英語でさるく 那須省一のブログ
騒音天国
- 2017-01-27 (Fri)
- 総合
天神に行く用事があり、出かけた。用事を済ませて、少し空腹を覚えたので、昭和通に面した食堂に立ち寄った。定食屋のチェーン店のようで、過去に二、三度食べたことがある。味はまずまずだと思う。
この日注文したのは「しょうが鍋定食」(890円)。食べていて気になることがあった。店員さんの客対応の言葉だ。彼女は客が来店するたびに「いらっしゃいませ。こんにちは」と声をかけていた。こうした「忙しそうな」歓迎の声を背後で聞いているのはそう心地良いものではない。第一私は「いらっしゃいませ。こんにちは」という挨拶の言葉はないと思う。これでは返す言葉がない。なぜ、「いらっしゃいませ」だけではだめなのか。あるいは「こんにちは」だけでもいい。
おそらく店のマニュアルにこの挨拶が明記してあるのだろう。だから、店員さんに何の「落ち度」もないのだが、私はこういう挨拶の言葉は気になって仕方がない。テーブルの隅にお店の印象を書くカードがあったので、上記のことを「優しく」書いて彼女に手渡した。彼女には変なおじさんだこと、ぐらいにしか思われなかったかもしれないが・・・。
日本は無駄な「騒音」が満ちている社会だと思わざるを得ない。JRや地下鉄などで「エレベーターの手すりにおつかまり下さい」などと何度も繰り返し流されるテープには全く意味がない。あれにどれほどの意味があるのだろう。何か事故が起きた際の責任回避のための措置だと思わざるを得ない。必要な情報はきちんと伝えることが重要なのは言うまでもないが、あのように不必要な情報を常時垂れ流していて、いざという時の警告が利用者に即座にスムーズに伝わるのだろうか。
◇
韓国語ドラマを暇に任せて見ているが、あきれてしまうドラマがある。日本語では「変わった家族」というタイトルで放映されている。もちろん、少しでも「生きた韓国語」を学ぼうと時々見ているだけに過ぎないのだが、あまりにべたな内容にあっけにとられながら見ている。日本でこのようなドラマは今も作られているのだろうか。私は日本のテレビドラマは全然興味がないので分からないが、さすがにこういうものはないのではと思う。
前にも書いたような気がするが、韓国は主だった俳優が頻繁に作品に名を連ねているようだ。私には名前を知っている俳優は皆無に近い。私のようにつまみ食いのようにしかドラマを見ていない身には、同じ俳優が似たような役柄で出ていると、頭が混乱することもしばしば。「ヒェー。勘弁してくれー」と叫びながら、画面を眺めている。
「ヒェー。勘弁してくれー」は英語だと “Give me a break!” がまさに打って付けの表現だろう。
◇
トランプ米大統領。今さらながら、ハフィントンポスト紙に痛快な記事があった。ニュースキャスターのキース・オルバーマン氏がオンラインの番組で次のように断じている。 “This man is not of sound mind. It’s time for Donald Trump to resign as president.”
トランプ大統領は就任してまだわずか一週間。辞任要求の声はむべなるかなだ。
- Comments: 0
"big league, bigger league"
- 2017-01-22 (Sun)
- 総合
アメリカに遂にトランプ大統領が誕生した。現実を粛々と受け入れるしかない。アメリカ国民の選択だ。ヒラリー氏が投票総数では最終的に300万票近い得票差をつけていたこともやがて歴史の脚注(footnote)として扱われる程度のものとなるのだろう。
新大統領が就任演説で何を語るのかぐらいは生で聞いておこうと、夜更かしして就任式典の様子を米CNNと英BBCの間を「往復」しながらテレビで見た。残念ながら彼の演説は一言で言って夜更かしする価値はなかった。後でビデオでも見れば十分だったと感じた。レトリックだけ。それも何の新味もないつまらないスピーチだった。あれを聞いて感動した人が果たしているのだろうか。いや、始めから彼のスピーチにいくばくかでも期待した方が無茶だったと言うべきだったかもしれない。そういう意味では逆に予想を裏切らないトランプ氏らしい大衆受けだけを狙った陳腐な演説だった。
トランプ氏が口にする英語表現のレベルの低さは欧米メディアでも手厳しく評されてきた。読売新聞でも彼の英語の文法はアメリカの「小学6年生レベル」と見なされている、と報じた記事を読んだばかり。過去には次のような記事を目にしたこともある。Whether it’s buildings or walls or deportations, Donald Trump likes largeness. When describing scale, he’s given to an odd descriptor: To the untrained ear, it sounds like “bigly.” But, as NPR and others have noted, it’s not: At a weekend event in Virginia Beach, he said that he would “cut taxes big league, cut regulations even bigger league.”
