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「有朋自远方来,不亦乐乎」

  • 2021-05-14 (Fri) 12:20
  • 総合

20210514-1620962404.jpg 「友あり、遠方より来たる、また楽しからずや」という論語の文章を思い出した。福岡から千葉県に転居された親しい先輩が私の元を尋ねてきた。久しぶりに焼酎を飲み交わし、楽しい一夜を過ごした。中国語ではどういう表現だったのかよく分からないのでネットで調べてみると、次の文章が出てきた。「有朋自远方来,不亦乐乎」。前段はまあ良し、後段のくだりが我々日本人には分かりづらいかと思う。
 普段ならスーパーで刺身や肴を買ってきてテーブルに並べるが、最近時々のぞくレストラン(居酒屋?)に前もってオードブルを注文していた。これが正解だった。焼酎にも合って座を盛り上げてくれた。先輩にも喜んでもらえた。語らった内容をここに記したいところだが、よしとこう。携帯で写真を撮った。自分の写真をブログにアップするのはあまり好まないが、写真から私の心の「乐」(楽しい、嬉しい)がにじみ出ているように思えたのであえて掲載。とこの項をパソコンで打っている今日は金曜日。週末だ。先輩は朝早く拙宅を立たれた。今宵はいつものように一人で焼酎を頂こう。これもまた「乐」だ。
                 ◇
 韓国語も中国語も語彙が日本語と似通っていることがあり、理解の助けになることが多いが、意味合いが微妙に食い違っている場合も少なくない。NHKラジオの(初級)韓国語講座で「インセンドゥラマ」(인생 드라마)という語が出てきた。「インセン」とは「人生」だなとすぐに合点が行った。「人生はドラマ」ということかな? 講師の次の説明で誤解を免れた。「人生が変わるぐらい面白いドラマ」「これまでで最高のドラマ」という意味とか。「인생 영화」(インセンヨンファ)ならば「人生が変わるぐらいの面白い映画」ということになる。面白い表現だ。残念ながらそういうドラマや映画には出合ったことがないかと思う。いや過去にはあったのかもしれない。記憶と感動が失せているだけのことかもしれない。何か思い出さないか、ちょっと沈思黙考してみよう・・・。
 頭に浮かんだ映画はあった。「人生が変わるぐらいの面白い映画」とまでは言わないが、いい作品だったことは間違いないと思う。日本でも人気のある日系英国人作家、カズオ・イシグロ氏のベストセラーを映画化した作品だ。“The Remains of the Day”(1993年)(邦訳「日の名残り」)。エマ・トンプソンの演技も良かったし、アンソニー・ホプキンスの執事役も素晴らしかった。胸に秘めた思いを押し殺し、人生の夕暮れに向かう姿に自分の行く末を見たように感じたような・・・。
 もう一言。私には難し過ぎて聞き捨てるだけのNHKラジオの「ステップアップ ハングル講座」のテキストに次の文章があった。「自撮り写真の加工・修正アプリなどのフォトレタッチ・・」。「レタッチ」って何? 私にはちんぷんかんぷんだった。「フォトレ」と「タッチ」が合体したのかなとさえ思った。悪戦苦闘の末、これはもともと英語の retouch であることを知った。確かに広辞苑などでは「レタッチ」と掲載されている。
 しかしながら、英語の発音では「レタッチ」ではなく、「リタッチ」だ。意味の上からも「リタッチ」の方がベターだろう。外来語は最初にどう呼ぶかが決まってしまえば、後からそれを覆すのは至難の業。「レタッチ」もその典型的例か。

Comments:2

tamaishi 2021-05-16 (Sun) 17:35

那須様
 大変ご無沙汰しております。同じ時期にナイロビにおり、また盛岡にも伺ったtamaishiです。幸運にも本サイトに行き着きました。

nasu 2021-05-16 (Sun) 18:22

tamaishiさん お懐かしや。先ほどメールを送りました(つもりです)。那須

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