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時代も旅立ち

  • 2019-03-31 (Sun) 14:12
  • 総合

 プロ野球が開幕。大リーグも開幕。甲子園の高校野球も熱戦が続いている。退屈することはないが、すべてに付き合っていると、能天気な人間になってしまうだろう。それでなくとも能天気な性分だ。能天気を辞書で引くと、「軽薄で向こうみずなさま」「物事を深く考えないさま」などといった意味が出てくる。私は後者の意の能天気だ。いや、前者の要素も抱えているかもしれない。いずれにしろ自慢できる性分ではない。
 シアトルマリナーズの菊池雄星投手は対ボストンレッドソックス戦が米国デビュー。6回を投げ、2本のホームランを打たれ、3失点、5奪三振と評価の難しい「微妙」なピッチングだった。それでも味方の打線の猛打で勝ち投手の権利を手にして降板した。大リーグでの初勝利なるかと期待したが、案じた通り、中継ぎ・抑えのブルペン陣が打たれ、逆転負けを喫し、初勝利は逃した。マリナーズは昨年まで岩隈久志投手がいたので応援していたが、なぜかブルペン陣がことのほか弱い。無残な逆転負けを何度目にしたことか。
 ジャパン・ニュース紙を読んでいたら、まさにそれを指摘した記事が載っていた。AP電で次のように書かれていた。It was all for naught as Seattle’s biggest concern entering the season – its bullpen – failed to come through.(菊池の好投も結局無に帰した。マリナーズの今シーズンの最大の懸念材料である救援投手陣が終盤を切り抜けることに失敗したからだ)。雄星君は長いイニングを投げる気構えでやらないと厳しいかもしれない。
                  ◇
 明日、平成を受け継ぐ新元号が公表される。私はそれを見届けて、翌日台湾に旅立つことにしている。帰国は27日の予定。新天皇の即位には間に合う。昭和から平成への代替わりの時にはアフリカにいた。昭和天皇の崩御のニュースはケニア・モンバサの海辺でBBCのラジオ放送で知ったおぼろげな記憶がある。
 1か月近い旅だと、冷蔵庫の中もできるだけすっきりして出かけたい。ほぼ一日おきに炊いているお米も出発直前に使い切れるように案配していたので、きれいに消化しきれた。神戸の知己が送ってくれた佃煮の玉筋魚(いかなご)も全部頂いた。後は残っている野菜などの生ものを今日明日と適当に料理して胃袋に収めれば、準備は万端だ。少し長旅になるから、いつものキャリーバッグではなく、スーツケースに着替えやジョギングシューズなどをぶち込んで行きたい。本当は軽装での旅が理想的なのだが・・・。
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 『漢字再入門』(阿辻哲次著・中公新書)という本を読んでいる。幾つかの疑問点が氷解した。著者の阿辻氏は漢字学の第一人者だとか。嬉しかったのはその著者が漢字の「はねる・はねない」といったことや一般的に正しいとされている筆順にあまり拘泥する必要はないと説いていることだ。例えば筆順に関しては次の記述がある。「筆順とはその漢字を書くときにもっとも書きやすく、また見栄えよく書けるようにおのずから決まる順序にすぎないということです。大多数の人は右利きだから、世間で認定される筆順は右利きの者に書きやすいようになっていますが、左利きの人には当然それとことなった筆順があってしかるべきでしょう」。御意、御意。筆順コンプレックスが癒される思いだ。

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