トランプ大統領が好んで使う英語の特徴の一つは他ではあまり見ない独特の表現法。上記の記事で言えば、「税金を大幅に減税する」と言いたい時に big league という表現を使っている。私は初めてこの表現を耳にした時、bigly と聞こえ、変わった英語を使うなあと思った。後になって big league だと知った。そうか、メジャーリーグ(大リーグ)並に大きくやってのける、という意味なのだと。
私は大学の授業で学生に「トランプ氏の英語を手本にすることを薦めることはできないが、反面教師として考えれば逆に参考になるかもしれない」と話している。「反面教師」はネットで調べると、negative exemplar という語が出てきた。これも調べていて初めて知ったことだが、「反面教師」という語は第二次大戦後に中国から伝来した外来語だとか。「本家」の中国語では「反面教員」(fǎnmiàn jiàoyuán)と呼ぶらしい。
トランプ大統領は就任早々、選挙戦を通じて敵対関係にある主要メディアを責め立てている。俺様の就任式典に大勢の人々が集ったが、お前さんたちメディアはそれをあまりに過少に報道していると。しかしながら、2009年のオバマ前大統領の就任式典と比較した写真を見ると、トランプ氏の就任式典に集った人々の数が格段に少ないことは一目瞭然。それに比べ、就任式典の翌日に全米各地で催された女性の地位向上を求めたデモ行進は凄い熱気に包まれたようだ。就任式典翌日という前例のないデモ行進が盛り上がったのは言わずもがなトランプ氏への異議申し立ての意味合いがあったことは間違いない。
トランプ氏がこれから「4年間もつか」という賭けがあったとしたら、私は絶対にもたないという方に賭けるだろう。あ、いけない、私はギャンブルから一切足を洗ったのだった。
- Comments: 0
アウトロー
- 2017-01-16 (Mon)
- 総合
帰福する前に郷里で小中学を一緒に過ごした幼なじみたちと宮崎市内で恒例の飲み会。風邪か何かで女性陣2人がドタキャンしたとかで、今年は私を含め6人が集まった。3次会まで盛り上がった。カラオケも楽しんだ。確か、カラオケは去年のこの集まり以来。何曲歌ったか覚えていないぐらい歌った。楽しかった。
長姉の家では大晦日と3日だかに焼酎を大きめの茶碗に一杯頂いた。それで十分満足した。幼なじみとの飲み会でもセーブ気味に飲みたかったが、さすがにそういうわけにもいかない。注がれるままにあおった。翌日は寝起きの時にちょっとだけ二日酔い気味だった。
さて、今年はどうしよう。禁酒の暮らしは2年が経過した。「石の上にも三年」というから今年一杯は続けようかと思っている。今年一年飲むことができるのは8月のお袋の命日、それと今年再会を考えている宮崎のゴルフの旧友や南大隅町の知己との懇親会の場だけにしたい。日にちで数えればたかだか数日に過ぎないだろう。これぐらいは神様も容赦してくれるに違いない。
◇
正月は穏やかで寒さに震えることはなかったが、帰福してからぐっと冷え込んでいる。この週末は特に寒かった。風邪やインフルエンザの本格的季節到来だ。そこでふと思った。自分はこのところ、風邪一つひいていない。風邪で寝込んだことなどないのでは。なぜだろうと考えた。病気になる「余裕」がないということかもしれない。思い当るとしたら、そう、よく食するようになって一年以上が経過した「らっきょう酢」の存在だ。
ほぼ毎日のように、らっきょう酢に漬けたゴボウとかニンジン、ダイコン、タマネギなどを食べている。小腹が空いた時にはおやつ替わりにもしている。これもあと一年ぐらい無病状態が続いたら、私の健康はらっきょう酢のお蔭と「証明」できるかもしれない。
◇
土曜日の紙面で楽しみにしているのは英字紙「ジャパン・ニュース」の四コマ漫画「オフィス・ケン太」。これは結構英語の勉強になる。ネットでも読めるようだ。興味がおありになれば、以下のサイトまで。http://the-japan-news.com/news/article/0001242050
読売新聞では日曜日にスポーツ英語の紹介のコラムを連載しているが、こちらはたまに目を通す程度。15日の紙面では野球用語の「インコース」を紹介していた。ホームベース上をボールが通過する際の「インコース」「アウトコース」は日本独自の表現であり、正しい英語では “inside” とか “outside” と表現することが説明されていた。
このコラムではさらに、日本人がよく口にする「アウトロー」という表現は英語ネイティブには通じないと記されていた。英語では “low and outside” と言うべきだと。なるほど。違和感を覚えたのはその後に「アウトローは、日本人がoutlaw(無法者)と取り違えやすい発音で、誤解を招く恐れも」と書いてあったことだ。これは全く逆だろう。日本人が好んで使う「アウトロー」はネイティブには outlaw(無法者)と勘違いされる可能性があるということだろう。仮にoutlow という語があったとしても、outlaw とは発音が微妙に異なるもののだ。
- Comments: 0
"Unbroken"
- 2017-01-05 (Thu)
- 総合
