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私も欲しい“luck out”

  • 2023-02-11 (Sat) 10:57
  • 総合

 帯状疱疹が今も私を苦しめている。日中の仕事は何とかこなしているが、このところの慢性的な睡眠不足からかあるいは単に右上半身の痛みからか、身体が重い。気分も物憂い。とても溌剌とした気分とは言えない日々が続いている。
 救いは就寝時に小説を持って横たわり、少しずつでも読書をする気力が出てきていることだ。それで今読んでいるのは週末のオンライン英語教室で次に読むことを考えている作品。過去に読んだことのあるオーヘンリー賞受賞の短篇集の最新版"The Best Short Stories 2022"。昨年末にネットで注文したら、即座に手元に届き、ネットショッピングに疎い私は感激した。今年はロシア語で書かれた作品の英訳も幾つかあるようだ。今読み始めた短篇はその一つで風変わりな出だしで、クリミア半島の記述も見える。まさかロシア軍のウクライナ侵攻を予知したものではないだろうが、時節柄気にはなる作品だ。展開が楽しみ。
 昨秋から読み進めてきたアガサ・クリスティの戯曲 “The Mousetrap” はいよいよクライマックスに近づいた。今月2回の教室で読破できそうだ。受講生の英語表現の学習に役立つと思って選んだ作品だったが、実に面白かった。いや、まだ読破していないので、「面白い」と現在形で書くべきだろう。私はこの戯曲はロンドンに勤務していた頃から何度も観ているが、活字で読んだのは初めて。殺人事件の犯人捜しのスリラーだが、犯人は登場人物の誰?ということさえ忘れていた。
 初演は71年前という世界で最も長い連続上演劇として知られている “The Mousetrap” 。次にロンドンに飛べるのはいつになるのか分からないが、再訪できたら、きっとまた新たな気持ちで劇場に足を向けるだろう。
                 ◇
 米高級誌「ニューヨーカー」からネット定期便で送られてくるニュースレターに次の見出しの記事の告知があった。私が時々拝読しているベテラン記者、スーザン・グラッサー氏のコラム記事のお知らせで、私は見出しの文言にひかれた。“Joe Biden, Once Again, Lucks Out With His Enemies” とあった。一般教書演説を終えたバイデン米大統領にまつわる記事だが、“luck out” とは初めて見る表現。下院の多数派を敵対する共和党に奪われ、四面楚歌とは言わないまでもこれまでの一般教書とは異なる厳しい状況下での演説を強いられたバイデン大統領にとって結果はそう悪くなかったようだ。
 “luck out” を辞書でひくと、「運が向いてくる」とある。辞書には例文として次の文章が載っていた。He lucked out with the divorce.(彼は離婚を機に運が向いてきた)。記事の見出しの乱暴な意訳を許してもらえれば「バイデン大統領、またもや共和党の敵失で幸運を引き寄せる」といった文言が頭に浮かぶ。
 In his State of the Union address, the President offered a strong performance – with an assist from House Republicans. 共和党議員の敵対的発言(やじ)が大統領にとっては「追い風」となった。バイデン大統領は次期24年の大統領選で民主党候補として再選を目指すのは必至とか。注目はトランプ前大統領に今なお引っかき回され続けている共和党の動向だが、党内ではトランプ氏を見限る動きが活発化し始めているとも報じられている。本当?

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