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blister(マメ)のせいで

  • 2018-04-19 (Thu) 10:57
  • 総合

 非常勤講師をしている大学が創立記念日で授業日が休講となったので、宮崎の姉たちを見舞った。顔を見ることができるうちはできるだけ帰ろうと思っているが、うち一人の姉は病が重く、もはや言葉を交わすことはできない。寝顔を見ても、悲しみだけが募るが、私にできることはせめて足を運ぶことぐらいだ。
 いつもは博多から九州新幹線で新八代を経由、高速バスで帰宮していたが、今回は事情があって小倉経由で日豊線を利用した。新八代経由が西回りなら、東回りとなる今回の運賃は西回りより安上がりとなった。しかし、時間的にはざっと2時間以上も余計にかかる。特急電車とはいえ、途中から単線になるからだ。その名を聞いたこともないような小さな駅で行き違う電車を待っての停車もある。
 大分県でも宮崎県でも車窓の光景はすこぶるのどかだ。30年前とたいして変わっていないのではという林や田園・草地が目の前に広がる。これはこれで悪くない、いや悪くないどころか素晴らしい。浮世の憂さをしばし忘れる宴会車両でも仕立て上げることができれば観光客に受けるのでは、と思ったりもした。
                 ◇
 現役の頃は帰宮する度に、ゴルフ仲間とゴルフに興じていたが、今はなかなかそういうわけにもいかない。それで今回は一晩、ささやかな会食を楽しんだだけだった。久しぶりに東京から帰省した姪っ子もいたので、禁酒を中断し、焼酎を少しだけ頂いた。
 水曜朝にチェックアウトする段取りだったが、大谷君が投手として本拠地のアナハイム(カリフォルニア州)でデビューするのが分かっていたので、チェックアウトを2時間延長してもらった。延長料金は千円。上記の特急電車もその分、前日に出発を遅らせる手付きを済ませていたが、こちらは変更の手数料なし。
20180419-1524102865.jpg さて問題の試合。初回、大谷投手は先頭バッターに痛烈な一打を浴びた。打たれた瞬間にホームランと分かる打撃だった。その後も安打や四球とピリッとしない投球が続き、あえなく2回で降板。相手のボストンレッドソックスはアリーグ東地区を快走する強豪とはいえ、あまりにも情けないピッチングだった。私は気力も失せ、ホテルから宮崎駅にとぼとぼと歩いた。日本人選手の活躍を願い、「感情移入」が度を超すと、ときにこんな気分に陥ることがある。今朝(19日)の朝刊を開くと、彼は右手中指にマメ(blister)ができていて、これが不本意な投球になったようだ。ジャパンニュース紙の見出しは “BoSox bats, blister get best of Ohtani”(ボストンレッドソックスの打線が猛威を振るう、オオタニのマメにも乗じて)とうたっていた。大リーグのホームページでは次のように記されていた。Ohtani acknowledged that the blister hampered his ability to locate his pitches against Boston’s potent lineup. (オオタニはマメがボストンの強力な打線を抑えるコントロール力を削いだことを認めた)。(potent=powerful)
 右手中指のマメが次回登板までに良くなることを祈ろう。そして次には彼本来の力強い投球が戻ることを。その間には指名打者として打席に立ち、彼の非凡なるところを遺憾なく発揮してくれることも期待しよう。

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