今年の正月は暖かい。宮崎とはいえ、山間部の朝夕は冷え込みが厳しく、いつも正月は震えながら、二階から階下の居間に降りていた。今年は震えるほどのことはない。子供の頃には珍しくなかった軒下や道端の氷柱(つらら)は久しく目にしていない。これも地球温暖化の確実な証左だろうか。そうだとしたら、喜んでばかりはいられない。
◇
夜。何度か庭に出て夜空を仰いだ。例によって、夜空をチカチカと点滅しながら飛んでいる不思議な飛行体を何度も見た。航空機ではない。ヘリでもない。ドローンなら理解できるが、はるか上空を飛行するドローンはありえないだろう。ドローンだとしたら、かなり巨大なドローンだ。今回も?で終わったが、実に不可解。昼間には全然見ることのない物体だ。デジカメで撮影を試みたが、映っているのは残念ながら真っ暗闇。
◇
時間がたっぷりあったので、ほぼ一日中、読書にいそしんだ。読んだのはアメリカ人の友人からクリスマスプレゼントで頂いた “Unbroken”(Laura Hillenbrand著)。第二次大戦で旧日本軍の捕虜となり想像を絶する虐待を受けながら生還する米兵、ルイス・ザンペリーニ氏(Louis Zamperini)の実話に基づく物語だ。捕虜となる前には乗っていた米軍機が太平洋上に墜落し、洋上を46日間も漂流し、飢えと渇き、さらには日本軍機の銃撃やサメとの死闘を経験する。表題が示す通り、普通の人間だったら、とっくの昔にbreak down(崩壊)していても不思議でない過酷な戦時体験が生々しく描かれている。
極悪非道の虐待に出る日本兵幹部が実名・写真入りで登場しており、複雑な心境で読み進めた。旧日本軍の瑕疵は幾らでも指摘できるだろうが、この本を読んで改めて思うのは、彼らには捕虜虐待を禁じたジュネーブ条約の存在が一顧だにされていなかったという重大さだ。だからいまだに欧米の戦争体験者の間では恨みつらみが残っている。それはこの本を読んでもむべなるかなと理解できる。
人間の虚栄心や戦争の虚しさに改めて思いを馳せたが、思わず吹き出してしまったエピソードもあった。ザンペリーニ氏が移送された新潟県の直江津の捕虜収容所でのお話。In Naoetsu’s little POW insurgency, perhaps the most insidious feat was pulled off by Louie’s friend Ken Marvin, a marine who’d been captured at Wake Atoll. At his worksite, Marvin was supervised by a one-eyed civilian guard called Bad Eye. When Bad Eye asked Marvin to teach him English, Marvin saw his chance. With secret delight, he began teaching Bad Eye catastrophically bad English. From the day forward, when asked, “How are you?,” Bad Eye would smilingly reply, “What the fuck do you care?”
彼の仲間が看守に悲劇的に(catastrophically)間違った英語を教える狡猾な芸当(insidious feat)をやってのけた(pull off)ことを述べた場面だ。私も外国人に簡単な日本語を教える機会に遭遇すれば、似たようなことを仕出かしたいという誘惑に駆られることがないでもない。実際、とある寿司屋で外国人のお客が「おしんこください」というところを「おちんこください」と叫んだという話をどこかで読んだ記憶もある。
- Comments: 0
テザリング
- 2016-12-30 (Fri)
- 総合
年末年始、宮崎の田舎は長姉の家に籠っている。そして今年最後のブログを書いている。例年と異なるのはこの項をすぐにアップできるということだ。テザリング機能といって、パソコンのネット通信を可能にするA社の携帯電話に最近、買い換えたばかり。携帯電話自体はガラケーであることに変わりはないのだが。
A社ショップでは電波事情の良くない山間部では必ずしも100%OKとは保証できないと告げられていた。そして帰郷。新携帯は通信状態も以前のものに比べても格段に良好。これまでは長姉の家では庭に面した廊下でなければ圏外だったが、今度のはどこでもアンテナが立つ。ネットワークの設定をテザリングにしてパソコンを立ち上げると、WiFiが可能な状況になっていることが分かった。あなうれし! これで「下界」とつながることができる。
◇
お昼。(私が収穫したわけではないが)収穫したばかりの椎茸を炭火であぶって酢醤油で食べる。これを美味と言わずして何と呼ぶ。惜しむらくは焼酎を飲めないことだ。明日になれば大晦日。大晦日ならば「特例」で焼酎を飲める。しばしの辛抱だ。
◇
電波状況の良くない山間部で困ることはNHKラジオの聴取がままならぬこと。韓国語と中国語講座が聞けない。ところがテザリング機能を使えばパソコンを通して、NHKのネットラジオ「らじる★らじる」が生放送で聞けることにも気付いた。やってみると、普通のラジオよりも鮮明に聞くことができた。テザリング恐るべし!
