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英語でさるく 那須省一のブログ

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政治と熱狂

 私が教えている中学校では昨日始業式が催され、二学期が始まった。非常勤講師の私は始業式の日の午後に英語の授業が盛り込まれていたので、お昼過ぎに登校した。古い人間である私には夏休みは8月末まで続き、始業式は9月1日からという認識がある。それでまだ頭の中は夏休み状態・・・というわけにはいかず、これからの授業の進め方を考えている。
 そういう時によく思うのは、「この表現って中国語ではどう言うのだろうか。韓国語ではどうなるのだろうか」という疑問だ。頭の中でちらっと翻訳文を考える。うーん、ちょっと違うかな?と思うと、さらに考える。一昔前はそれで終わりだった。自宅にでもいれば、辞書やネットで検索などして吟味することも可能だが、外出先ではそれは難しい。しかし今ではスマホさえ手元にあればそうした文章をチェックし、生の音声でも確認できる。何と便利な時代なんだろう!
 とはいえ、中国語と韓国語。何度もここで嘆いているが、独学の歩みは遅遅としたものだ。特に中国語。声調を含めたピンイン表記は何度覚えてつもりでもすぐに忘れてしまう。机の上だけの独学では限界があるのだろう。仕方ない。まあ、スマホのようなかつては夢のような学習を手助けするキットがあるのだから、まだしばらくは諦めずに努力を続けよう。まだ70歳になったばかりではないか。人生花が咲くのはこれからだ。
                  ◇
 この項を打ちながら、テレビの音声に耳を傾けている。大谷翔平君の大リーグ中継ではない。翔平君、最近はなかなかホームランが出ていない。スランプ? リーグは異なるが、ヤンキースのジャッジ選手は連日のようにホームランを打っており、複雑な心境になる。
 今テレビでは米CNNが民主党の党大会を生中継している。党大会最終日でカマラ・ハリス副大統領が大統領選の候補者としての指名を受諾し、演説することになっている。
 スクリーンではハリス氏を支持する多くの民主党幹部や著名人が壇上に立ち、カマラ氏に賛辞を送っている。民出党と敵対する共和党の元上院議員が壇上に立ち、共和党のトランプ大統領候補は偉大さを装っているが、ちっぽけで臆病な男に過ぎないと酷評。大統領選ではアメリカの未来のためにハリス氏に投票する必要があると訴え、大喝采を浴びている。
 今日は仕事日ではないのでしばらく足を運んでいない食堂に昼飯を食べに行きたいのだが、肝心のハリス氏の受諾演説がなか始まらない。そして今ようやく始まった。ハリス氏はインドからやってきた母親とジャマイカ出身の黒人男性の間に生まれた。両親はやがて離婚し、ハリス氏は彼女の妹とともに母親に育てられるのだが、この母親ありてハリス氏ありということがよく分かる演説だった。ハリス氏は米国の発展進歩を逆行させる独善専制的なトランプ氏の返り咲きを絶対に許してはならないと力説した。流れは民主党へ逆転したように思えるが、果たして・・・。
 翻って我が国日本。自民党の「顔」を選ぶ総裁選がニュースとなっている。次期総裁がすなわち国の首相となるのだろうが、米民主党の党大会の盛り上がりとは比べるべくもない冷めた争い。国の指導者を選ぶやり方が違うと言えばそれまでだが、民主党のあの熱気に接すると「政治と有権者の近さ」に思いを馳せざるを得ない。

J.D. ではなく Shady とは!

