- 2023-08-08 (Tue) 09:20
- 総合
いや、それにしても暑い。こんな暑さは日本になかったのではないかとさえ思う。アパートの近くを歩いていると、植栽の近くの歩道に蝉の死骸が天を仰ぐように転がっているのを何匹か目にした。7日目だか8日目の生命が尽きたのかもしれないが、こんなに蝉の死骸を目にする夏は初めてのような気がする。この信じ難い酷暑のせいではないか。
南からは大きな台風が北上しつつある。もう何日も前からパソコンの画面に「念」を送り、九州を逸れるように神様にお願いしていたが、上陸は免れるものの、西岸をかすめて北上するようだ。激しい風雨は避けられないのだろう。被害が最小限で済むことを願う!
暑さで思い出すのは、私が個人的に最高に暑いと感じたのは1980年代末、スーダンの首都ハルツームで過ごした数日間。当時、このようなブログがあったならと思うが、なかったので仕方ない。よく覚えているのは朝起きて(水)シャワーを浴びて、ホテルを出て情報省に向かい、数分後にはホテルに舞い戻り、再びシャワールームに駆け込んでいたこと。それほど強烈な暑さだった。
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読売新聞の朝刊コラムでとあるヨーロッパの作家が死去したという報に接した。チェコ出身のミラン・クンデラ氏。亡命後に住んでいたフランスで逝去。享年94歳。東西冷戦下の1968年にプラハの春が旧ソ連の弾圧を受けて亡命した作家で、その代表作『存在の耐えられない軽さ』で知られるという。
私が読んだコラム記事は<4人の男女が織りなすラブストーリーの背景に複雑な政治情勢を描いた。恋愛、そして左右の思想や体制に触れながら、人間の作り出す「軽さ」が随所にしのばせてある>と書いてある。
恥ずかしながら私はこの作家のことも作品のことも全然知らなかった。旧ソ連を引き継ぐロシアが今ウクライナに対して犯していることを思えば、今からでも読んでしかるべき作品のように思えてきた。読むならば英訳本か。ネットで調べて買い求めた。“The Unbearable Lightness of Being”
数日前に手元に届いたので暇を見て読み始めた。物語は冒頭、チェコの首都プラハに住むTomas という男とTereza という少女が登場する。Tomas はいわゆる「女たらし」(womanizer)で気に入った女性を見れば erotic friendship(官能的友情?)を結ばずにはおれない。しかし、そこにlove(愛)が介在することは許されない。性的行為が終われば、彼は関係を断ち、自分の世界に一人戻る。次のように書いてある。Making love with a woman and sleeping with a woman are two separate passions, not merely different but opposite.
しかし、Terezaはそれまでの女性たちとは異なるようだ。Tomas も彼女の執拗な愛を拒むことはできなくなる。Sabinaという懇意にしている女性と愛の行為にある間もTerezaが気になって仕方がない。早く事を済ませて彼女の元に帰らなければと思う。次のような記述がある。Then one day Sabina caught him glancing at his watch during intercourse and trying to hasten its conclusion. これは日本語に翻訳するのはある意味、苦労するだろうなあと思った。いや、そうでもないかな?
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