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英語でさるく 那須省一のブログ
大牟田から玉名へ
- 2025-08-03 (Sun)
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嬉野温泉のひなびた宿には二泊した。素泊まりなので食事は近くの寿司屋と居酒屋で。十分に満足した。嬉野温泉の次にはどこに行こうかと思案した。JR鹿児島本線を利用するなら大牟田かな。大牟田も嬉野同様、足を運んだことがない。大牟田にも土地勘が全くない。どこか温泉地はないかとネットで検索していたら、「大牟田天然温泉・最高の湯」という名称の温泉場が飛び込んできた。素晴らしいネーミングではないか。電話をかけると、お一人様でも歓迎との由。ただし、予約はネットでクレジットカードで済ませて下さいとのこと。何とかネットでの決済を済ませて大牟田に向かった。
ここで残念な報告を一つ。実は嬉野温泉の項ではアップしたい写真があった。百聞は一見にしかずだ。例えば投宿した宿屋のお風呂。肌に優しいお湯までは写真で伝えることはできないだろうが、清潔感漂う小さい湯船の写真を載せれば、この宿のアットホームな雰囲気がよく分かるのではないかと思った。だが残念ながら、これまではそう苦労することなく私でもできていた写真のアップができなくなっていた。何度も何度もトライしてみたが、どうしてもだめだった。嬉野には以前パソコンの技術的なことで指導を仰いでいたS君が移住しており、彼に急遽連絡を取り、カフェで相談したが、彼にも解決策は見いだせ得なかった。万事休す。しばらくは写真なしで、駄文だけで綴っていくしかない。
さて大牟田天然温泉の「最高の湯」。温泉そのものは幾つものサウナ設備があり、ゆったりと温泉を楽しめるようになっていた。大勢の人たちで賑わっていたのも宜なるかなだ。夜の食事も温泉内で済ませた。今夜は早めに就寝しよう!と思っていた。実は知らなんだ。ここの宿泊施設は通常のホテルや宿屋のようではなかった。キャビン方式というのであろうか。半個室にベッドが置かれ、仕切りはアコーデオンカーテンのようなもので、かぎはかからない。カプセルホテルみたいでちょっと心許ない。
このキャビンを利用するためにはフロントでカードをもらう必要があり、不特定多数の者が自由に出入りできるわけではない。そんなことより、土曜日夜というのにどうも私以外に宿泊客がいないようなのだ。半個室のベッドに一人の利用者が収まれば、楽に70人ぐらい、あるいはもっとそれ以上の泊まり客を収容できるのではないかと察せられた。しかしこの夜は宿泊は私一人だけ。心細い。幽霊が出たらどうしよう。怖い。何だか水の流れるような不思議な音もさっきから聞こえてきた・・・。田舎の言葉が心に浮かんだ。きぼせぇー。
備え付けのテレビとパソコンのYouTubeで気を紛らせ、情けないことに結局一睡もできずに翌朝を迎えた。嗚呼疲れた、身体もきつい。それでも「最高の湯」の名誉のために付記しておきたい。ここの従業員の方々は親切でとても良心的に遇してくれた。悪い印象は少しもない。眠れなかったこと以外は。いや、一つあった。温泉宿なのに、翌朝は確か10時オープンとなっており、早朝の湯浴みができなかったことだ。残念!
今、私は玉名温泉に来ている。玉名も初めての地。チェックインして早速湯に浸かった。ここもいい湯だ。夜は温泉近くの高級レストランでちょっと豪勢に食事した。パンフレットには玉名極上焼肉と載っている。確かに美味だった。上半期、一生懸命に働いた自分へのご褒美だ。さて明日はどこに向かおうかしら?
