Home > 総合 > 「圧迫感」に「压力」と「プレッシャー」

「圧迫感」に「压力」と「プレッシャー」

  • 2021-05-04 (Tue) 09:48
  • 総合

 動くに動けない Not so Golden Week! 早朝・午前の大リーグ生中継がそうした憂き身を癒やしてくれている。日本人離れしたスーパースター、大谷翔平君の活躍が楽しみだ。
 好事魔多しという故事成語を思い出した。翔平君が前日の試合で右肘に投球を受け、絶叫した。4日(現地3日)の試合でマウンドに立つ予定だったが、痛みが消えず、登板を回避することになった。幸いDHとしての出場は大丈夫なようだ。打棒に期待しよう!
                  ◇
 韓国語を学習していて助かると思うのは日本語のように主として英語由来の外来語を比較的多く取り入れていることだ。ショッピング、チェックアウト、インターネット・・・。話す場合にも楽だし、聞いていてもだいたい理解できる。日本語の発音とは微妙な差異があるものの、似てはいる。外来語の音に頼らず自国の語彙で「翻訳」して外来語を取り入れようとする中国語との違いは際だっているように見える。
 韓国語の読本を読んでいて、「~してさしあげます」という意味合いの表現について一つ二つ学んだことがある。例えば目下の者が目上の者に「飲み物を買ってきてさしあげましょう」というケース。韓国語では何の違和感もなく、むしろ推奨される物言いだが、これをそっくり日本語に置き換えて連発して表現すると、日本人には「圧力」に感じられるという指摘が載っていた。読本では「圧力」と表現されていたが、要するに「プレッシャー」だ。「プレッシャー」は日本語の日常会話で十分に市民権を得た表現になっているかと思う。
 ネットで調べてみると、「プレッシャー」に対する表現は韓国語では「圧迫感」に当たる「압박감」という言い回しが使われていた。日本語のように何から何まで外来語を易々と受容しているわけではないということか。中国語では「压力」(yālì)という表現が「プレッシャー」の訳語として辞書に出ていた。日本人には簡体字に違和感はあっても理解はできる。
 上記の文章。「飲み物を買ってきてさしあげましょう」は韓国語では「음료수를 사다 드리겠습니다」となると載っていた。韓国語を話す場合にはこの「~してあげます」の形式が推奨されるが、こうした「~してさしあげる」という物言いを連発すると日本人にはプレッシャーとなるので、日本語では「飲み物を買ってきましょうか」といった普通の疑問文の形式で尋ねた方がベターとの指摘はその通りだろう。この辺りは机上の学習だけではなかなか分かりづらい。間違いながら学んでいくしかないが、独学の身では間違いを指摘してくれる第三者がおらず、これは頭の痛いところだ。
 NHKラジオの中国語講座を聴いていたら、アシスタント(中国語ネイティブ話者)の一人が番組の終わりに日本語で次のような趣旨のことを尋ねていた。もし次の二つの魔法の内、一つができるとしたなら、どちらを選びますか?一つは飛べること、もう一つは人の心が読めること。日本語が堪能なアシスタントは「(皆さん)飛べたいですか?」と尋ねていた。これはもちろん正確には「飛びたいですか?」だ。だが、流れから聴取者は問題なく理解できたことだろう。
 願わくは自分が口にする中国語、あるいは韓国語がせめて「飛べたいです」程度には高く飛び上がって欲しいものだ!

Home > 総合 > 「圧迫感」に「压力」と「プレッシャー」

Search
Feeds

Page Top