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今頃ハイボールとは!

  • 2023-09-03 (Sun) 12:14
  • 総合

20230903-1693710770.jpg 帯状疱疹の痛みがまだ消えない憂さ晴らしではないが、最近また夕刻に軽く飲み始めた。明らかにメタボの私は酒類を遠ざけた方がいいのは承知しているが、神様、深酒はしませんので、お許しあれ!
 手にしているのはハイボールと呼ばれるお酒。すでに半世紀以上もお酒を飲んできて今頃、ハイボールの旨さに気づいたとここで「告白」するのは恥ずかしいが、事実だから致し方ない。昔はハイボールというお酒(の飲み方)はそれほど一般的ではなかったのではないか。大学を何とか卒業して東京の新聞社に就職し、八王子市にある支局に配属された25歳の頃。自分で稼いだお金で支局近くにあるスナックに夜な夜な通い始めた。はてあの頃は何を飲んでいたのだろうか。もっぱらウイスキーか。問題はウイスキーの飲み方だ。水割りかロックだろう。私は水で直接薄めることが嫌で、ロックで飲んでいたような・・・。
 焼酎などというお酒は東京の飲み屋ではまずお目にかかれなかった。やがて居酒屋などで焼酎も見かけられ始めるが、ほとんどの場合、酎ハイという飲料だったような記憶がある。はて酎ハイって辞書に載っているのかなと思い、手元の電子辞書で広辞苑を引くと、載っていた。「焼酎ハイボールの略。焼酎を炭酸水で割った飲み物」と紹介している。何ということだ。知らなんだ。酎ハイのハイはハイボールのハイだったのか!
 そして私は今遅ればせながら、ハイボールの旨さ、飲みやすさに気づいた。コンビニでサントリーの角瓶と炭酸水を買い、氷をたっぷり浮かべて飲んでいる。黒霧も炭酸水で割ると格段に飲みやすくなる。何杯でもいけそうだ。
 そもそもなにゆえ今頃になってハイボールを飲むようになったかというと、時々のぞいているYouTubeの韓国語講座で韓国人講師がハイボールの旨さを語っていたからだ。韓国人旅行客は日本からの帰途、安い角瓶を買い込み、日本土産にしているとか。そう聞いて、そんなにウイスキーのハイボールは旨いのだろうかと不思議に思った。この講座を見ていなければハイボールのことなど考えもしなかっただろう。良かったのか悪かったのか?
                  ◇
 先にチェコの作家、ミラン・クンデラの代表作 “The Unbearable Lightness of Being”(邦訳『存在の耐えられない軽さ』)のことを書いたが、彼の訃報を報じた英字紙ジャパン・ニュースによると、94歳で逝ったクンデラが死の床で最後に手にしていたのはフランスの作家、アルベール・カミュの小説 “Plague”(邦訳『ペスト』)だったとか。
 コロナ禍が世界を襲った状況下、日本でもこの作品が再び脚光を浴びていると聞いたことがある。私はカミュの作品は読んだことがないような。これも何かのサインと思い、ネットで中古の原書を買い求めた。原書といってもフランス語からの英訳本だ。
 不可解な登場人物のことを記している文章に次の1文があった。But the thing that had struck him most about the man was his aloofness, not to say his mistrust of everyone he met.(その男に関して最も印象的なことは、彼が周囲の人々を誰であれ信じないことだとまでは言わないが、世間と関わりなど持ちたくないという彼の考え方だった)。私はnotが出てくる熟語表現にはいつも手こずる。この not to say はまだ「楽」な方だろうか。

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