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嬉野温泉
- 2025-08-01 (Fri)
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うだるような暑さが続く夏休み。本来なら久しぶりに台湾に遊びたいところだが、懐が心許ない。ならば近場を選択。本日から九州管内を旅することにした。二学期の授業を前にせいぜい鋭気を養いたい。もう一つ。背中に背負った帯状疱疹の違和感はまだ完治していない。痛みはないが、嫌な感覚は残っている。温泉場の湯治が役立つかもしれない。
普通はマイカーかレンタカーで旅するのだろうが、ハンドルを握らなくなって久しい。まあ、鉄道かバスでも旅することは可能だろう。歩くのは苦ではない。たるみきった身体を鍛え直すには好都合だ。人生初の日傘も購入した。とりあえず目指したのは佐賀・嬉野温泉。土地勘などないから、ネットで適当に漁っていたら、良さそうな宿が出てきた。湯も良さそうだ。電話を入れてみる。一人でも素泊まりOKとのこと。有り難し。
最寄り駅で嬉野温泉までの切符を購入。博多駅から武雄温泉駅まで特急電車に乗り、そこから新幹線の自由席に乗り換えて嬉野温泉を目指すのが一般的な行き方らしい。わざわざ新幹線という気がしないでもないが、まあいいか。博多から熊本方面への旅は九州新幹線で幾度も経験しているが、佐賀方面はない。第一乗車しているこの線が何線なのかもよく分からない。冷房も効いていて乗り心地はすこぶる良い。車内サービスがあれば申し分ないが、今のご時世、そんなものは廃れてしまったのだろう。しまった、缶ビールとは言わない、水ぐらいは買って乗車すべきだった!
そんなことなど考えていたら、あっという間に武雄温泉駅に到着。ここから新幹線に乗り換えて嬉野温泉駅を目指した。嬉野温泉駅から歩く手もあるのだろうが、さすがにこの暑さではタクシーを選択せざるを得ない。予約していた宿屋はこじんまりしたところでひなびた温泉宿といった風情。全然悪くない。チェックインして早速一風呂浴びた。掛け流しの温泉で湯船は小さいが、肌に優しい湯であることはすぐに分かった。なぜか分からないが、泊まり客はあまりいないようだ。私には好都合。宿の人たちも親切で初っぱなから気分良し。これから段々下り坂とならないことを願うばかりだ。
初めての土地での楽しみは食。地酒(焼酎)が加われば言うことなし。福岡ではほとんど寿司屋をのぞくことがないので宿の近くにあった寿司屋をのぞく。生ビールで喉を潤した後に地酒をたずねると、虎之児(とらのこ)とかいう日本酒があり、冷酒が美味とか。刺身をあてにやってみる。ちょっと甘い気もするが、日本酒は久しぶりだから嬉しい。お寿司も美味い。ほろ酔い気分になった。
宿に戻って再びお湯に浸かる。先述した通り、猫の額ほどの小さいお風呂で洗いの椅子も左右に4つほどしかない。私の他には誰も浸かっておらず、独り占め。気持ちが悪いわけがない。行き当たりばったりの旅ゆえ、翌日もう一泊することにした。さて、明日夜はどこで何を食べようか。同じ寿司屋でも構わないが、せっかくだから別のお店を探そうか。
実は嬉野温泉駅に着いた途端にスマホに着信があった。私のスマホはほとんど着信がないのでちょっと驚いた。まさか仕事関係の電話ではあるまい。スクリーンを見ると、懐かしい名前が見えた。米ジョージア州に留学していた遙か昔、親しくしていた友人のJではないか。彼から電話があるのは何年ぶりだろう? 何の用事だろうかしら?
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再び "out of this world"!
