Home > 総合 > ハンバオバオ

ハンバオバオ

  • 2016-12-15 (Thu) 15:01
  • 総合

 数日前ふと思った。自分は夜に酒(焼酎)を飲まなくとも何とも思わなくなったってことを。2年前までは考えられないことだった。夕刻が近づくと、氷を浮かべた焼酎のグラスが恋しくなっていた。乾き物を肴にグラスの中の氷をチンと鳴らしながら傾ける。生きていて良かったとつくづく思う。気分が乗れば、軽く4、5杯ぐらいはぐいぐいとすすむ。刺身でもあればなおのことだ・・・。
 断酒を決意したのは昨年の正月明けから。体重を落とし、健康を意識してのことだった。当時足繁く通っていた居酒屋が店を畳むことになり、これも神のお告げかと考えたこともある。以来、帰郷した際の幼馴染との飲み会と大晦日、それにお袋の命日以外は禁酒するようになった。あ、もう一つあった。たまに出かける韓国の旅にある時は例外だ。旅先での酒は取材も兼ねており、これは神様も許してくれるだろう。
 今月末には久しぶりに宮崎の田舎に帰郷する予定。大晦日は長姉の家で甥っ子たちと少しく焼酎を飲もうと思っている。肝機能はばっちりだ。今からその日が待たれる。
                 ◇
 お世話になっている出版社、書肆侃侃房が定期的に出しているPRの小冊子『ほんのひとさじ』の第4号が出た。出版社にゆかりの深い作家や詩人、歌人たちが味わい深い文章を寄稿している。第4号のテーマは「音の記憶」。私も今号には韓国語・中国語を難儀しながらもそれなりに楽しく独学していることを書かせてもらった。『ほんのひとさじ』は全国の主要書店の店頭で無料配布しているが、ネットでも案内が出ており、興味のある人は以下のサイトまで。
 http://www.kankanbou.com/kankan/index.php?itemid=764
                 ◇
 『ほんのひとさじ』に私は中国語と韓国語の独学で気づいたことを書いた。それは外来語(英語)を母国語に「落とす」時のそれぞれの言語に垣間見える「創意工夫」だ。各言語の特質ゆえか、この点、日本語よりも韓国語の方が外来語を原音に比較的近く「組み込んで」いるのではないかと時に思うことがある。例として挙げたのが、shopping という語。日本語では<ショッピング>。韓国語はハングルで<쇼핑>と書き、英語と同様見事に二音節の語となっていて、しかも、日本語のように<グ>が突出してもいない。あえてカタカナ表記すれば原音に近い<ショッピン>だ。
 初級者の域にも達していない身であれこれ論じることは恥ずかしいのだが、韓国語の中に見られる諸々の外来語に接してそのように感じつつある。最近の例ではhamburger。日本語ではもちろん<ハンバーガー>。韓国語では<햄버거>。あえてカタカナ表記すれば<ヘムボゴ>。英語ネイティブの耳には韓国語の<ヘムボゴ>の方が原音により近く聞こえるのではという気がしてならない。いつかネイティブの人に尋ねてみたいとも思っている。
 これに対して、中国語では<汉堡包>と書き、中国語の発音を示すピンイン表記ではhànbǎobāo。声調を無視してあえてカタカナ表記すれば<ハンバオバオ>。中国語の外来語の処理は「我が道を行く」という雰囲気さえ漂う。これはこれで興味深い。

Home > 総合 > ハンバオバオ

Search
Feeds

Page Top