- 2019-12-05 (Thu) 10:09
- 総合
カズオ・イシグロ氏の小説 “The Buried Giant” に言及した際に次のように記した。—— ビートリスが “We’re two elderly Britons …” というくだりでは、Briton は今では「英国人」という意味でも使われるため、少なからず脳内が混乱した。ここでのブリトン人とはアングロサクソン系民族が移住し、現在の英国を構成する以前の先住民であるケルト系の人々を指す——。
水曜日のジャパン・ニュース紙(JN)にこのBriton という語が見出しに踊っているのを見た。—— Prince Andrew sex scandal accuser calls for Britons to back her —— 英王室のアンドリュー王子(59)にまつわるセックス・スキャンダルの記事だ。英米のメディアでは大扱いされている。私自身はあまり興味もないが、アンドリュー王子が富豪のアメリカ人の友人にかつて便宜を図ってもらい、未成年のアメリカ人の少女と性交渉を持ったという疑惑だ。現在は30歳代半ばのこの女性がメディアで実名、顔を曝して告発している。水曜日のJNの記事では彼女は2001年、17歳の時にロンドンに連れて行かれ、王子と初めて性交渉を持ち、翌年にかけて計三度にわたって相手をさせられたという。
彼女が「私は真実を語っている。英国の人々は私を信じて欲しい」と訴えたのが上記の見出しの記事。アンドリュー王子はBBCとのインタビュー番組で疑惑を真っ向から否定し、火消しに躍起となったが、今のところ、逆効果となっているようだ。この醜聞の渦中にいる、いやいたのが、富豪の故ジェフリー・エプスティーン氏で、彼自身が未成年の少女を性的目的で人身取引した罪で逮捕、収監され、今年8月に獄中で自殺した。エリザベス女王のお気に入りの息子(次男)と言われるアンドリュー王子が地に落ちつつある世評を回復するのは並大抵のことではないという気がする。
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NHKラジオの初級中国語講座の再放送が3か月目に入った。近頃はちょっと歯応えのある内容となっていて「苦戦」し始めた。初歩的な語彙も一度は学んだはずなのにすっかり忘れてしまっている。美丽(美しい)や英俊(ハンサムな)迷人(魅力的な)酷(かっこいい)・・・。発音(ピンイン)となるとことごとく怪しい。
「象は鼻が長い」という主述述語文がまた出てきて、いい復習になった。「他工作很忙」(彼は仕事が忙しいです)。日本語と語順は全く同じだ。私は改めて思う。こんな感じの文章を身につけていけば、いつか中国語の達人になれるのではないかと。いや、なれないかな?! いずれにしても、こういう時には私と中国語の距離はぐっと狭まる。韓国語でも上記の文章は「그는일이바빠요」と日本語と酷似している。
先日、近くの郵便局に行ったら、小包の受け付けは本日は終了したことを告げるお知らせが張り出されていた。外国人客も多いからだろうか。だが、英文はかなり怪しいものだった。職員さんがスマホか何かの翻訳機能を使って英文をこさえたようだ。
スマホの翻訳機能がAIを駆使して長足の進歩を遂げれば、外国語(中韓)を学習する必要はなくなるのだろうか。いや、そうなったとしても、外国語を学ぶ意義(喜び)は消滅しないだろうと思う。思いたい。