- 2025-07-22 (Tue)
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参院選で自公政権が目標としていた議席に達せず、石破首相が退陣の危機にあえいでいるようだ。参政党というこれまで耳にしたことのない政党が躍進するなど、国政に激震が走っている。かといって日本の政治が根底から新しくなるわけではなく、既存政党に取って代わる政治が実現するかは全くの未知数。当選を果たした議員たちの一喜一憂には何の感慨も持ち得ない。これも日本の政治の貧困か。いや、我々有権者の不作為の結果と憂うべき問題かもしれない。
参政党のことは何も知らないし、興味もないが、仄聞(そくぶん)したところによると、「日本人ファースト」を掲げる党首の言動は米国のトランプ大統領を彷彿とさせるものがあるらしい。参院選の大躍進で表舞台に登場したことで党の真価が問われていくことになろう。距離を置いて注目していきたい。
◇
苦境にあるのは石破首相だけではないようだ。米国でもトランプ大統領がスキャンダルの沈静化に躍起となっている。スキャンダルの震源地は親友だったと言われる実業家のジェフリー・エプスタイン氏(故人)。彼は未成年者に対する性犯罪で起訴された人物だが、大統領はかつて署名入りの「下品な手紙」を送るなどの親密さだったとか。大統領はエプスタイン氏は過去の人物であり、彼との親しさを真っ向から否定しているが、米メディアは二人の関係がのっぴきならないものだったのではないかと疑っているようだ。確かに今後、新たな疑惑が浮かび上がれば、大統領にとって命取りになる可能性だって否定できない。
米国発のYouTubeを眺めていると、トランプ大統領の政治生命の終焉(?)を予告したようなものが目白押しだ。眉唾ものが大半かもしれないが、ぜひそうなって欲しいものだと願いたくなる。果たして・・・。
◇
個人的にも「夏休み」に入った私は基本、午前中はパソコンに向かい、あれこれ調べたり、ブログの文章を練ったりと、「書斎」にこもったような時間を過ごし、午後になると、散策を兼ねた買い物に出ている。「書斎」にこもってもテレビはつけていることが多い。ケーブルテレビで生中継されている大リーグの試合を見るためだ。そんなに根を詰めて見ているわけではないが、大谷の打席だけは手を止めて見守っている。胸のすくようなホームラン見たさだ。
火曜日朝はそんな一発を見ることができた。自身が投手としも先発したホーム球場でのミネソタツインズ戦。初回にソロホームランを浴びたが、その裏の攻撃で見事、逆転の35号ツーランホーマーをセンター後方のバックスクリーン(和製英語:英語ではcenter field screen またはbatter’s eye screen)に放った。打球が飛ぶとほぼ同時に向こうのアナウンサーが “He is out of this world. One of a kind.”(大谷はこの世界のものとは思えない=とびきり素晴らしい。他に類のない人間だ)と絶叫していた。最大級の誉め言葉だろう。
ドジャースはナリーグ西地区の首位の座にはあるものの、このところ、負けが込んでいた。大谷の投打にわたる活躍でこの日は連敗をストップさせた。Thank goodness!
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ただただ暑い!
- 2025-07-09 (Wed)
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このところの暑さには参ってしまう。サウナにでも入ったような暑さだ。私はとある中学校の勤務を終えるとすぐに電車で数駅離れた高校に向かうのだが、駅へは徒歩で20分程度。普段はどうということもない距離なのだが、今はこれがなかなかの苦行。私は常時ハンチングをかぶって歩いているが、頭の中はぼおーっと霞がかかったような感覚になる。教壇に立ち、生徒にこの猛暑について語っているときに思い出したことがある。嗚呼あの時はもっと暑かったと・・・。
それはアフリカ・スーダンでの取材。1980年代末、まだ南スーダンが分離独立する前のスーダンを取材で訪れた。首都ハルツーム。とある一軒のホテルに投宿した。当時はこの国はまだ熾烈なスーダン内戦の渦中にあった。ただし、テロ事件はそう日常茶飯事ではなく、取材活動で恐怖を覚えた記憶はない。イスラム過激派が台頭する以前であり、アフリカ取材はまだのどかさがあったと言えば言い過ぎか。
