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緊急事態宣言へ

  • 2020-04-07 (Tue) 12:03
  • 総合

 新型コロナウイルス。ついに日本でも緊急事態宣言が発令される運びとなったようだ。ここ福岡も7都府県の中に含まれている。これから約1か月間、さまざまな行動の自粛が要請されるのだろう。7日の読売新聞の紙面には「日本は2週間前のニューヨークみたいだ」とニューヨーク市内の大学病院で勤務する日本人医師の憂慮の声が報じられていた。そうならないことを切に祈りたい。
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 少し前の項で次のように書いた。—— 新型コロナウイルス対策として私たちは①密閉空間②人の密集③近距離会話の3つを避けるよう求められている。海外のメディアが報じている “social distancing” の骨子だ。私は “social distancing” を日本語では「SD」として定着させてもいいのではと思い始めている。SDは “safety distance” (安全な距離)ととらえることもできる。「SDに注意!」でどうだろう。いややはり無理があるか。—— ネットで見ると、「社会的距離の確保」という表現があった。妥当な表現と思う。民放のラジオを聞いていたら、「社会的隔離」という訳語を使っていた。「隔離」というとネガティブなニュアンスがある。自らの意思で他者との間に一定の距離を置くのだから、「社会的隔絶」の方がまだいいのではないかと思う。いずれにせよ、これからは “social distancing” が社会生活のエチケットの一つとなるのだろうから、きちんとした用語が必要かとは思う。
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20200407-1586228585.jpg CNNを見ていたら、トーク番組でジャーナリストのクリス・クオモ氏がコロナウイルスに感染したというニュースを目にした。彼の印象は攻撃的な問答で、私はあまり好感は抱いていなかった。特にニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏とのインタビューでは何だか殺気立った雰囲気で、私はもう少し柔和に対応できないものかと思いながら見ていた。
 そうしたら、何と二人は兄弟であることを知った。そう言えば、確かに風貌がよく似ている。なるほど、兄弟だからこそ、けんか腰のインタビューになったのか。根底にはお互いのそれぞれの立場に対するリスペクトがあったのだ。
 私が見た番組では彼が療養中の自宅からインタビューを受けていた。私が思わず同情の念を覚えたのは彼の次の言葉だ。“The beast comes at night.”(獣は夜にやって来る)。高熱でうなされる状態を beast と表現している。彼は自分の平熱が華氏97.6度で低い方であり、普通の人には何でもない華氏99度でも自分にはこたえると語っていた。私の換算では摂氏だとそれぞれ36.4度、37.2度。私も恥ずかしながら平熱は低い方で35.7度(今測ったら35.8度)。だから体温が36.度台になると私的には黄信号が灯る。
 クオモ氏は夜寝ている時に幻覚のような症状を呈すると語っていた。例えば、亡き父親がベッドの向う側に立っているとか。統計上ではコロナウイルスに感染したとしても約8割の人々は病院に行くことなく回復すると言われるが、クオモ氏はたとえそうであっても、夜に高熱が出て上記のような症状を体験するのは決して生易しいものではないと語った。風邪を引くと、大概の人にはそう高熱でなくとも、なかなか寝付くことができず、時に幻覚のようなものに苦しめられる私には彼の語っていることがよく理解できた。

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