独学の初級者の身だから勘違いしている可能性があるかもしれないが、それを怖れず、中国語に関し最近の気づきを書けば————。NHKの中国語テキストで次のような文章があった。去哪儿旅行不重要,跟谁去最重要。(どこに旅行に行くかは重要ではなく、誰と行くかが最も重要です)。声調を含めて、この中国語文を正しく発音するのは私には至難の業なのだが、意味合いは理解できる。
この文章に出合った時に、日本語と中国語の「距離」がぐっと縮まったように感じた。英語だと上の文章は私には、It is not important to where you go on a trip. With whom you go is most important. といった英文が頭に浮かぶ。ただし直訳的に英文に落とすと、Go where on a trip not important, with whom go most important. といった感じだろうか。同様に直訳的に日本語文に落とすと、「行くどこに旅行、重要ではない、誰と行く、最も重要」という文章になるかと思う。これでも十分意味合いは理解できる。英文は推敲が不可欠だが、日本語文は荒削りでも何とか通じるのではないか。そのうち、私も何とか中国語の文章を自由に口にできるのではないかと考えた次第だ。
もちろん、「ピンイン+声調」の容易ならざる壁は存在する。これは大変だが、まあその辺りはあまり焦らずにやって行こう。来年の今頃、この欄で「今年、中国語はだいぶ上達したかと思う。基本的な会話ならそう苦労せずにやり取りできるようになった」と書けるようになっていたい。果たしてどうなっているのだろう。自分でも楽しみだ。
- Comments: 2
シュールな一年
- 2016-12-24 (Sat)
- 総合
今年最後の授業を一昨日、無事に終えた。振り返れば、今年も何だかあっという間の一年だったような気がする。来年は実りある一年をと心から願う。今年が無駄な一年であったとは思わないもののだ。
先に英米の辞書編纂社が今年の wordとして post-truthと xenophobia を選んだことをこのブログで書いた。その後、アメリカの辞書編纂社がまた別のword を発表したという記事を目にした。今度は surrealだ。Merriam-Webster社によると、これがオンラインの利用者に今年最もチェックされた語だったとか。記事はsurreal の意味として “marked by the intense irrational reality of a dream” と記している。「夢のように強烈で不合理な現実感が特徴」といった意味合いか。この語自体がそうネガティブというわけではないようだが、今年に限って言えば、先述のpost-truthと同じ「肌触り」の語のように思える。ヒラリー・クリントン氏や朴槿恵氏を筆頭に、過ぎ去ろうとしている年が surreal(現実とは思えない)な一年だったと感じている人々は少なくないだろう。
私はsurrealという語に接するたびに、アフリカ特派員時代に南スーダン(当時は分割前のスーダン)のジュバに出向いた取材体験を思い起こす。ジュバは最近、陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)の一環で「駆けつけ警護」の新任務を託された上で派遣された地だ。
私は1980年代末、隣国ケニアのナイロビから内戦取材でジュバに飛んだ。当時は訪問すること自体が容易でない地だった。唯一泊まれるホテルはコテッジ風のジュバホテル。コテッジ風と言えば聞こえはいいが、内戦ゆえに利用客は皆無に近く、建物も老朽化し、侘しさを禁じ得ない宿だった。部屋の水道の蛇口をひねると茶色い水が出た。ホテルのオーナーは毎朝、夜にはスープを出すと言いながら、最後までそのスープは出てこなかった。
たまたま同宿者に英国人のフリーランス記者がいた。トムという名のこの記者はカイロ(エジプト)から来ていた。ジュバにこの時いた外国人記者はおそらく私たち二人だけだっただろう。何日目かの朝、彼が私に向かって言った。「ショーイチ、今朝、私の部屋の(鳴ることはないと思っていた)内線電話が鳴った。このホテルはsurreal だ!」。ああ、日本語では「シュール」のsurreal という語はこういう時に使うのだなと納得した。