 何とも不思議な夏だった。まだ過去形にするには早過ぎるかと思うが・・・。まず、南海トラフ地震の「関連解説情報」という名の警告。遂にそういう時代になったのだ。南海トラフ地震発生の可能性がこれから30年間に70%と告げられたら、まず発生するということだろう。YouTubeでは南海トラフ地震が実際に起きた場合のシミュレーション映像を見れるが、言葉を失うほどの衝撃だ。あれを生き延びるのは至難の業だろう。実際に起きれば西日本を中心に30万人以上の死者が出るとも言われるが、文字通り未曾有の大地震となるだろう。絶対に起きて欲しくないし、何とか被害を最小限にしなくてはならないと思う。
 お盆の時期には関東地方を強い台風が襲った。九州地方は蒸し暑い日々が続くだけで台風のことを意識することは幸いなかった。そこでふと思った。日本列島では台風と言えば、まず沖縄・九州が被害を受け、それから関西もしくは関東地方に台風が北上するのが典型的パターンでなかったかと。今では死語となったかと思うが、宮崎はかつて「台風銀座」と呼ばれていた。私は今でも台風と聞くと心が沈む。育った実家は川の側にあり、豪雨であふれかえった川の流れは恐怖そのものだった。
 それで思ったのは地球温暖化のこと。ひょっとしたら、温暖化は台風の進路も変えているのではないか。本来なら、沖縄・九州をまず襲っていた台風が北に向かうようになったのではないか。気象や自然現象にど素人の私は何の根拠もないが、何となくそう思った。宮崎や九州を襲う台風が少なくなるのは喜ばしいことだが、その分、日本の他の地方が被害に遭うのであれば、全然喜べない。まあ、そのうち、秋となり本格的台風シーズンになれば、九州は台風の進路にやきもきするようになるのだろう。
                  ◇
 米大統領選。バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明し、敵対するトランプ氏陣営に追い風が吹くことになるのかと案じたが、そうではないようだ。大統領が後継候補に推したハリス副大統領の人気が一気に沸騰している観がある。あおりを食らってトランプ氏の勢いがかげり、かてて加えて副大統領候補に指名したバンス氏が過去にはトランプ氏を「アメリカのヒトラー」と揶揄するなど批判的だったことが蒸し返され、地位(利益)のためには政治信条(信念)を捨て去ることも厭わない人物との印象を与えてしまった。
 飛ぶ鳥を落とす勢いのハリス副大統領は注目の副大統領候補に中西部ミネソタ州のティム・ウォルズ氏を指名した。報道で見る限り、実直で親近感のわく人物のようだ。日本のメディアでは当初、ティム・ワルツ氏とその名前を伝えていた。彼の名字のスペリングは Walz であり、これがワルツとなるのかと不思議に思っていた。新聞社国際部勤務時代の先輩記者氏からこれに異を唱えるメールが届いた。正確にはウォルズでしょうと。米のメディアにアクセスして耳を傾けると、確かにそうだ。ワルツと呼んでいるのはない。日本のメディアはダンスのワルツ(waltz)に引っ張られたようだ。読売新聞もウォルツだった。
 今では各紙ともにウォルズで足並みをそろえたかと思う。面白いと思ったのは、バンス氏の氏名はJ.D. Vance だが、トランプ氏に批判的なメディアではJ.D.に引っかけて、Shady Vance (うさん臭いVance)と呼んでいること。日本語ではできない言葉遊びだ。

祈る大津波来んことを!

