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没问题(méi wèntí)

  • 2016-07-21 (Thu) 20:53
  • 総合

 米大統領選の共和党候補にドナルド・トランプ氏が正式に確定した。よその国の民主的に実施されている大統領選のことを外野からあれこれ口をはさみたくないが、今の日本にとって文字通り死活的に重要な同盟国、アメリカの最高指導者にトランプ氏が選ばれることがないように祈りたい。ヒラリー・クリントン氏が素晴らしいとは決して思っていないが、この場合は彼らが良く口にする表現でいきたい。“Choose the lesser of two evils.”
 木曜日朝、CNNテレビでは党大会の会場で間もなくそのトランプ氏と指名争いを競ったテッド・クルーズ上院議員がスピーチすると告げていた。私は大学の授業があるため、自宅を後にするしかなかった。選挙戦中にトランプ氏とは犬猿の仲となったクルーズ氏がトランプ氏への支持を表明するか否かが注目され、ぜひ、生で見たいと思っていたのだが・・・。
 授業が終わって、パソコンで確認すると、クルーズ氏は「(本選では)良心に従って投票を」と訴え、最後までトランプ氏の支持表明には至らず、党大会の会場はブーイングの嵐となったという。クルーズ氏の妻には罵声が浴びせられ、警護されながら会場を後にしたとか。いやはやアメリカは実にワイルドだ!
 それはそれとして、トランプ氏の得意満面の映像を見る時、なぜ不安な心もちになるのか少しく考えてみた。心に浮かんだキーワードは次の語だ。“humility”(謙虚さ)。いや、彼の場合は “a complete lack of humility” (謙虚さが微塵もないこと)と呼ぶべきだろう。私たちの日常生活でも、ある程度の謙虚さを持ち合わせていない人との接触は辛いものがある。本棚の英語の聖書は誰であれ、高慢であることを強く戒めている。そこにあるのは “humility” と同義の “humble” という語だ。Romans(ロマ書)に次の一節がある。“Do not be proud; be humble and grateful – and careful.”  
                 ◇
 NHKラジオの中国語講座。「没问题」という表現が出てきた。これは容易に意味が類推できる。日本語だと「没問題」ということだろう。テキストでは「大丈夫です」という訳文となっている。声調を含めた発音は「méi wèntí」。上って下がって上る感じだ。英語だと“No problem.”にぴったり合った表現かと思う。日本語だと上記のように「大丈夫です」となるが、より正確には「問題はありません」という表現が妥当だろう。韓国語だと「괜찮아요」(ケンチャナヨ)という表現もあるが、「문제가 없어요」(ムンジェガオプソヨ)で日本語とほぼ同じニュアンスが出る。
 何を言わんとしているかというと、英語や中国語ではno(没)という意味合いの語が最初に出てきて、problem(问题)が続いている。日本語と韓国語では問題(문제)が先に出てきて、ありません(없어요)という意味合いの動詞が続いている。私には何となく、英語と中国語の近さ、日本語と韓国語の近さが感じられるのだ。
 スワヒリ語(東アフリカの公用語)では“No problem.” に該当する表現は “Hakuna Matata.”。英語表現に似てなくもない。これもケニア特派員時代には多くの場面で耳にした表現だった。問題が少ないケースでもこう言われれば、何とかなるかなと思えたものだ。日中関係も早く「没问题」となることを願いたい。

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