◇
アルコールの類からは無縁の暮らしを送っているが、ギャンブルもしかり。以前は競馬欄が目当てで毎日のようにスポーツ新聞をコンビニで購入していた。競馬からすっかり足を洗った昨年4月以降、競馬新聞やスポーツ新聞はただの一度も買ったことがない。ただし、週末はケーブルテレビで午後の競馬レースは見ている。もちろん馬券を買う気はさらさらないが、JRA(日本中央競馬会)のホームページで読める出馬表を参考に自分なりの予想を立てるだけで十分楽しい。
明日日曜日は年末恒例の有馬記念。今年はMQが面白そうだなと思っている。上位人気馬ではないようだから、馬券の妙味はたっぷりある。この馬が一着して大きな万馬券が出たとしても少しも残念に思わないようになったのだから、人間、変われば変わるものだ! 私のこの豹変もある意味、かつての私から見れば、surreal かもしれない。
- Comments: 0
ハンバオバオ
- 2016-12-15 (Thu)
- 総合
数日前ふと思った。自分は夜に酒(焼酎)を飲まなくとも何とも思わなくなったってことを。2年前までは考えられないことだった。夕刻が近づくと、氷を浮かべた焼酎のグラスが恋しくなっていた。乾き物を肴にグラスの中の氷をチンと鳴らしながら傾ける。生きていて良かったとつくづく思う。気分が乗れば、軽く4、5杯ぐらいはぐいぐいとすすむ。刺身でもあればなおのことだ・・・。
断酒を決意したのは昨年の正月明けから。体重を落とし、健康を意識してのことだった。当時足繁く通っていた居酒屋が店を畳むことになり、これも神のお告げかと考えたこともある。以来、帰郷した際の幼馴染との飲み会と大晦日、それにお袋の命日以外は禁酒するようになった。あ、もう一つあった。たまに出かける韓国の旅にある時は例外だ。旅先での酒は取材も兼ねており、これは神様も許してくれるだろう。
今月末には久しぶりに宮崎の田舎に帰郷する予定。大晦日は長姉の家で甥っ子たちと少しく焼酎を飲もうと思っている。肝機能はばっちりだ。今からその日が待たれる。
◇
お世話になっている出版社、書肆侃侃房が定期的に出しているPRの小冊子『ほんのひとさじ』の第4号が出た。出版社にゆかりの深い作家や詩人、歌人たちが味わい深い文章を寄稿している。第4号のテーマは「音の記憶」。私も今号には韓国語・中国語を難儀しながらもそれなりに楽しく独学していることを書かせてもらった。『ほんのひとさじ』は全国の主要書店の店頭で無料配布しているが、ネットでも案内が出ており、興味のある人は以下のサイトまで。
http://www.kankanbou.com/kankan/index.php?itemid=764
◇
『ほんのひとさじ』に私は中国語と韓国語の独学で気づいたことを書いた。それは外来語(英語)を母国語に「落とす」時のそれぞれの言語に垣間見える「創意工夫」だ。各言語の特質ゆえか、この点、日本語よりも韓国語の方が外来語を原音に比較的近く「組み込んで」いるのではないかと時に思うことがある。例として挙げたのが、shopping という語。日本語では<ショッピング>。韓国語はハングルで<쇼핑>と書き、英語と同様見事に二音節の語となっていて、しかも、日本語のように<グ>が突出してもいない。あえてカタカナ表記すれば原音に近い<ショッピン>だ。
初級者の域にも達していない身であれこれ論じることは恥ずかしいのだが、韓国語の中に見られる諸々の外来語に接してそのように感じつつある。最近の例ではhamburger。日本語ではもちろん<ハンバーガー>。韓国語では<햄버거>。あえてカタカナ表記すれば<ヘムボゴ>。英語ネイティブの耳には韓国語の<ヘムボゴ>の方が原音により近く聞こえるのではという気がしてならない。いつかネイティブの人に尋ねてみたいとも思っている。
これに対して、中国語では<汉堡包>と書き、中国語の発音を示すピンイン表記ではhànbǎobāo。声調を無視してあえてカタカナ表記すれば<ハンバオバオ>。中国語の外来語の処理は「我が道を行く」という雰囲気さえ漂う。これはこれで興味深い。
- Comments: 0