- 2018-09-11 (Tue) 10:18
- 総合
居心地のいい台北を離れ、10日、台湾の西北部を走る電車に乗り、台中に入った。日本で言えば特急電車のような感覚だろうか。台北を午前11時きっかりに出て、台中に午後1時15分に到着した。台北駅の窓口で出発直前に片道切符を購入したが、座席指定で375元(約1395円)だから凄く安いような気がした。
列車はほぼ満席。この日朝もいつもの大衆食堂でしっかり朝飯を食べていたのでランチは抜きでもいいかと思っていたが、駅弁も売る車内販売のカートが来た。どんな弁当か興味もあるので買い求めた。80元(約300円)。小ぶりの骨付き豚肉弁当といった類のものだったが、総菜のキャベツやウズラの小さな卵のようなものも美味くて満足した。
それより嬉しかったのは台北駅で買っておいたペットボトルのお茶が独特の風味で悪くなかったこと。日本のペットボトルのお茶では味わえない風味だなあとボトルをつらつら眺めると、何と苦瓜(ゴーヤ)のイラストが描かれている。「健康の油切」の「分解茶」と銘打っている。苦瓜の種子を活かしたお茶のようだ。私はほぼ毎日のようにゴーヤをらっきょう酢で漬けたものを食しており、ここでもゴーヤが味わえると嬉しく思った。
さて、台中に近づくにつれ、曇天が少しずつ明るくなっていったような気がした。晴天とは呼べないだろうが、少なくとも雨の心配はないようだ。台中のホテルは台北からすでに電話で予約を入れていた。何だかよく分からないが、ネットで予約するより、直接電話した方が安くなるケースもあるみたいで、このホテルもネットで調べておいた価格より安かったので飛びついた。台北の定宿に比べれば高かったが、2泊の予定なのでまあいいか!
台中駅に着いてとりあえず、お菓子を売っているお店に足を運んだ。台湾を熟知している新聞社勤務時代の後輩君から薦められていたからだ。「宮原眼科」という名称のお店で、昔の稼業名をそのまま残しており、アイスクリームが絶品だとか。確かに辺りをきょろきょろしながら歩いていたら、そのお店の前にだけ異様な人だかりがしていた。さすがに今回は諦めて通り過ぎようとしていたら、ほとんどお客のいないお店の一角があった。
コーヒーでも飲めるのかとカウンター内の女性のスタッフに声をかけると、立ち飲みとなりますが、それで良ければと言うではないか。ちょっと喉が渇いてもいたので、お店の中に足を踏み入れた。私が片言の中国語で何とかやり取りを試みると、英語を交えながら辛抱強く付き合ってくれた。私が注文したコーヒーフロートのような飲み物の味はどうですか?と尋ねてきたので、NHKラジオ講座で習った「不错。」と答えると、それは英語だと”So so.”(まあまあ、良くも悪くもない)というニュアンスですよ、といった趣旨のことを言う。
私の記憶が正しければ、ラジオ講座では「不错。」は「大変良い」といった意味合いの表現と教わったような気がする。台湾では受け取り方に微妙な差があるのかもしれない。いや、個人によって印象が異なるだけのことかもしれない。この辺りはこれからより深く理解できるようになるだろうと願っている。
いずれにせよ、たまたま飛び込んだお店で上記のような勉強になるやり取りができた。笑顔の素敵な彼女たちの写真も撮らせてもらった。「犬も歩けば棒に当たる」ということか。私はこの慣用句には苦い思い出があるので、あまり使いたくはないのだが・・・。