系か分からないが、明らかにアジアの同胞の顔付きをしている。
 スタントン通りを下り、メキシコとの国境となっているリオ・グランデ川にかかるスタントン橋の検問所まで来て写真を撮っていると、係官が飛んで来て、写真撮影は禁止と告げられた。
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 スタントン通りを引き返して歩いていると、今度は空き地にできたマーケットに遭遇した。衣料品から家電製品、玩具などさまざまな品が並んでいる。古着の衣料品売り場で「2x1」との張り紙が見えた。「二つの品で1ドル」ということらしい。
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 歩いていたら、お腹が空いた。昼飯は抜きにしているが、今日は例外にしよう。簡易食堂に入って、チキンサンドにチップス、ダイエットコークを注文。食べ終えた後、テーブルを拭いていたメキシコ系のおばちゃんに「コーヒーはない?」と尋ねると、「ない。あたしのコーヒーで良かったらあげるよ」と言って、奥に引っ込んで、お湯が入ったカップにインスタントコーヒーの小さな袋を持ってきてくれた。
 (写真は上から、エルパソの空き家が目立つダウンタウン中心街。寒くて公園のハトも動かない。メキシコからと思われる買い物客で賑わうお店)

Comments:2

看板 2012-05-29 (Tue) 11:05

とくちゃん頑張ってますか?
昨夜はカウンタ-のメンバ-で、とくちゃんの話で盛り上がってましたよん♪

那須 2012-05-29 (Tue) 20:42

和おんの皆様 元気にやってます。ご安心ください。「英国をさるく」の方をご覧くださいね。私もカウンターで「塩こんぶ奴」や「厚揚げ」が食べたい!

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