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山籠りへ

  • 2016-08-08 (Mon) 00:53
  • 総合

 リオ五輪が開幕した。甲子園の高校野球も開幕した。大リーグは岩隈、前田両投手が意地の好投を見せている。プロ野球もセリーグでは巨人が広島に猛追している。スポーツ好きにはたまらない本格的な夏が到来した。
 五輪の中継で我々はこれからしばらく日本人選手の活躍に一喜一憂させられることになる。それはそれでいいのだが、相次ぐテロや領土(領海)問題のニュースに接すると、人類は国家(宗教)というしがらみをいつまで引きずっていくのかという思いもしないではない。健全なナショナリズム(民族主義)というものもあるだろうが、イギリスの文豪で文明批評家のH.G.ウェルズが説いた「世界国家」の夢が脳裏をかすめる。我々はもうそろそろ国籍や民族の違い、わだかまりを捨て去っていいのではないか。そうすれば、今のあまたの国際紛争・対立の芽は摘めるのではないのか。
                 ◇
 さてその開幕したばかりの五輪。滑り出しはそう順調でもなさそうだ。柔道では期待された初日の軽量級での金メダルは実現せず、男女とも銅メダルだった。私はこの試合をどちらも見ていないが、今朝の新聞では「今までに感じたことがない感覚」に襲われたと男子選手が振り返ったことが報じられている。女子バレーも初戦でライバルの韓国に逆転負けを喫した。ここでも日本チームに「緊張があった」と紙面が伝えている。男子体操の団体予選でも落下などのミスが続出したとか。
 ずっと以前に、スポーツに関して、選手たちがよく口にする言葉に違和感を覚えることがあると書いた。その一つは国際試合で日本を発つ選手たちがコメントを求められると、「(試合を)楽しんできます」などと判で押したようにマイクに向かって話していること。別に楽しんで悪いというわけではない。異口同音の退屈なコメントではなく、もっと自分にしか言えないような個性的な言葉はないのかと私などは思うのだ。
 それでその結果がプレッシャーにつぶされての惨敗だったら、何をかいわんやという気持ちになる。私は国際試合の場に立つような選手はみっちりスポーツ心理学のような鍛錬を受けさせるべきだと思う。(いや、とっくに受けているのかもしれないが)。技術がすでにあって土壇場でその力が発揮できないとしたら、お互いにとても不幸だ。テレビで見ていて選手ががちがちに緊張しているシーンは見たくない。とても「楽しんで」いるとは思えない。有言実行。金メダルは取れなくともいい。国の栄誉なんてものも考えなくていい。伸び伸びと内に秘めている力を思う存分発揮して欲しいと願う。
                 ◇
 とそんなことには関係なく、私は間もなく宮崎の郷里の山中に籠る。パソコンは使えず、携帯も圏外。世の中の喧騒とは無縁の静かな日々を過ごすことになる。スポーツ中継の熱狂からも幾分遠ざかることになる。NHKラジオ(語学講座)も山間地だから雑音が入って、聴取があまり芳しくないのが少し残念だが、致し方ない。
 そういう事情でこのブログもしばしお休みです。皆さま、楽しい夏休みをお過ごしくださいませ。アンニョン!

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