- 2018-09-13 (Thu) 13:13
- 総合
台南に入った。つい最近、ここの慰安婦像を巡って対日批判が起きていることは承知していた。ホテルのテレビで連日、慰安婦像のビデオが流され、有識者が侃々諤々論じ合っているのを目にして、一体何を話し合っているのだろうと思っていた。私の台湾の旅の「案内人」である新聞社勤務時代の後輩君のラインで、日本人の活動家が像を足蹴にした疑惑が浮上、問題となっていることを知った。言動には気をつけなくては!
台南駅に到着して観光案内所の看板が見えたので足を運んだ。2日ほど滞在したいので、安価なホテルを紹介してもらいたいと伝えた。日本語のできる中年の男性がいて、懇切丁寧に応対してくれた。歩いて行ける距離に朝食付きで一泊1,700元(約6,300円)のホテルはどうですか? 台北の定宿より高いし、私は朝食も地元の人たちが食べている食堂で同じ物を食したいので、朝食込みでない方が嬉しいのだが、そうそうえり好みもできない。
紹介されたホテルは古い造りだが、落ち着いた雰囲気で好印象。コインランドリーも同じ7階のフロアにあったので、早速ジーンズやポロシャツなどを洗濯した。下着の類は毎夜シャワーの後に手洗いして乾かしていたが、ジーンズはコインランドリーがあれば楽だ。
フロントで夜市がどこかで開かれていないかと尋ねると、この日の夜は武聖夜市が開かれるという。毎週水曜と土曜が夜市の日だとか。タクシーを拾えと言われたが、例によって歩いた。ここでも中心部を離れるにつれ、あまり歩いている人を見かけない。圧倒的に多いのはバイクだ。老若男女、小型バイクをすっ飛ばして駆けていく。日本ではまず見かけないほど高齢と思われるお婆ちゃんが目をすぼめながらハンドルを握っている。
歩いているのはほぼ自分一人だけだったが、武聖夜市の会場に着いてみると、結構な人出のお客でごった返していた。皆車やバイクで来たのだろうか。夜の帳が落ちると、夜市の気分が盛り上がる。私は昼飯を抜いていたのでお腹は空いている。それでイカの丸焼きやジャガイモの団子、ソーセージと野菜の炒め物などをパクついた。
会場の近くではカラオケ大会も催され、大音響が響く。昔懐かしいゲームを楽しめるコーナーもあり、子供たちだけでなく若者も歓声を上げながら興じている。不思議な世界だ。十分夜市の雰囲気を満喫した後、帰路に就いた。途中で雨が降り出しタクシーを拾うことを考えたが、コンビニの入口で雨宿りしていたら雨も上がってくれた。
この辺りまでは良かった。ホテルに戻り着き、汗びっしょりのポロシャツと下着を脱ぎ、シャワーを浴び、一息ついている頃から、おかしくなり始めた。お腹が。吐き気もなく、下痢の症状もないのだが、軽い痛みがある。とりあえず横になったが、眠れない。深夜・未明になっても一向に睡魔はやってこない。以前にも台北の夜市の後に似たような症状を呈したことがある。確かあの時は冷たい物を食べたかと思っている。それに凝り、あれ以来、夜市では火を通した物だけを食するようにしていたのだが・・・。
結局、ほとんど眠れずに一夜が明けた。ほとんどと書いたのは、明け方にかけ、新聞社の地方支局勤務時代のデスクや同僚が出て来た夢を見ており、少しは眠りに落ちていたようだからだ。少しく空腹を覚え、ホテルのレストランに降り、バイキングの朝食に臨んだ。おかゆがあった。おかゆを実に有難いと思ったのは本当に久しぶりだ。