Home > 総合 > そこまで言うか!

そこまで言うか!

  • 2016-04-27 (Wed) 21:22
  • 総合

 熊本地震の「余波」でブログをアップする意欲も失せている。ケーブルテレビの韓国語ドラマや大リーグのテレビ観戦もほどほどの状態。一つには地震発生以来、NHKテレビを見ることが圧倒的に多くなっていることがある。やはり地震報道はNHKに頼らざるを得ない。パソコンでもしょっちゅう気象庁の発表をフォローしているが。 
 海の向こうでは米大統領選の指名候補争い。米国に戻った大学時代の恩師から定期的に最新のニュースがメールで送られてくるが、こちらも見出しを眺める程度であまり以前ほどには熱心に読めないでいる。本日(水曜日)、久しぶりにCNN放送を比較的長く見た。ペンシルベニア州やデラウェア州など北東部5州で行われた民主、共和両党の指名候補争い予備選の投票結果が例によって賑々しく報じられていた。民主党ではヒラリー・クリントン氏が4州で勝利し、民主党候補の座をほぼ手中にしたようだ。
 共和党では不動産王のドナルド・トランプ氏が全5州で圧勝した。トランプ氏が共和党の候補者となる可能性が一段と現実味を帯びてきた感がある。この日の勝利宣言での彼の発言を聞くと、これも例によって鼻高々、高慢な発言のオンパレードだった。目の敵にしているクリントン氏のことを「詐欺的ヒラリー」(crooked Hillary)と揶揄し、彼女の強みは女性候補であるということだけであり、それでも彼女は女性有権者からさえも嫌われていると言いたい放題だった。(crooked:発音は我々の耳にはクルーケッドのように聞こえる)
 トランプ氏の言葉を聞いていると、米作家サリンジャーの名作 "The Catcher in the Rye" (『ライ麦畑でつかまえて』)に登場する主人公、ホールデン少年のことを思い出した。少年が生きていれば、トランプ氏こそ「インチキ野郎」(phony)の親玉と酷評するのではないかと思えたからだ。
 米メディアで異彩を放っているインターネットの新聞があることも記しておきたい。毎日、アクセスしている「ハフィントンポスト」(http://www.huffingtonpost.com/)。このネット新聞はトランプ氏に関するニュースを政治欄ではなく、エンターテインメント欄で報じていたほど。トランプ氏に関するニュースの末尾には今も必ず、次のような編集長の「警告」の文章が添えられている。この文章を初めて読んだ時には考え込んでしまった。「ドナルド・トランプ氏はしばしば政治的な暴力事件をあおる発言を繰り返している。彼は常習的な嘘つき(a serial liar)であり、甚だしい外国人嫌い(rampant xenophobe)、人種差別主義者(racist)、女性蔑視者(misogynist)であり、かつすべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒絶すべきだと、ことあるごとに訴えている人種偏見に満ちた人物だ」
 ハフィントンポストは水曜日、創設者で編集責任者のアリアナ・ハフィントン氏がテレビ局のインタビューに答えるビデオのクリップを紹介していた。この記事の見出しは、“HuffPost will cover Donald Trump as ‘a Buffoon and Dangerous,’ even if he’s the nominee” という見出しだった。“buffoon” とは「道化者」「馬鹿者」という語だ。トランプ氏への侮蔑感が滲み出ている。
 今回の候補者指名レースは米社会の両極化が透けて見えるようでもある。もっとも、半分以上の有権者が投票しない国政選挙区もあるどこかの国が偉そうに言えることでもない。

Home > 総合 > そこまで言うか!

Search
Feeds

Page Top