ホテルを朝出て、情報省に向かう。目的は何だったのか今となってはよく覚えていない。とにかく情報省に向かって歩いていると、暑さが尋常ではないことに気づく。たまらない。歩き続けることができない。それで迷うことなくホテルに引き返す。部屋に戻り、ぱぱっと衣服を脱ぎ、シャワールームに駆け込み、シャワーを浴びる。お湯はいらない。水で十分。涼しくなったところで再び衣服を身につけ、情報省に向かう。だが、途中でまたホテルに引き返したくなる。シャワーを浴びたくなる。とにかく身体がハルツーム特有の暑さに慣れるまでは大変だった。駐在していた南隣のケニア・ナイロビは赤道直下とはいえ、高地にあるから、木陰に入るとからっとした涼気さえ味わえたのとは大きな違いだった。
◇
新聞を読んでいてAI(人口知能)に関する記事が出ていない日はないのではないか。そう思えるほど、連日、どこかの面でAIの活字が踊っている。購読している読売新聞に興味深い記事が出ていた。米グーグル社の検索に異変が見られるという見出しの記事で、検索結果をAIが要約して表示する機能により、利用者がその基になる情報を提供しているウェブサイトへのアクセスが激減しているのだという。
以下に冒頭部分をそのまま紹介しておきたい。――グーグルは昨年8月、「AIによる概要」という検索の新機能を日本で開始した。例えば「ハンバーガー 健康 影響」と検索すると、「ハンバーガーは高カロリー、高脂肪の傾向があり、食べ過ぎると肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性がある」といった回答がページ上部に大きく表示される。回答は、関連するサイトの情報をAIが要約して生成したものだ。――
この新たな展開で参照元のサイトまでアクセスする人が減ることから「ゼロクリック検索」とも呼ばれているという。グーグルがサイトとの共存関係を破壊するような行動に出た背景には、チャットGPTなど対話型AIサービスの普及があり、危機感を抱いているらしい。実は私自身、グーグルよりもチャットGPTの方を重宝するようになっているからグーグルの焦りは理解できる。携帯電話(スマホ)自体の利便性も一昔前には想像できないほどの進化をみせているが、それを支えるAIの進化はアナログ人間の私にはついていけない。
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『カフネ』を読み終えて
- 2025-07-04 (Fri)
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とある英文の文章を読んでいて、sea glass という見慣れない語に出くわした。筆者が浜辺を歩いていて、時々遭遇するものらしい。「海のガラス?」。普通の英和辞典には載っていないので、ネットで検索してみると、海や湖の海岸に漂着したガラスの破片のことで、長い年月をかけて波や砂によって角が取れ、表面が磨かれて曇りガラスのようになり、独特の味わいがあることから、こう呼ばれるようになったとか。「浜辺の宝石」との異名も。
人工物の海中投棄は海洋汚染につながり、深刻な問題だが、このような「副産物」もあるのか。面白がってばかりはいられないだろうが、海遊びの新たな楽しみになるのかなとも思った。海と言えば、今夏は游ぐ機会があるのかしらん。
◇
時々のぞいている小さな書店。最近では向田邦子のエッセイ本『海苔と卵と朝めし』や夢野久作の文庫本を購入して読んだ。読み終えたばかりの作品は『カフネ』(講談社・2024年刊行)というタイトルの小説。著者は阿部暁子。この小説で初めて知った作家だ。
奥付には「岩手県出身、在住。2008年『屋上ボーイズ』で第17回ロマン大賞を受賞しデビュー」とあり、以下数冊の著書のタイトルが付記してある。これだけではどういう人物だかは分からない。もちろん、これ以上の情報が欲しければ、ネットでグーグルすれば何か分かるだろう。ただ、今回は密やかな読後感に浸りたくて何も検索しなかった。
