- 2014-09-02 (Tue) 10:02
- 総合
9月となった。8月は慌ただしく過ぎて行った感がある。少しもったいないような・・・。私がそう思っているのは、この夏はずっと集中講義の準備に忙殺されていたからだ。
先週一週間はその集中講義「ジャーナリズム論」のため、宮崎市にいた。あれこれ、学生たちに話したいことは準備していたのだが、想定通りに事を進めることもできず、反省すること多々である。講義終了後に非常勤講師室を訪ねて来た学生が3人。新聞社系の職場でのインターンシップを控えており、質問を受けた。全国紙と地方紙の紙面の違いなど、私としては学生たちが当然知っているものとして講義では全然触れなかった事柄だった。迂闊だった。どうやら、私には学生の「視点」が欠落していたようだ。
講義をした大学は母校ではないが、母校の跡地にある。それだけでも格別の思いにとらわれる。だから、この講義を引き受けた時は、連夜、宮崎市内の飲食店で当時に思いを馳せ、ほろ酔い気分に浸れるかなと期待していたが、さにあらず、そのような暇はなかった。第一、出席簿の記入が結構大変で、ホテルの部屋で毎夜、学生の名前の確認に追われた。
集中講義を何とか終え、宮崎での最後の夜、小中学の同級生7人が集まってくれた。昨年の還暦同窓会で再会し、旧交を温めた同級生たちだ。昨年は30人以上の集まりだったため、駆け足の会話しかできなかった。今回はじっくり話をすることができた。還暦同窓会の項でも書いたかと思うが、幼馴染の同級生との語らいは理屈抜きでいい。小中学ではろくに話をしたこともなかった女子(今このように「じょし」と表現するのは抵抗があるが、これがぴったりの言い回しなのだ)の同級生と分け隔てなく語らうことができる喜び・・・。
一次会ではほとんど何を食べたか覚えていない。勧められるままに焼酎のグラスを傾けた。自宅でテレビを見ながら一人で飲むときはオンザロックで3杯も飲めば十分だが、こういう場では際限なく飲めるから不思議だ。美味い酒だから、翌日の二日酔いも良質(のような気がするだけのことかもしれないが)。
話が尽きないから、二次会に流れた。同級生の一人が常連のカラオケスナックのようだった。頃合いを見て、他のお客さんたちが歌い始めたので、我々のグループも参加。昨年の同窓会では私はマイクを握らなかったが、今回は集った人数が少なかったため、一曲だけ歌った。いつものど演歌だ。小中学時代は音楽の時間はあまり好きではなく、歌も満足に歌えなかった。いわゆる音痴(tone-deaf)だった。今もそうかもしれない。カラオケでも時々音程を外すことがあるが、まあ、何とか人並みに歌うことはできるようになった。30年以上も会っていなかった同級生には私の格段に向上した歌がショックだったようだ。「しょういち、お前、うまいじゃねぇか。奇跡じゃ」などと冷やかされた。いやあ、照れるなあ!
とそんなこんなで夜はふけていき、また再会を約して皆と別れた。年の暮れにまた会おうと約したような記憶もぼんやりと残っている。同じ山あいの集落に生まれ、同じ学び舎で9年間を過ごした者とは固い絆があると言えようか。
集中講義で40年前の自分を想起し、同級生との飲み会で48年前に引き戻された。ああ、同級生たちと楽しく語り合うためにもまだまだ頑張らねば。ゴールはまだまだ先だ! まだ私は酔っているのかもしれない。少し切ない酔いだ。