- 2017-04-16 (Sun) 13:37
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この冬お世話になったガスストーブを週末に片付けた。手帳を見ると、去年もほぼ同じ時期に片付けている。時期はほぼ同じでも、天と地ほども異なるのは当時と今の心境だろうか。去年は熊本地震の直後で心も大いに乱されていた。あれから一年。地震国の日本。近い将来またどこかで大地震が起きるのだろう。揺れるのは致し方ないとしても、人的被害ができるだけ小さくて済むことを祈る。
ストーブを片付けたついでに台所にたまっていた空き瓶・空き缶の山を整理する。生ごみはすぐに片付けたくなるが、瓶・缶の類はたまる一方。やはり「形から入る」というか、身辺がすっきりすると心も少し軽くなる。こういうことは普段からこまめにやっていれば何の問題もないのだが、いつもどうも腰が重い。
現代はいかに身辺を「身軽」にするかが大切な時代のように思える。二年ほど前になるだろうか、米誌タイム(電子版)が恒例の「世界で最も影響力のある100人」の一人に日本人の「片付けコンサルタント」の女性を選んだことが話題になった。そういう職業があること自体が驚きだったが、ネットで読んだ英文の記事の中で「片付ける」という表現として declutter という動詞が使われていた。普通は tidy up という表現が頭に浮かぶが、こういう言葉があるのを初めて知った。さしずめ今の穏やかな心中を英語で書くと———。I feel good as I’ve decluttered the empty bottles and cans in the kitchen.
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新年度になってNHKの語学講座でも新しい番組がスタートした。中国語では従来の講座に加え、「おもてなしの中国語」という新番組が始まった。4月号のテキストの冒頭には「日本を訪れる中国の方々と楽しく会話することを目的にした新しい語学講座」と紹介されていた。私には難し過ぎるところもあるが、とても参考になりそうだ。
パラパラとテキストをめくっていると、「〇〇はどうですか(いかがですか)」という例文の一つに「プレゼントにいかがですか」という文章があった。お店で店員さんが中国人のお客に声をかけている設定だ。中国語では「送人怎么样?」(ピンインは割愛)。「送人」は「人にプレゼントする」という意味だと記してある。普通は「プレゼント」という語は「礼物」(lǐwù)。これは我々日本人には漢字から意味が何とか推察できる。
「送人怎么样?」は原文に忠実に訳すと、「人に物を贈る、いかがですか?」というような感じだろうか。「礼物」という語を知らなければ、「行為」で説明する、そうすれば大丈夫、と考えられなくもない。何度も書いているが、中国語は英語と異なり、名詞や名詞性の表現でなくとも、つまり動詞的な表現でも主語になり得るのだとか。これは格好の例文か。先述のdeclutterの文章を中国語的に言えば、「台所をきれいに片付ける、心晴れ晴れとなる」といった文章でも許容されるのだろうか? こうした文章が許されるなら、中国語はとても学びやすいのでは、などと思ってしまう。
いずれにせよ、私は中国語のこの緩さが好きだ。できれば発音や声調の世界にもこうした緩さがあって欲しいと願うが、こと発音と声調はそうはいかないようだ。自分自身に向かい、「加油!」(Jiā yóu!)(頑張れ!)と言うしかない。もう一つおまけに、パイティン!
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