Home > 総合 > 屋根が抜け落ちるほどのスピーチ

屋根が抜け落ちるほどのスピーチ

  • 2016-07-27 (Wed) 13:54
  • 総合

 サブリミナル効果からか、韓国語ドラマの食事場面に誘われたかのように、コンビニでカップラーメン(라면)を買ってしまったことを書いた。一か月ほど前のことだ。特売コーナーにあって、229円のものが180円となっていた「博多とんこつラーメン大盛」。
 このカップラーメン、ずっとテーブルの上に置いていたのだが、本日お昼過ぎ、遂に熱湯をそそぎ食した。昼は抜くことが多いのだが、たまにはいいかと開封した。この暑さなので汗をかきかき・・・。味はまあまあだった。でも、また買って是非食べたいという類のものでなかったことも確かだ。
                 ◇
 ヒラリー・クリントン氏が有力な大統領候補として脚光を浴びる米民主党の党大会が東海岸のフィラデルフィアで開幕し、ヒラリー氏が正式に指名獲得にこぎつけた。CNNテレビの生放送からも大会会場の熱気が伝わってくる。
 初日にはファーストレディーのミシェル・オバマ夫人や指名をヒラリー氏と最後まで激しく競ったバーニー・サンダース上院議員らが登壇し、ヒラリー氏を応援するスピーチを行った。共和党の党大会に比較して、民主党の演者はどれも論旨が明快で排他的でもなく、党大会だけで判断すれば、圧倒的に民主党の勝利と私には映った。
20160727-1469595170.jpg 初日のスピーチの中でも際立ったのがミシェル夫人のそれだった。彼女のスピーチの素晴らしさは、米メディアの一つで見た “Michelle Obama Bring The House Down At DNC” という見出しが物語っていたかと思う。bring the house down(満場の大喝采を浴びる)とはいい成句だ。聴衆の拍手喝采で屋根が抜け落ちるからこの表現だという。
 8年前の候補者選びではオバマ大統領と激しく争ったヒラリー氏をミシェル夫人は絶賛した。例えば次の表現。“I trust Hillary to lead this country because I have seen her lifelong devotion to our nation’s children. Not just her own daughter, who she has raised to perfection, but every child who needs a champion.”(私はヒラリーが生涯を通してアメリカの子供たちのために働き続けていることをこの目で見てきており、彼女がこの国の良き指導者となるのを信じて疑わない。彼女は自分自身の娘を完璧に育て上げているが、この国のすべての子供たちが彼女のような存在を必要としているのだ)
 次のようなくだりも最大級の賛辞と言えるだろう。“What I admire most about Hillary is that she never buckles under pressure. She never takes the easy way out. And Hillary Clinton has never quit on anything in her life.”(私がヒラリーについて最も尊敬の念を抱くのは、彼女はいかなる切羽詰まった状況下においても白旗を揚げることは決してないことだ。彼女は易きに流れることは断じてしない。彼女は人生においてそれが何であれ、途中で匙を投げたことなど一度もないのだ)
 世論調査では共和党候補のトランプ氏との支持率は拮抗していると報じられている。ヒラリー氏が現時点で伝統的な民主党支持層の支持をがっちり抑えているとも言えないようだが、11月の大統領選でヒラリー氏が勝利するようなことになれば、私は後々、ミシェル夫人のこの日のスピーチが分水嶺と見なされるような気がしてならない。

Home > 総合 > 屋根が抜け落ちるほどのスピーチ

Search
Feeds

Page Top