- 2015-07-06 (Mon) 14:59
- 総合
なでしこジャパンが難敵アメリカに敗れた。私はアメリカには勝てないのではと思っていたが、「柔よく剛を制す」のたとえもあるではないか、ひょっとしたら、と密かに期待もしていた。
そして結果は・・・。決勝戦まで進んだのだから、よくやったとほめたたえるのが筋だろう。でも内容が・・・。実は前半戦で大差がついたので後半はあまり熱心に見ていない。何しろ、最初のゴールを決められた後、トイレに立って、戻ってみたら、何と4対0となっているではないか。野球なら果たして何対0のスコアだろうか。12対0のようなものか? 愕然としてテレビ観戦する意欲が立ちどころに失せてしまった。
私はいい加減な「なでしこファン」だから、まだいい。初戦から一生懸命に声援を送ってきた真剣なファンの方々の落胆は推して知るべしだろう。
ネットで読んだ英BBC放送はアメリカチームの勝利を次のように報じていた。“Carli Lloyd scored an incredible 13-minute hat-trick as the United States thrashed Japan to win their third Women's World Cup title.”
アメリカチームがなでしこジャパンを beat でも defeatでもなく、thrash したというのだ。thrash は辞書を引くと、「打ち負かす」「完敗させる」と載っている。「完膚なきまでにやっつけた」というニュアンスだろう。無念。返す言葉もない。
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スポーツ中継や報道を見ていて、対戦が終了した後に、選手たちがよく口にする言葉に違和感を覚えることがある。「(これからも)応援宜しくお願いします」。まるでこう口にするのが、インタビューに応じる際のマニュアルに載っているかのように、最後にこう締め括る選手の何と多いことか。たまにこれ以外の言葉を発する選手に出くわすと新鮮な感じがして、本当に応援したくなる。
「(試合を、ゲームを)楽しめました」という感想もこの頃よく聞かれるような気がする。勝利した場合は分からないでもないが、敗戦した場合にもこういう感想を聞かされると、「え、そうなの? 悔しくないの?」と思ってしまう。もちろん、かつて見られた、日本全国民の期待を一身に背負い、あえなく負けたら責任を感じてあろうことか・・・というような事態は時代錯誤だ。ただ、「楽しめました」などという言葉をのべつ聞かされると、私などは固まってしまう。
2012年夏のロンドン五輪時にイギリスを旅していて、熱狂的な母国の声援に応えられずに、金ではなく銀メダルに終わったボート競技の男子選手2人が “Sorry to everybody we’ve let down. Sorry once again.” (応援してくれた皆さんをがっかりさせてしまい、申し訳ない。本当に申し訳ない)と泣き崩れたシーンを思い出す。あの “keep a stiff upper lip” (物事に動じない、感情を表に出さない)伝統の英国人がテレビカメラの前で大泣きし、マイクを向けた記者ももらい泣きしているシーンを見て私は軽い「カルチャーショック」を受けた。
なでしこジャパンの面々の感想はどう報じられるのか。
Comments:2
- 成冨 2015-07-06 (Mon) 22:02
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いやあ残念でしたね。あっという間の4失点、アメリカの底力を見せつけられました。しかし日本も2点返すなんてすごい。そもそも決勝までたどりついたことが賞賛すべきことですよ。しかし、何とかしないと、ますますアメリカとの差が広がりそう。何といってもサッカーはアメリカ女性の間で最も人気のあるスポーツ、競技人口も多いらしい。ワンバック選手らは人工芝でも主張するなど、芯の強さを感じます。
- nasu 2015-07-07 (Tue) 10:23
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成冨さん アメリカの底力、それにつきますかね。男子サッカーはワールドカップとオリンピックは「落差」があるようですが、女子サッカーはそうでもないようですね。あの澤選手もリオ五輪を目指すとか報じられていたので、リオを楽しみにしましょう。日本男女が今世界で互角に渡り合える数少ないスポーツの一つですものね。