- 2019-04-17 (Wed) 08:12
- 総合
先に書いたように、中国語の講座の老師(先生)は学習の一環として漢字の筆順も習得するように求めている。それでテキストの一つには筆記帳が含まれ、私たちはレッスンごとの漢字を正しい筆順で書き写すようになっている。
ところで、台湾の漢字は繁体字と呼ばれる由緒正しい難解な字。最初これを目にした時はいやあ参ったなあという感じ(漢字)だった。NHKの中国語講座で学んできたのは中国で使われている簡体字と呼ばれる簡略化された字。例えば、学校は簡体字だと日本語とほぼ同様の学校だが、台湾では學校。書くのが実に面倒くさいと思った。ところがだ。何度も書いているうちに慣れてきた。飛行機は簡体字では飞机で書くのは比較的簡単だが、繁体字ではほぼ日本語のように飛機。視覚的にはより明確にその意味をアピールしてくる。
先日の授業では受講生各自が黒板に板書させられたが、私が疑問文の文末に登場する字の嗎という字を書くと、老師に「字が上手だ」とほめられた。私はこれまで字が上手だとほめられた記憶はない。まさかこの歳になって、しかも漢字の本家の台湾でほめられるとは夢想だにしなかった。それで授業の後にカフェの一角に座して、小学生にでも戻った気分で筆記帳に向かっていると、自分の書く漢字がまんざらでもなく見えてくるから不思議だ。
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月曜日の深夜の時間帯。米ゴルフの最高峰、マスターズをホテルのテレビで見た。時差が日本と同様、厳しいため、途中で切り上げて寝るつもりだったが、何だかタイガー・ウッズが優勝するのではないかと思え、未明まで付き合ってしまった。最終ホールでボギーをたたいても優勝というのはタイガーらしくないと思ったが、プロ中のプロが競うマスターズで通算5度目、メジャーだけでも15勝目という素晴らしい復活劇を成しとげたタイガーに注文を付けられる人などいないのでは。
BBCやCNNでは世界中の著名人の祝福の言葉を報じていた。面白いと思ったのはオバマ氏とトランプ氏の新旧両大統領が祝福の言葉を送っていたこと。水と油のような関係のこの二人が意見の一致をみる話題はそう多くないだろう。
BBCから両者の言葉を紹介すると。<Former US President Barack Obama, who played a round of golf with Woods during his time in office, paid tribute to Woods' determination after a difficult few years. "To come back and win the Masters after all the highs and lows is a testament to excellence, grit and determination," he wrote. US President Donald Trump said he loved "people who are great under pressure. What a fantastic life comeback for a really great guy!">
オバマ前大統領の祝辞はよく理解できる。確かに精神的・肉体的な試練を乗り越えて復活を果たしたタイガーの優勝は「優秀さ、根性、決意」を物語っている。grit という語は昔はあまり目にしなかったような気がするが、最近ではちょくちょく目にする。私は「根性」と訳したい。トランプ大統領の祝辞はどうということもないが、彼はよくよく great という語彙が好きなようだ。自分自身もgreat under pressure(プレッシャーに強い)と考えているのだろう、きっと。