- 2016-03-05 (Sat) 23:34
- 総合
前項で書き忘れたが、私が落ち着いたのは釜山の南浦洞と呼ばれる地区。釜山港に近い繁華街だ。土曜日朝、そう空腹も覚えなかったが、朝飯はどこにいても大切。チェックアウト後に開いているお店に飛び込んだ。丁度食べ終えようとしている客がいたので、その客の朝食を指差し、同じものを注文した。韓国ドラマを見ていて小皿が所狭しと並べられる朝食をいつも不思議に思っていたが、なるほどこういうことかと納得がいった。
私が注文したのはシジミスープ定食(8,000₩)。今この項を書いていて、はてどういう味だったかどうも思い出せない。でも決して不満を感じるような味ではなかった。満腹感を覚えて店を出たことは間違いない。
天気予報では土曜日も雨模様だったが、幸い、この日は曇り空ながら、雨が降ることはなかった。それもあってか、南浦洞は朝から大勢の人々で賑わいを見せていた。さすがは首都ソウルに次ぐ韓国第2位の都会に相応しい。光復路という名のメインストリートや「ここにないものはない」と言われる国際市場を歩く。私はその土地がどういう土地柄であるかはしばし街角に佇んで行き交う人々の顔を見れば分かると思っている。果たして釜山は圧倒的に笑顔が多かった。親子連れであれ、若いカップルであれ。日本でこのような笑顔を目にすることができるか。きっとできるのだろう。日本では意識して「観察」したことがない。
歩き回ったのでお腹が空いた。普段は昼食抜きだが、限られた日数の異国なので、お昼を食べる。何を食べるか決めていた。『ぐるぐるプサン』で推奨してあった「ミルネンミョン」。冷麺のような食べ物だ。岩手・盛岡に勤務していた頃、冷麺にはまったが、それを少し思い出した。甲乙付け難いが、ミルネンミョンは上品な味わいで癖になりそう。テーブルにはお箸だけでスプーンがなかったので、おばちゃんにスプーンを求めてスープも飲み干した。私が勘定(5,000₩)を終える頃に入店した初老の客は、手元にきたミルネンミョンの丼を持ち上げると、勢い良くすすった。そうか。直接すすってもいいのか。今度は私もそうしよう。
初めての土地ではその土地の人がどう食するのか実地に見学するのが一番手っ取り早い。夕食はこの日投宿した新しいホテルの受付の男性が推奨してくれたお店に足を運んだ。そこで食べたのは「スンデクッパ」(?)。何と訳していいのか分からないが、お店のメニューに日本語で「豚の腸詰汁をかけたご飯」と書いたものがあった。きっとこれだろう。お店のおばちゃんに尋ねても韓国語しか話せないので、要領を得ない。近くに座った人の食べ方を見ているとだいたい分かった。付いているご飯は最初にどっと鍋に入れること。小皿の一つには緑の唐辛子が二つ入っていたが、これを男性客は芥子を付けて二口で食した。私は少しずつ食いちぎったが、さすがに全部は無理だった。
今日は飲むつもりはなかったが、一通りはお酒も経験しておきたい。メニューに「ソジュ」(焼酎)とあったので注文した。日本の焼酎より度数は低いようだ。飲みやすい。食事を終えた後もちびりちびりやっていると、おばちゃんがキムチをサービスしてくれた。隣に座った若い娘さん二人はこちらが韓国語に不自由な観光客と察したようで、立ち去り際に笑顔で “Have a good time!” と声をかけてくれた。カムサハムニダ! 勘定は納得の10,500₩だった。嗚呼、明日もこの店に来ようかな!
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