20240813-1723516796.jpg 北陸の旅から無事帰福してだらけた日々を数日過ごした。オリンピックの熱いメダル争いに付き合っていると、気がつくと深夜未明。いけない、連日の寝坊の日々でもあった。
 週が明ければ宮崎に戻り、亡きお袋(親父や兄、姉もそうだが)の墓に手を合わせたいと考えていた。最寄りの駅でいつものように博多駅―新八代駅、下車して宮崎駅まで高速バスというルートで帰郷しようとした。月曜朝、駅の窓口で切符を買おうとすると、新八代駅から宮崎駅までの高速バスが満席との由。困った。普段は空席が目立つ高速バスなのに・・・。仕方なく空の便に変更だと思い、地下鉄で福岡空港に向かった。飛行機で宮崎に飛ぶのも久しぶり。空席が果たして残っているのかしらと不安だったが、空港に着いて航空会社に急ぐと、大丈夫、ありますよとの由。取り急ぎ、片道切符を購入。シニア料金で18,500円。
 お盆前だし、相当の混み具合を覚悟していたが、何のことはない、機内はがらがらだった。よく考えると、宮崎は先週の8日に大きな地震に見舞われたばかり。メディアではさらなる大きな地震発生の可能性を警告しており、その影響で帰省客や行楽客が宮崎への旅を敬遠したのだろうか。福岡―宮崎間は新幹線と高速バスでは3時間半程度かかるが、飛行機だと35分。上がったと思ったら程なく着陸準備のような忙しなさ。これでは旅情は起きないし、本も満足に読めない。
 西都市に帰郷すると、いつも行きたい場所がある。鰻屋だ。「入船」という名の老舗で絶品の鰻が味わえる。私はここの鰻が全国一美味いと考えている。ただし難点が一つ。予約を受け付けておらず、足を運んで長時間待つことを強いられる。それほどの人気店だ。今回も妹に連れられ、お昼過ぎにお店をのぞいたが、待ちのお客が待合室からあふれている。窓口で2時間待ちですと言われ、さすがに諦めて実家を目指した。
20240813-1723516677.jpg 実は故郷は今春の大雨で途中の県道が崖崩れを起こし、ずっと通行止めとなっていた。山道を通る迂回路があるにはあるが、道幅も狭く、対向する車と離合をするにもかなりの腕前が要求され、山道に慣れた熟練者でないと厳しい。それが先月末に突貫工事で崖崩れの近くに仮橋が完成し、ようやく従来の行き来が可能になった。
 それにしても巷間言われている大地震、さらには南海トラフ地震が気になってしかたない。読売新聞によると、日向灘では96年10月と12月にM6.9とM6.7の地震が相次いでおり、この時は最初の地震の割れ残りが2度目の地震を誘発した。懸念されるのは8日の地震で近くに割れ残った領域があり、しかもこの領域は8日の震源より浅い位置にある。再びM7級の地震が起きれば、より高い津波が発生する恐れがあるとか。おお怖! 大きな津波が宮崎市を襲えば、市街地は軒並み海面下になるのではないか。市内中心部の通りで見かけた海抜表示は6㍍に満たなかったと記憶している。
 毎朝、神様に祈るしかない。南海トラフ地震はもちろんのこと、大きな地震が起きませんように。もしそれが不可避なら、被害が最小限で済みますように。大きな津波が襲来することがありませんように。愚禿凡夫の祈りが役に立つのか甚だ心許ないが、真剣に祈り続けるしかない! 今では大万馬券が当たりますようにと祈ることはないから、ひょっとしたなら神様がこんな私でも祈りを聞き入れて頂けるかもしれない!

