- 2025-02-14 (Fri) 10:23
- 総合
夕刊に面白い記事が載っていた。米国のAP通信がトランプ大統領のホワイトハウスから大統領執務室での取材を拒絶され、「出禁」になっているという。事の発端はAP通信がメキシコ湾の表記をアメリカ湾に変更すべしという大統領の意向に沿わず、依然としてメキシコ湾と表記していることが大統領の反発を生んでいるためだとか。
トランプ大統領が就任早々、メキシコ湾をアメリカ湾と呼ぶとする命令(大統領令)を発していたことは知っていた。「アメリカ第一主義」(America First)を掲げるトランプ氏とはいえ、こんなところにまで固執するのかとあきれたが、彼にとっては譲れないことのようだ。米グーグル社は早速、米国内のグーグルマップでメキシコ湾の表記をアメリカ湾に切り替えたようだ。長いものには巻かれろか。そうした中でのAP通信の毅然とした対応だ。夕刊記事はメキシコ湾という呼称が400年以上使われてきており、「世界的な報道機関として地名は読者が容易に認識できるようにする必要がある」と述べ、大統領の要求に屈しない姿勢を明らかにしている。
確かにAP通信の主張の通りだろう。今さらながら「アメリカ湾」でタンカー座礁などという報道に接したら、はて、アメリカ湾ってどこにあるのだろうなどと狼狽してしまう。トランプ大統領のわがままに付き合わされるのは大変ではある!
上記の記事を目にして思い出したことがある。米ニューヨーカーが今年で創設100年の記念すべき年を迎え、記念特集号の案内がネットで紹介されていて、報道に携わる立場が明快に述べられていたことだ。ニューヨーカーはマーク・トウェインの作品から飛び出してきたような、鉱山労働者を父に持つコロラド州出身のハロルド・ロス氏が創設した雑誌。当初は a comic weekly (喜劇的な週刊誌)としてスタートしたが、第二次世界大戦の勃発などもあり多くの時事ニュースの解説・評論などを取り込み、深みのある総合誌として人気を増していった。ロス氏以降の編集スタッフが社是としたのはaccuracy & clarity(正確さと明快さ)。AP通信に相通じる報道姿勢かと思う。
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私は髭深くはないが、毎朝髭をそらないとすぐに無精髭でむさ苦しくなる。それで週末以外は電気髭剃り機を顔に当てている。この頃、ともすると何だか痛いと感じることがあった。それでもたいして気にはせず、せっせと使っていた。まだ購入してからそう何年も経過していなかったからだろう。数日前、外刃に油でも塗って使い勝手をよくしようかと思った。それで外刃を本体から外して気がついた。外刃の編み目の部分が欠けているのだ。痛いはずだ。電器店に足を運び相談した。外刃だけを買い換えれば済む話だが、そう安くはない。
それで買い換えることにした。替え刃が一つ付いており、お得感はある。朝、肌に当てて剃ってみた。肌に当たる感覚がソフトで全然違う。以前のもそう不満があったわけではないが、こちらの方が断然剃りやすい。こうした電気製品を無駄に浪費したくはないが、使い勝手のよくないものを無理に使い続けるのもどうか。以前にも長年愛用した電気炊飯器を後生大事に使っていたが、新しい炊飯器に替えたところ、炊き上がりの感覚が全然異なる。そんなことも思い出した。
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