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克服したいpeer pressure

  • 2016-04-07 (Thu) 22:42
  • 総合

20160407-1460036208.jpg 木曜日朝の釜山は冷たい雨が降っていた。本日はどう行動しようか。海沿いにもう一つの国立大があることを知ったので、見物がてらそこを訪ねてみようかと考えた。午後からは雨が上がるとも聞いたので、お昼を食べて出かけようかと。それで午前中、ホテルのロビーでパソコンを立ち上げ、ネットで大リーグのゲームをチェック(格安ホテルゆえに部屋ではネットが不能)。この日はロサンゼルスドジャースに移籍した前田健太投手のデビューの日だ。オープン戦を通した前評判は上々。できればテレビで生観戦したいが、ケーブルテレビに色々スポーツチャンネルがあるホテルのテレビでもさすがにこのゲームはやっていない。ネットで彼のピッチングを追いながら、メールをチェックしていると、見慣れないメールが一件。昨日訪れた釜山大学の教育学部から届いたメールだ。本日の午後2時までに来訪されたし、教授陣の二人があなたに会うことに興味を示しているとの由。嗚呼、カムサハムニダ。
 地下鉄で釜山大学駅まで行き、そこから大学直行のバスに乗る。交通カードを購入しているので、煩わしい料金計算もなく快適そのもの。指定の時刻よりだいぶ早く大学に着いた。これが良かった。私に会ってもいいと言ってくれた二人の教授の他、話を聞きつけたもう一人の先生も私が待っていた事務室にやって来て、「アンニョンハセヨ」。見るからに人の良さそうな人物だ。「渡りに船」と早速彼の研究室に一緒に行き、しばし歓談した。
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 Y教授はphonetics(音声学)が専門。しかし、韓国を始め世界ではこの分野の指導は段々おろそかになっているとか。デジタル技術の発展や翻訳機器の発達が一因しているのだという。彼が教えている学生の大半は公立学校での英語の教師を夢見ているが、少子化の他、非正規雇用教員の増加措置などもあり、学生にとって正規の教職の道は狭き門となっているとか。また、昨日会った学生が語ったように、公教育だけで英語の実務的力をつけることは容易ではなく、多くの学生が留学経験を求めるようになっているという。
 Y教授に続いて、もう一人のネイティブスピーカーのL教授とも歓談した。彼との歓談で興味深かったのは、私の「学生は積極的に質問しますか。日本の大学では残念ながら、手を挙げて質問する学生の姿は皆無に近い」という指摘に対する彼の返答。「ここでも同じような状況です。私には2つの要因があるように思われます。一つは積極的に質問すると他の学生から嫉妬の視線を浴びせられるpeer pressure(グループ内の仲間から受ける心理的圧力)。もう一つは自分の質問が先生に及ぼす影響、言わば先生の顔をつぶしたくないという配慮。あえて質問をするよりは控えてしまうと見られます」
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 Y教授とは、日本語と韓国語の類似点や相違点なども語り合い、大いに参考になる話を聞かせてもらった。秋の講義がスタートする9月に大学を再訪して、学生たちに話をさせてもらうことも可能との由。願ってもない機会だ。英語で話すことになるが、その時までに今の拙い韓国語を鍛え、合間合間に韓国語を交えて話ができればと思う。
 大学から帰途に就いた時はかなりお腹が空いていた。大変参考になるガイドブック『ぐるぐるプサン』(書肆侃侃房)に掲載されている南浦洞のカルビ通りにある「釜山スップルカルビ」店に足を運び、プルコギと冷麺を食べた。締めて28,000₩。ソジュ(焼酎)も1本飲んだ。嗚呼、ヘンボク(幸福)カダ!

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