久しぶりに魚津

20240805-1722830660.jpg 週末、久しぶりに北陸に旅した。新幹線で新大阪駅へ。そこで特急サンダーバードに乗り換え敦賀駅に。そこからは北陸新幹線で富山駅に行き、富山駅でローカル路線のあいの風とやま鉄道線に乗車して、魚津まで。
 魚津では旧知のママさん(昔千駄木でスナック経営)の家に2泊させてもらった。お気に入りの金太郎温泉にも足を運び、たっぷりとお湯につかった。東京から来訪の競馬の友J君とも再会。いつ以来だろうと話し合ったが、記憶もあいまい。今このブログをスクロールして最後に魚津で歓談したのは2020年の正月だったことを確認。4年と半年ぶりの再会ということになる。月日の経つのはかくも早いのか。
 魚津では伝統の夏祭りを初めて見学した。深夜から未明はパリオリンピックの熱戦をテレビ観戦。こちらも大いに楽しんだが、あおるように飲んだビールに寝不足でさすがに疲れた。今、富山に戻り、駅前のスターバックス店でこのブログを書いて(打って)いる。この項を読み返すのは何年後になるのか分からない。まさか、また4年と半年後ということはなかろう。コロナ禍のような感染症が再び猛威を振るうことのないことを願う。
 ママさん家で見たオリンピック競技で印象に残ったのは何といっても柔道の団体戦か。フランスに勝って日本が手にしたと思っていた金メダルがするりと逃げていった。何とも後味の悪い五輪観戦となった「元凶」をここで書いておきたい気もするが、特定の選手への個人攻撃になるからやめておこう。心から祝福したい銀メダル獲得ではなかった!
 一つだけ他愛ないことを付記しておきたい。金太郎温泉で二日酔いの頭を露天風呂から上がって癒やしていて、虫に刺された。アブだ。これが標準語かどうか分からない。魚津では何と呼ぶのだろう。近くにいたおじさんに尋ねた。どうやら同じ呼び名でいいらしい。そこで一句浮かんだ。――魚津の湯 アブに刺されて 名前問うーー         
                  ◇
20240805-1722830583.jpg オリンピックが始まって以来、大リーグ(MLB)中継を見ることは少なくなったが、ホームページにはしょっちゅうアクセスして情報を得ている。大谷翔平君のかつてのチームメイトで兄貴分のような存在、エンゼルスのマイク・トラウト選手(32)のことが大きく取り上げられていた。
 その記事の見出しを見て、戸惑った。'Guy can't catch a break': Trout done for '24 with another tear in knee 左膝半月板損傷で今シーズン途中から戦列を離れ、手術を受けた後、リハビリに入っていたトラウト選手だが、再手術が必要なことが判明し、今シーズンはプレーすることができなくなったとか。それは見出しの後半部分を読めば推察できたが、前半の ‘Guy can’t catch a break’ は難解。catch a break とは何ぞや?
 ネットで調べて次のことが分かった。本来は「一息つく」というような意味合いらしい。上記の文章は否定形になっているので、「一息もつけない」転じて「あいつ(Guy)は次から次に難題がやって来ている。ついてないことよ」と同情する類の言葉のようだ。
 夏休みが終われば二学期が待っている。“I can’t catch a break.” とため息をつくようなことがないことを心から願う。       

安眠妨げるものは?

 盛夏になると大リーグにプロ野球、それに甲子園での高校野球が加わり、仕事(例え雑事であろうとも)にならないことは承知していた。全部に付き合っていたら、仕事にならない。パリオリンピックのことは忘れていた。オリンピックに魅せられると、時差があるので深夜から未明まで付き合わされることになる。
 男子体操。私も高校時代は器械体操クラブに属し、練習に勤しんだ。運動神経の悪さに臆病な性格が加わり、胸を張れるような成果は残していない。まあ、卒業するまで辞めることなく練習し、卒業時には後輩たちが女子(団体体操)部員も含め、教室の一室でコーラにお菓子で細やかな送別会を開いてくれた。今も懐かしく覚えている。
 月曜夜というか火曜未明。男子体操の団体総合。日本チームは予選ではライバルの中国チームに大差をつけられた2位だったので、予選の成績を持ち込まない決勝でも分が悪いのだろうなと思っていた。日本は中国と同じ組で交互に演じる。ともに3人が演じ、3人の合計点数で優劣を競う。最初の床運動では日本は中国を上回る演技をしたが、2番目の鞍馬でエースの橋本大輝選手(東京五輪個人総合金メダリスト)が何と落下、暗雲が立ちこめた。橋本選手は予選の段階から調子を崩しているようだった。続く平行棒や吊り輪などでは中国チームの強さは証明されており、私はこれで団体の金メダルは消えたなと思い、寝ることを選択した。朝起きて銀メダルだったら御の字だろうと。
 早朝に目覚め、スマホを開いて驚いた。何と日本が大逆転の金メダルを奪取しているではないか。最終6種目目の鉄棒で中国は2人目の選手が2回も落下したのだとか。難易度を下げた普通の演技でもやっていれば2回も落下するミスは犯さなかったのではないか。首位に立った日本は3人目の演技者、橋本選手が真骨頂の素晴らしい着地を決めて金メダルを決定づけた。最終種目が鉄棒でなかったならば、大逆転劇は起きていなかったことだろう。
 私が見たビデオでは中国の最後の選手が演技を終え、日本の成績を上回ることがないと確定した時点で日本選手団は歓喜の渦に包まれた。主将の萱和磨選手は誰はばかることなく大泣きしていた。金メダルを奪還するというプレッシャーから解放されたこともあるのだろう。女子柔道52㌔級で2回戦で敗退し、連覇が消えた阿部詩選手の号泣(あれはギャン泣きと呼ぶらしい)は見るに堪えなかったが、萱選手の大泣きは不快感ゼロだった。多くの人がそう思ったことだろう。
                 ◇
 NHKラジオの英会話講座で次のやり取りが流れていた。A: My piano teacher told me some advice long time ago. B: What was their advice? 私は最初、theirというのは昨今はやりの性別を特定しない、特定したくないケースでの苦肉の策の代名詞表現かと思った。自分が男性、女性のどちらでもないという性自認を抱く、英語ではnonbinary と呼ばれる人たちは自分を示す代名詞として they や theirを選択するからだ。
 いや、そうではなかった。Aが語るピアノの先生の性別をBは知らないので、代名詞をhis や her と表現できない。だからあえて their と形容したのであり、これは英語では昔からある用法だとか。訳す場合は「その人の・・」と訳せば無難か。

