- 2019-10-10 (Thu) 21:39
- 総合
シリアを中心とした中東情勢が緊迫している。発端はトランプ米大統領がシリア北部にクルド人勢力とともに展開していた米軍の撤収を表明したこと。クルド人勢力に敵対するトルコ軍の軍事作戦に道を開くこととなり、シリア北部への空爆や砲撃が始まった。
米国はこれまでクルド人勢力を支援して、イスラム過激派組織「イスラム国」の掃討に当たってきた。今回の米軍の行動はクルド人勢力への裏切り行為に当たるのではないかと、米国の与党共和党内からも反発の声が上がっている。このニュースをフォローしていて、オバマ前政権で安全保障担当の補佐官を務めていたスーザン・ライス氏がトランプ大統領のこの方針を「支離滅裂」と非難しているニュースが目に入った。見出しでは “This is bats**t crazy” となっていた。おそらく英語でいわゆる four-letter word と呼ばれる、あまり公然とは口にできない卑猥な語だと推察がつく。本文を読むと、batshit と出ていた。batshit crazy という語彙は私の辞書には掲載されていない。ネットで調べると、「支離滅裂」とか「常軌を逸した」といった意味のようだ。unbelievably crazy といったところだろうか。
トランプ大統領の方針はこれまで米軍と一緒にイスラム国打倒のために戦ってくれていたクルド人勢力が武力に優るトルコ軍の攻撃にさらされるのを黙認する行為に他ならない。ウクライナ疑惑から弾劾訴追の動きが加速しているトランプ大統領に対する非難の声はますます大きくなるだろう。国際政治の場から早く退場して欲しいと願う声も勢いを増すのではないか。異国の指導者が米大統領の苦境に我が利ありと無法な蛮行に出ることがないことを祈りたい。
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勝負の世界は非情、ということを改めて実感した。プレーオフが佳境を迎えている大リーグ。ナリーグでは木曜日(現地では水曜日)リーグチャンピオン決定シリーズに出場する2チームが決まったが、何と、前田健太投手の所属するロサンゼルスドジャースはワシントンナショナルズに信じ難い逆転負けを喫し、プレーオフから敗退した。2勝2敗で迎えた最終戦、ドジャースは有利なホーム球場にナショナルズを迎えた。1、2回に好調な打線が計3点を挙げてリードした時には、これでプレーオフの勝ち上がり確実と多くの人々が思ったことだろう。
私は木曜朝からずっとこの試合を見ていた。7回を終わって3対1でドジャースがリード。お昼過ぎに用事があったので出かけた。中継ぎに回った前田君も控えているし、まあ勝つだろうと思っていた。用事を済ませて帰宅すると、何と痛恨の逆転負け。しかも、救援した大エースのカーショーが8回に2本のソロホームランを浴びて同点とされ、延長10回表には別の投手が満塁ホームランを打たれ、裏を完璧に抑えられ、7対3でゲーム終了とは。
前田君はカーショーの後を引き継ぎ、3者三振の見事な投球を見せていただけに、ベンチの采配ミスではと思わざるを得ない。レギュラーシーズンではドジャースはリーグトップの106勝を挙げ、ワイルドカードから勝ち上がってきたナショナルズは93勝に過ぎない。それでもリーグチャンピオン決定シリーズに出場する権利を獲得したのは伏兵ナショナルズだった。ドジャースファンには悪夢のような試合だったことだろう。残念!
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