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ホットク」(호떡)食べたい

  • 2022-04-13 (Wed) 15:41
  • 総合

20220413-1649831981.jpg 英字新聞「ジャパン・ニュース」を購読している「功徳」の一つ。他の媒体では見かけない風変わりな記事に遭遇することがある。日曜日の紙面。Double take: This is not a story about Bruce Willis という見出しの長文の記事だった。ワシントンポスト紙からの転載。
 スキンヘッドで知られる米俳優、ブルース・ウィリス氏にそっくりの男性のことを紹介している。見出しにある double とは「二倍の」の意ではなく、ここでは「生き写し」「代役」という意味。ウィリス氏はつい最近、失語症(language disorder aphasia)と診断され、俳優業から引退する意向であることが報じられたばかり。まだ67歳。彼が主人公のジョン・マクレーン役を演じた代表作「ダイ・ハード」はよく覚えている。
 記事はこの俳優に実によく似た14歳年下の男性がこれまでにウィリス氏の代役として13の作品、20のCMに出ていることを紹介している。男性の名前は Eric Buarque といい、私は何と発音するのか分からない。おそらく現実の発音は違うだろうが、仮にエリック・ブアキュー氏と呼んでおこう。ブアキュー氏は米東部メリーランド州に住む庭師・造園家。以前からことあるごとに通りがかりの人たちから「あなたはブルース・ウィリスにそっくりだ」と声をかけられ、記念撮影を求められたりしてきた。
 本人も悪い気はしなかったようだが、かといって映画の世界に引かれたわけでもなかったようだ。それでも映画プロダクション会社などに自身のプロフィールを送ることは続けた。こうした努力が実り、2006年に「ダイ・ハード」でウィリス氏の代役を務めることになり、一躍脚光を浴びることになった。残念ながら、肝心のウィリス氏は病にかかり引退を余儀なくされた。ブアキュー氏の代役人生もこれで終止符を打つのか。記事はまだ他の可能性があるのではないかというタッチで終わっている。
 英語表現としてのdie hardは例えば Old habits die hard. (昔の習慣はなかなかとれない)といった文章や、名詞としては「変化に頑強に抵抗する人」などとあまり好ましい使われ方はしないようだ。
                  ◇
 NHKラジオの今月からの韓国語、中国語の初級講座は基礎の基礎からの再スタートとなっており、私は耳から聞き流しいている。聞き流すだけだが、それでも時々戸惑うこともある。数日前の韓国語講座。イチゴパフェという語が出てきていた。日本人女性がソウルに初めて旅してカフェでイチゴパフェを注文する設定で、韓国人のウエイターがよく聞き取れなかった。イチゴは韓国語ではタルギ(딸기)。「タ」の音は日本語では意識しない濃音と呼ばれる特殊な音。女性はこの音をこれも韓国語独特の激音の「タ」で発声したため、通じなかったようだ。カタカナで韓国語のこうした音の違いを表記することは悩ましい。
 その次のシーンでは日本人女性はコーヒーを注文しようとしてホット(hot)でお願いしますと頼むのだが、韓国人にはこれはハットと言わないと通じないようで、「ホットク」(호떡:韓国ではお馴染みのパンケーキに似たおやつ)と誤解される。日韓両語が似て非なる言語であることがよく分かる。ところでホットクは韓国では屋台で売られている人気の定番商品だが、私はなぜか食べた記憶がない。今度再訪したら絶対食べよう!

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