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中国ははるか先を歩いていた!?

  • 2018-10-30 (Tue) 10:05
  • 総合

 前回の項で書いていたチベット出身作家の読書会。残念ながら、読書会に参加できなかった。日曜の朝、ちんたらして新聞を読んだり、テレビを見たりしていたら、開始時間に間に合わなくなった。一期一会の機会を逸してしまい、恥じ入るばかりだ。
 図書館から借りた単行本の『雪を待つ』の末尾には中国の作家の小説の翻訳本がいろいろと紹介してあった。中国に関連する時事本の類は時折読んでいるが、中国人作家の小説はほとんど読んでいない。それで手頃な本をこれまた図書館から借りて読むことにした。『雪を待つ』との出合いを少しでも「益」あるものとするためにも。
 その本は『中国新鋭作家短編小説選 9人の隣人たちの声』(勉誠出版・桑島道夫編)。正直な印象はちょっと期待外れだった。タイトルから分かるように、中国で活躍する若手作家9人の短編を並べた本だが、「これは面白い!」と思って読み進めたものは少なかった。偉そうな物言いを許してもらえば、翻訳の粗さが目立つ作品も幾つかあった。中国語から日本語への翻訳は漢字を共有しているだけに、逆に難しい側面もあるのだろうかと思ったりした。中国語の漢字を見ておおよその意味が分かるだけに、翻訳語彙の推敲が疎かになるとか。
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 韓国語のNHK講座「まいにちハングル講座」は昨年4-9月の講座の再放送であり、基礎の基礎から説明してくれるので有難く拝聴している。先週の講座で次の文章が紹介されていた。Aが「やっぱりだめだったんですか」と尋ねる。Bは「はい、タイミングが悪かったです」と答える。Bの返事は、「네,타이밍이나빴어요.」。「タイミング」を韓国語で敢えてカタカナ表記すると「タイミン」(타이밍)となる。韓国語の方が英語の原音により近いかと思う。最後の音は日本語のように「グ」とはっきり言ってはいけない鼻音だ。NHKのテキストでは上記の文章をカタカナ表記してあり、「ネ、タイミンイナパッソヨ」。「タイミン」に続く「イ」(이)は日本語では「が」に当たる助詞だ。
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 書店で『日韓 理解への道』(中公文庫)を購入。日韓の著名な有識者の座談会を書き記した本で、末尾に掲載されていた司馬遼太郎の「私的断片史」に興味深い一節があった。
 「中国文明のふしぎさは、紀元前三世紀ごろの戦国期に、事や物を見る人間の精神も社会意識も、ヨーロッパが十五、六世紀以後に獲得したものをすでに持っていたということである。言いかえれば、川が逆に流れるように、近代が紀元前にあった。時代がくだるにつれて停頓してゆき、逆に古代的様相を示したのではないかと思えるほどにふしぎな文明である。
 中国が紀元前において人間の精神がすでに〝近代〟であったころ、日本は文明からはるかに遠く、縄文時代という、主として採集をもって暮らしとしていたひとびとの居住地域だった。そこへ水稲をもつひとびとがやってきて、文化が一変し、米という便利な食物を得たことで人口も増えた。この弥生式といわれる稲作文化をもってきたひとびとが、朝鮮からきたのか、長江下流(江南地方)からきたのか、あるいは雲南の地からいきなりきたのか、それとも三つながら前後してきたのか、私にはよくわからない。要するに、稲作の適地である日本列島にほうぼうからきた。

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