- 2021-03-29 (Mon) 11:07
- 総合
プロ野球が開幕した。昨年に続き、コロナ禍の中での開幕だ。観客数を制限しての対戦となる。パリーグは日本シリーズ4連覇中のソフトバンクホークスが3連勝と絶好のスタートを切った。セリーグは昨年の覇者ジャイアンツが2勝1分けとこれも上々の滑り出し。今週末には大リーグも開幕する。大谷翔平君がどのような活躍を見せてくれることか。とはいえ、日米の野球にまともに付き合っていたなら、時間がいくらあってもたりゃしない。
テレビを見なければいいだけの話だが、ケーブルテレビで好きなだけ日米の野球が楽しめる昨今、自制するのはなかなか難しい。大リーグは生きた英語(米語)表現の参考にもなるので言い訳は立つが、プロ野球の方は何だかなあ・・。中国語・韓国語の学習に妨げになっていることは間違いないだろう。ほどほどに付き合うことにしよう。
この項を書きながら、大相撲の春場所千秋楽の土俵を見ている。今場所は元大関の平幕力士、高安を応援していたのだが、終盤に情けない連敗を喫し、優勝争いから脱落。秘めたる力を改めて示したのは同じ元大関の照ノ富士。私は以前はファンではなかったが、モンゴル出身の彼は体調を壊し、序二段まで陥落し、そこから這い上がってきた苦労人。応援せざるを得ない。照ノ富士はこの日も大関を破り、12勝3敗で3度目の優勝を飾り、大関復帰を手中にした。負傷さえしなければ、これからは照ノ富士時代の幕開けかもしれない。彼に対抗できる日本人力士の台頭が待たれる。朝乃山がその筆頭か。
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国会中継を見ていて、菅首相の答弁に気になることがある。それは「いずれにしましても」という常套句だ。安倍首相もよくこの言葉を口にしていたような気がするが、私は政治家の発言でこのような表現を耳にすると、若干の落胆を禁じ得ない。議論(思考)がそこで一方的にストップしてしまうのではと感じる。
中国語で「いずれにしても」はどう言うのだろうと思っていたら、NHKラジオの中国語講座でまさにこの表現が出て来た。「反正」(fǎnzhèng)。敢えてカタカナ表記すると「ファンジョン」。簡体字を眺めていると、何となく意味合いが伝わってくるようだ。「反」で一旦背いておいて、「正」で元に戻す。英語ではどう表現するか考えてみたが、anyway ぐらいしか思い浮かばない。辞書をひくと、やはりこの語が最初にでてくる。そのほか、これはという語はないようだった。
教えている英語教室で読んでいる短篇小説で、お偉方の人物がホテルのレストランに運転手付きの車でやって来て、守衛(doorman)との間で車をどこに停めるかでやり取りする場面があった。その男は守衛に “Leave it there anyway.” と言い放っていた。「いずれにせよ(場所があれば)そこにでも」と意に介さない上から目線がうかがえた。
余談だが、新聞社勤務時代、英語を話す時になぜかanyway が口癖の上司がいた。ある時、海外の賓客を迎えて会談した際、その上司が握手を交わした直後に “Anyway, …” と語りかけ、筆記役で同席していた私は心の中でずっこけたことを覚えている。まだ何のやり取りもなされていないのに、いきなり「いずれにしても」と切り出された賓客はさぞかし面食らったことだろう。
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