- 2025-03-25 (Tue) 11:05
- 総合
ソウルに着いて何日? 韓国の旅も一週間が過ぎると曜日の感覚もおぼろげだ。今週の土曜日には帰国するのだが、もうあまり何もする気にもならない。台湾だったら、さあ今日はどこで何を食べようと胸が弾むのだろうが、ソウルの一人旅ではそういう気にも・・・。
もう一つの要因。これは自業自得なのだが、日曜日に友人のJさんと再会して、その夜は彼が案内してくれたお店でしこたま飲んだ。最初の店ではマッコリと焼酎。次の店ではワインをたっぷり。これがいけなかった。彼と会食するときはいつもこうなる。彼は私の6歳ほど年下。自転車やウォーキングで普段から身体を鍛えていることもあり、私から見たらかなりの酒豪だ。同じペースで飲んでいては私はくたばってしまう。いや、その夜にくたばればいいのだが、夜はなんともない。辛いのは翌日だ。昨日の月曜日、仕事が休みだったこともあり、彼は私を春川(チュンチョン)観光に誘ってくれた。「冬ソナ」の舞台となった江原道(カンウォンド)の観光地だ。
本来なら張り切って出かけたであろうが、私はきつい二日酔いに苦しんだ。ホテルで目覚めた時に彼に春川行きはキャンセルしましょうかと電話したくさえ思った。だが、せっかくの好意で案内してくれるというのだから、自分からドタキャンするのははばかられる。暗澹たる思いを抱えて電車にのり、待ち合わせ場所に向かった。
春川は気持ちの良い好天だった。名所の湖も目の保養になった。ランチは名物のタッカルビが味わえるお店で。ネットから引用すると、タッカルビのタッ(닭)は鶏、カルビ(갈비)はあばら肉を意味し、甘辛いヤンニョム(양념:薬味だれ)に浸けこんだ鶏肉を野菜と一緒に鉄板で焼いて食べる「鶏焼肉」のこと。Jさんにおごってもらったのに、失礼なことだが、正直な感想を書くと、そうは美味いと思わなかった。二日酔いが抜けず食欲が全くなかったせいでもあろう、きっと。
食事の後には地元の新聞社「江原日報社」に足を運んだ。JさんはG編集局長と懇意の仲。Jさんに通訳してもらいながらの懇談となった。発行部数は6万部ほどだが、200万を超えるネット読者がいるとか。記者の数は70人ほど。驚いたのは彼は23年間ずっと編集局長の座にあるのだとか。いかにも物腰の柔らかい人物であり、社内外で尊敬されている人物であることがうかがえた。
Jさんと会うと、いつもジャーナリズムや日本語、韓国語、中国語のことで興味深い話となる。本当は私の拙い韓国語で話したいのだが、それはまだ無理でいつも英語で会話することになる。春川への行きと帰りの車中で話題となったのは、AI(人工知能)とどう付き合いながら生きていくかということ。Jさんによると、韓国の新聞社で例えば社説を書くのは経験を積んだベテラン記者の役回りだが、AIを活用していない新聞社はないのではということだった。最終的な校閲というか判断は記者の手(目)を通してなされるが、複数のキーワードを与えさえすれば、瞬時に驚くようなレベルの高い記事(社説)を提示してくれるとか。アナログ人間の私にはついていくのも覚束ない世界の話だった。
ひょっとしたら、海外旅行もこれからはAIが引き受けてくれ、人間は現地に行かずとも、旅の醍醐味を味わえるようになるのかもしれない。いや、もうなっているのかも?!