imagineの後は~ingの動名詞

 宮崎から帰宅して普段の生活に戻った。普段といっても中高の非常勤講師の仕事は夏休みだから気楽なものだ。この生活が一か月も続けば、社会復帰できなくなるのではと危ぶむ。水は高きところから低きところに流れるもののようだ。
 とはいえ、始終ぼぉーとして過ごしているわけではない。NHKラジオの外国語講座を聴く日課は続けている。英会話講座などでは、嗚呼、そうだ、こういう表現を説明する手もあったなどと気づかされることがしばしばだ。例えば、数日前には講師の先生が動名詞とto不定詞のどちらかを目的語に取る動詞の差異について説いていた。英語教師であれば、生徒に説明する基本文法の一つである。新聞記者時代に海外で取材している時にはこうした事柄を意識することはなかったが、教師(講師)となれば不可避。
 動名詞を目的語として取る動詞の代表例として挙げられていたのがimagine だった。私は教室では enjoy とか finish を代表例として説明していた。imagine までは意識しなかった。imagine の名詞形である imagination(想像)は好きな語だ。この語の大切さについてもよく語っている。世の中でありとあらゆる不祥事が起きているが、そうした不祥事をしでかす人たちは自分がそういう行為に出たらその結果がどういうものになるか想像できれば、そういう行動に至ることは避けられたのではないかなどと語っている。
 辞書を引くと、次の例文が載っていた。Imagine traveling through space at more than 27,000 kilometers an hour. (時速2万7000キロ以上のスピードで宇宙を旅することを想像してみよう)。なるほど、上記の文章は Imagine to travel through … とは表現できないのだ。to 不定詞を使ってもいいような気はするが、リアリティーを伴う表現の時には to不定詞よりも動名詞を使うのがルールということか。
                  ◇
 中国語の独学。声調には今も苦労させられている。下から一気に上がる二声とその逆の上から下に下がる四声がいまだに区別できないことがある。NHKラジオの中国語講座で久しぶりに次の語を耳にして戸惑った。「連絡」するという意の「联系」(liánxì)。「練習」は「练习」(liànxí)で別の語だが、ピンイン表記は酷似。私には何度発音を口にしても、恥ずかしいのだが声調の差異が区別できない。音痴ゆえのハンデと考え込んでしまう。
 中国語(中国人)の講師の話を聞いていると、声調はとても大切であり、声の上げ下げを絶対に間違えないようにと言われる。だから私も精通したいのだが、四苦八苦している。韓国語には声調はないが、日本語では意識しない激音や濃音というものがあり、これにも悩まされる。例えば、足という意の발。腕という意の팔。私の耳にはどちらもパルと聞こえ、聞き分けるのは難しい。발は普通にパルと言えばいいのだが、激音の팔はパルと強く息を吐き出す必要がある。
 最近見かけたYouTubeの韓国語講座ではネイティブ話者の講師がこうした音の違いにあまり神経質になる必要はないと語っていた。日本語で言えば「あめ」という語の高低のアクセントを間違っても、降る「雨」か食べる「飴」か文脈で判断できるように、そう気にしないでもいいとの趣旨だった。高低アクセントの違いを認識できない宮崎県出身の私は全く同感!

