- 2019-10-20 (Sun) 12:03
- 総合
地下鉄の駅からホテルへの行き帰りにそばを通るレストランのような古びた建物がある。レストランのようなとは普通のお店のようには見えないからだ。テーブルがなく、お客はドラム缶を囲み、立ったままで肉を焼いて食べている。建物も倉庫のようで薄暗い。
初めてここを夕刻に通った時に外から中をのぞいて、どこかの会社の昔からある社内食堂かと思った。大勢の人たちが2、3人、あるいは4、5人のグループに分かれて、20前後はあると思われるドラム缶を囲んで美味そうに焼き肉を食べている。いや、やっぱりレストランか。肉を焼く匂いが窓から流れてきて、羨ましくなる。
数日前、恐る恐る中に入り、レジらしきところにいた短パンの男性に韓国語で「ここは一人でも利用できますか?」と尋ねてみた。男性は「いいですよ。でも、今日はもうカルビがなくなったので店仕舞いです」というようなことを言う。「それでは明日、一人で来たら食べることができますか?」「ええ、大丈夫です。早い時刻がいい。午後5時に来れば大丈夫です」。一人で貴重なドラム缶を専有するのは気が引けるが、5時ならまだ客が少ないのだろうと推察した。
それがおととい。そして昨日夕刻、屋台で二度ほど一緒に飲んだCさんと連れ立ち、レストランに向かった。やはり一人で行くより、連れがいる方が、お店も受け入れやすいかと思ったのだ。私はCさんに見てくれはぱっとしないが、匂いがいい焼き肉店と伝えていた。お店に近づくと、彼は「ああ、ここですか。ここは地元では有名な店ですよ。カルビがなくなると店が閉まります」と言う。そうなんだ。有名なお店なんだ!
到着したのが5時を少し過ぎており、何人か入店待ちで並んでいた。20分ほど待たされ、ようやっと入店。適当に肉を注文し、Cさんが器用にハサミで切り分け、練炭の上の鉄板で焼いてくれた。すぐに焼き上がり、たれをつけて口に運ぶ。匂いも良かったが、味も負けずに良かった。辛くない青い唐辛子も時々はさみ、焼酎で喉を潤しながら、パクパクと食べた。こんなに美味いカルビは久しぶり。勘定は二人合わせて72,000ウォン。納得の値だった。外の看板の店名は「연남서식당」。「カルビ立ち食いヨンナム食堂」と呼びたいようなお店だ。また絶対行きたい!
お腹が一杯になったのでCさんの案内で近くを散歩した。私の宿は新村と呼ばれる地区にあるようだ。新村は若者が集うファッショナブルな一帯だとか。ホテルがある周辺は全然そういう感じがしないが、Cさんの案内で歩いたら、確かに多くの若者たちで賑わう一角に出た。はやりのレストランがひしめき、入店待ちの人たちが長い列を作っている。博多・天神を上回る熱気を感じた。
歩いていたら、少し小腹が空いたので、寿司店を見つけ、そこでセットの寿司に生ビールを飲み、満足してホテルに戻った。普段質素な生活を送っているので、旅先ぐらいではちょっと贅沢してもいいだろう。これを贅沢と呼べればの話だが。
部屋に戻ってテレビをつけた。ひょっとして日本シリーズの初戦を放送していないか。放送していなかった。ラグビーのワールドカップは放送していた。これなら明日の日本・南アフリカ戦は見ることができそうだ。
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