- 2019-12-20 (Fri) 12:34
- 総合
トランプ米大統領に対する弾劾訴追が米議会下院で遂に賛成多数で可決された。CNNで生中継されたので見ることができたが、下院では少数派の与党共和党と多数派の野党民主党との間で熱い、それでもやはり退屈な論戦を経ての可決だった。
これにより、年明けにも上院に場を移し、大統領の罷免の是非を裁く裁判が行われる段取りとなったが、上院では共和党が多数を占めることから、ほぼ間違いなく罷免は退けられる見通しと報じられている。「大山鳴動して」何とやらという結果に終わりそうだが、トランプ大統領のフェイク色を改めて露呈しただけでも意味はあったのかもしれない。
ただ、理解に苦しむのはそれでも大統領の支持率が上昇と伝えられていることだ。来年秋の大統領選でトランプ氏が再選される可能性が大とも報じられている。日本に住む私たち、少なくとも私が米国民に対して抱いている大多数は良識ある国民というイメージは悲しいかな、瓦解しそうな雲行きだ。
金曜朝。パソコンでCNNのホームページをのぞくと、次の見出しの記事がトップの扱いだった。“Trump distressed by looming Senate trial delay” 私の脳裏に最初に浮かんだのは、え、トランプ大統領が弾劾裁判の遅れで気分が良くなっているの?という疑問だった。というのも小倉の英語教室で先日、似たような表現を説明したばかりだったからで、ただでさえ、明晰でない脳内が混乱した。よくよく考えて見ると、語が違っていた。
私の頭に残っていたのは de-stress という語。distress とはスペリングも発音も少し異なる。上記の記事はトランプ氏が民主党が公正な裁判が行われると信ずるに足るまで、訴追案を上院に送付することを見合わせる戦術に出るらしいことにイライラを募らせている(distressed)と報じたもの。これに対し、de-stress は全く逆の意味となり、stressをなくす、つまり「元気を回復する」という意味合いとなる。私が教材にした四コマ漫画では上司に叱られた若手の社員が癒しを与えてくれる犬に抱きつき、“Help me de-stress!”(僕を元気にしてくれよ)とつぶやいていた。
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NHKラジオの中国語のテキストに「好感(ハオガン)」という語が出てきた。日本語の「好感」と同じ漢字で意味も同じ。辞書には以下の文章が載っていた。「我对他有好感。」(私は彼に対して好感を抱いている)。韓国語では「好感」は「호감」(ホガム)。上記の文章なら、「저는 그에게 호감을 갖고 있습니다.」と表現できるのではないかと思う。
通常なら、日本人にとって韓国語の方がずっと頭に浮かびやすいと思うのだが、最近は上記の中国語のようにすっと腑に落ちる中国語に出合うことが多い。
さらに次の文章。「弟弟借我三千块,我还他三千一百块。」。「弟は3000元を貸してくれたが、僕は3100元を返した」という訳文が載っている。現在形の訳文でも成立しそうに思えるが、ここでは過去形の文章とされている。これも中国語の不思議の一つ。この例文は中国語の「二重目的語」を取る動詞の例として紹介されていた。他には「告诉」(告げる)や「教」(教える)が「借」(借りる、貸す)、「还」(返す)とともに挙げられていた。
中国語の文章が上記のようなものばかりだったら、我々にはとても楽なのになあ!
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Comments:2
- 受講生です。 2019-12-22 (Sun) 00:23
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Help me de-stress!” と我が家のワンコJanを抱っこして発することはないの
ですが、彼はとても食いしん坊で
ずるしておやつをもらおうとします。
そんな時は、
That kind of trick won't work, Jan!
この使い方で合っていますか?
英語教室、とっても楽しいです。
教材の四コマ漫画の台詞を考えたり
文法も教えて頂き充実の90分間です。
来年もよろしくお願いいたします。 - nasu 2019-12-22 (Sun) 09:26
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Sさん
はい、その使い方がまさにぴったりです。
英語教室、楽しく思って頂き、嬉しい限りです。来年も楽しく英語力を身につけていきましょう。
那須