- 2024-07-12 (Fri) 11:05
- 総合
米大統領の記者会見をはらはらどきどきして見たのは初めてだった。ワシントンで開かれた北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議を終えたばかりのバイデン大統領。かねてから失言癖は知られていたかと思うが、先日のトランプ氏との討論会で言葉に詰まったり、意味不明の発言をしたりしたことで、11月の大統領選からの撤退を求める声が支持者の間からも大きくなっている。そうした中での記者会見だった。
記者会見に先立ち、バイデン氏がウクライナのゼレンスキー大統領の名前をロシアのプーチン大統領と勘違いして発言したと報じられてもいた。ひょっとして、バイデン氏の脳内の老化はことのほか深刻ではないかと案じられる。このままでは傲岸不遜のトランプ氏が大統領選でバイデン氏を破り、返り咲くのではないか。それは日本を含めた国際社会にとって最悪の事態だろう。米国至上主義者のトランプ氏にとって、日本を犠牲にしても、中国との共存共栄の道を選択するのに良心の呵責などないのではないか。いや、形容の表現を間違えた。米国至上主義者ではなく、自己至上主義者か。
この日(金曜)は仕事が休みだったため、早朝からたっぷりと記者会見を伝えるCNNの生中継をケーブルテレビで見ることができた。大谷翔平君の大リーグ中継はこの日はさすがにそっちのけ。バイデン氏は会見の当初は咳き込んだりして頼りなげに見えた。しかし、記者の質問が進んだ後半ではジャスチャーを交え、記者の質問に答えていた。力強くとまでは言えないものの。
CNNテレビでは記者会見後に5,6人の視聴者を集めて、バイデン氏の健康や体調に対する疑念は消えたか、増したか、尋ねていた。視聴者は全員50代かそれ以上の女性でおそらく民主党支持者を集めたのだろう。ほぼ全員が記者会見に一定の評価を与え、バイデン氏が再戦を目指すことに賛意を表明していた。これでバイデン氏に対する不安感が消滅すればいいのだが・・・。
◇
中学校の校舎に向かう途中、教職員の駐車場を通り抜ける。左側に小さな木立がある。普段は木にもとめないが、いや、気にもとめないが、数日前は違った。蝉の鳴き声だ。この夏、初めて蝉の鳴き声を耳にしたと思う。私が住むマンションでも蝉の凄まじい鳴き声が聞こえることがあるが、今夏はまだない。
教壇に立ち、「私はこの夏初めて蝉の鳴き声を聞いた」という英文を生徒に紹介した。ぱっと頭に浮かぶ文章は次のようなものだろう。For the first time this summer, I heard the sound of the cicada. 中学生には cicada(蝉)という単語は発音も含め、難しいかとは思ったが、まあいいだろう。日本人には蝉の鳴き声は夏らしくてそうは気にならないと思うが、外国の人々にとっては凄い雑音に聞こえるらしい。
蝉の寿命は地上で一週間程度、地下で7年以上とかで、はかない地上での生命が一瞬のうちに過ぎ去るように映るが、それは私たち人間の尺度から見てのことだろう。人生の終点が近づく我が身から見ると、人の一生も一瞬みたいなものだ。メディアで20万年前の地層から○○が見つかるなどといった報道に接すると、そういう思いを特にする。
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