- 2016-03-04 (Fri) 21:10
- 総合
金曜日朝、久しぶりに早起きして、JR博多駅を経由して、路線バスで博多港中央埠頭に向かう。午前9時発のJR九州高速船「ビートル」に乗船する。
乗船時間は約3時間。カフェみたいな憩いの場があるに違いない。軽い朝食でも摂り、コーヒーを楽しもうと思っていたが、乗務員に確認すると「そういう場はありません。航海中は安全のため、シートベルトをして座席にお座りください」との由。そういえば、時々、新聞紙上で博多―釜山を行き来するフェリー船が航行中に海洋生物(鯨?)と衝突して、乗員乗客が負傷する「事故」のニュースを目にしている。シートベルトを締めて、釜山観光案内本に目を通す。
今回の旅に持参した案内本は2冊。一つは『わがまま歩き韓国』(実業之日本社・2013年刊)。もう一冊は『ぐるぐるプサン』(書肆侃侃房・2012年刊)。私はこれまでこの種の観光案内本を手にして旅したことはないが、もうそう「強がる」こともないだろう。
『ぐるぐるプサン』は1¥=14.28₩(ウォン)のレートで計算している。私が数日前に銀行で両替したレートは1¥=9.30₩だった。この差に気づいた時は少しがっかりしたが、手元に残っている2006年のソウル訪問の時のレートは1¥=7.78₩。それを考えれば、まあいいかと思えてくる。とにかく、この旅では1,000円=10,000₩で計算しようと思う。だいたいそんなところだろう。
さて、海洋生物との衝突もなく、ビートルは無事釜山港に接岸。お昼過ぎで空腹だったため、その足でターミナルビル内のカフェでコーヒーにサンドイッチを食べる。しっかり「コピチュセヨ」と発声したので、「鼻血」と間違われることはなかった。まずは無難な旅立ちとなったが、釜山は生憎の雨。傘をさして歩き回ったが、さすがに興ざめ感は否めなかった。この日はとりあえず、『ぐるぐるプサン』で「格安」と紹介されていたホテルを訪ねたが、ホテルはリノベーションしたみたいで名前も変わり、宿賃もそう格安でもなく、シングル1泊6万₩。とりあえず、今日はここに泊まろう。
チェックインを済ませた後、ホテルのすぐ近くにある龍頭山公園に行き、釜山タワーに上がり、釜山の街並みを俯瞰した。うまく表現できないが、確かに日本の街並みに似ているようでもあり、どこか違うような。天気が良ければきっと素晴らしい景観が楽しめたのだろうけど、雨で遠くはもやっており、これも少しがっかり。その後、ロッテ地下商店街などを歩き、夕刻に待望の夕食。ホテル近くの定食屋といった感じのお店で、石焼ビビンパを注文した。『ぐるぐるプサン』で釜山では(当時)「センタッ」と呼ばれるマッコリが人気と書いてある。私はこのブログでも書いている通り、今は酒は特別の場でもない限り断っている。今年は1月7日に宮崎市で郷里出身の幼馴染と飲んで以来、一滴も飲んでいない。だが、初めての土地ではその土地の酒を飲むのが「礼儀」というものだろう(勝手な理屈)。それで「センタッ」を注文した。度数は焼酎に比べはるかに低いようだ。美味い。あっという間に750ミリリットルの中瓶を飲み干した。
マッコリの肴で焼き魚を注文したこともあり、勘定は締めて15,000₩。帰路の私の頭の中は早くも、嗚呼、明日は何を食べようか。再び煩悩の日々となりそうだ。