別府・地獄めぐり

20240724-1721818536.jpg 宮崎を出て別府に向かった。今秋に私を訪ねてやって来る韓国人の友人夫妻を歓待する方策を考えねばならない。福岡と宮崎はまあ土地勘があるからいいが、別府は分からない。別府の温泉は世界的に有名だし、ここは外せないかな。それでとりあえず「偵察」しようと足を伸ばした次第。宮崎から日豊本線の特急で別府に。特急だが、悲しいかな単線だから、対向してくる電車の待ち合わせがあったりして、時間がかかる。過去に何度か利用したことがあるが、あまり急ぐ旅でもなく、読書の時間だと思えばそう苦ではなかった。
20240724-1721818587.jpg ところが、今回はやはりその時間が気になった。お昼過ぎに宮崎を出て、別府に着いたのは午後4時過ぎ。週末に博多を出て宮崎に着いたが、博多から九州新幹線で新八代駅まで50分ほど。これは快適で感覚的にはあっという間に新八代に到着した印象。新八代からは高速バスに乗り換え、2時間10余分程度で宮崎駅に到着した。これもゆったりしたバスで苦には感じなかった。それに比べて、日豊本線の宮崎から別府はちょっとこたえた。正直、大分駅で小倉行きの特急に乗り換え、7分か8分後に別府駅で下車するのだが、二日酔いの疲れもあったのか、そのまま小倉まで行き、自宅に直帰しようかと心が揺れた。
20240724-1721818629.jpg いや、この機会を逸したら、別府温泉の「偵察」はできないと自分を鼓舞して別府駅で下車した。最初に目指したのは駅構内の観光案内所。親切な担当のお嬢さんがいて助かった。こちらの希望を聞いて色々とアドバイスをしてくれた。その後にホテルを探したが、あいにく夏休みの行楽客で混み合っているのか、空きがないと立て続けに断られた。三軒目のホテルで何とか空き部屋が見つかった。温泉付きで値段もリーズナブルだった。
20240724-1721818664.jpg 一夜明けて、前日に観光案内所で聞いていたアドバイスに従い、別府名物の「地獄めぐり」を歩いてみた。足を運んだ甲斐はあった。週末に飲んだ幼馴染みによると、我々は中学校の修学旅行で「地獄めぐり」を楽しんだらしいが、私は残念ながら何も覚えていない。今回別府駅西口からバスに乗り、地獄めぐりの地に。灰色の不気味な「鬼石坊主地獄」から神秘的なコバルトブルーの「海地獄」、アフリカを思い出すワニが飼育されている「鬼山地獄」などを見学したが、なるほど、別府が日本随一の地熱や蒸気に恵まれた地であることを実感できた。台湾や韓国、東南アジアからの観光客で賑わっている印象も受けた。
 「偵察」の甲斐あり、だいたいの事情は頭に入った。ただやはり、宮崎から別府は時間がかかりすぎるか。別府から福岡方面は2時間ぐらいだからまあ大丈夫。人間、2時間ぐらいまでの乗車は許容範囲だが、3時間を超えると微妙・・・か。それなら福岡からまず別府に南下する手もあるか。宮崎で宮崎らしいものを飲み食いして、高速バス経由で新八代から九州新幹線で一路、博多を目指す手も悪くないかもしれないなどと考え始めている。
 「地獄めぐり」の後、ひょうたん温泉という所まで歩き、そこの温泉に浸かった。例によって道に迷ってしまい、温泉にたどり着いた時は汗びっしょり。お湯に浸かった後に食事処で生ビールをぐいっと。喉が渇いていたのか、実に旨かった。夏はやはり生ビールか。その後、人気メニューとかの冷麺を食べた。これも旨かった。いけない。夏休みに入って連日、飲んでいるではないか。ますます豚のように太ってしまうぞ。よし、8月に入ったら改めて考えよう。(8月も北陸方面に旅の予定で飲まないわけにはいかないのだが・・・)

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