まず、淡々とした文章に引き込まれるように読んだ。たまに時系列に戸惑うことがあったが、作品の魅力を減じるものではなかった。推理小説のような側面もあったが、なんとなくそうしたジャンルにこだわることなく読み進めた。読み終えた今思うことはこういう作品は現代だから書かれえたのであり、一昔前だったら、相当の抵抗を感じる読者がいたのではなかろうかと感じたことだ。いや、私の思い過ごしかもしれない。私が時代についていけなくなっていることを物語っているのかもしれない。
物語は不妊治療の甲斐なく死産に終わり、打ちのめされる四十歳過ぎの女性、その女性の一回り年下で姉思いの心優しい弟、その弟の元婚約者の女性という三人を中心に展開する。読者はこの弟と元婚約者の関係は普通予想するような男女の関係ではないのではという疑念を抱きながら読み進めることになる。この弟がある日突然死するのだが、事件性はあるのか、ないのか。両親や姉、さらには結婚するには至らなかった元婚約者にまで遺産を相続したいという遺言書を残していたことからミステリーが深まっていく。
ネタバレになるかもしれないが、実にあっけなく早世した弟は同性愛者だった。女性を愛することができなかったのかまではともかく、愛し合っていた会社の男の同僚も登場する。かといって同性愛だけが主要なテーマの物語ではなく、性的な描写は皆無に近い。むしろ、家族の関係、夫婦の関係、介護や子育てなどの問題がちりばめられている。特に貧困にあえぎながらも死に物狂いで子育てに奔走するシングルマザーとけなげな子供たちのエピソードは読み手の心を打つ。それでも私の印象に残ったのは同性愛や同性愛者の苦悶がさりげなく普通の光景として描かれていたことだった。そういう時代なのだろう。
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懐かしきトウモロコシ
- 2025-06-28 (Sat)
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前回の項で「2025年6月時点での気がかりなことは何と言ってもイスラエルとイランの交戦か」と書いた。まだよく分からない点は多々あるが、どうやら両国の戦闘が激化する最悪の事態は回避された模様だ。認めたくはないが、トランプ米大統領が決断を下した米軍による軍事介入、すなわちイラン領内の核施設攻撃が功を奏したようだ。彼のことだから、これからは大真面目で自分はノーベル平和賞を受賞するに値するとことあるごとに宣うことになるのだろうか。絵空事であって欲しいと願う。
それはともかく、おそらくあの名作 “1984” (邦訳『1984年』)を書いた英作家のジョージ・オーウェル氏でも想像できなかったであろう奇妙きてれつな展開を我々は目にしている。トランプ氏はイランの核施設を完璧に破壊したとして、イランに対話路線を歩むよう求めた。これを受け、イスラエルは「勝利」を宣言したが、不思議なことに核施設に重大な被害を受けたことは間違いないイランも「勝利」を主張し続けている。その背景にはイランは米軍の攻撃の前に濃縮ウランを「非公開の場所」に移送していたのだという主張がある。だから、米軍の攻撃は徒労に終わったというわけだが、トランプ氏側はこれを真っ向から否定している。真相はやがて明らかになるだろう。
それにしても、核開発という一大プロジェクトの根幹に大打撃を加えられたイランが米国にそれ相応の仕返しに出ないことも意外に思える。確かに、イランは精鋭軍事組織「革命防衛隊」がカタールにある米空軍基地をミサイルで報復攻撃してはいる。しかし、これにしても事前通告がなされており、死傷者は出ていない。トランプ氏はSNSで人的被害がなかったことについて、イランに謝意を表明したとも報じられている。何というのどかさ! ウクライナの人々が耐え続けている辛苦を思わざるを得ない。
◇
暑い夏の到来で八百屋さんに足繁く通うようになった。お目当てはもちろん、スイカ。スーパーでも買えるが、私はよくのぞいている八百屋さんのスイカが一番信頼がおけるので、そこで切り売りされているスイカを一日おきに買い求めている。昨日もその八百屋さんをのぞいた。そうしたらトウモロコシが目に入った。遙か昔、田舎の実家でもトウモロコシを栽培していた。お袋がかまどで蒸したトウモロコシを頬張ったことを記憶している。大好物とまでは言わないが、郷愁をそそられる果物(穀物)だ。
客が少なかったこともあり、いつも気さくに質問しているおばちゃんに「このトウモロコシどうやって料理するのですか?」と尋ねた。彼女は「蒸すんですけど、面倒だったら、電子レンジでチンしても食べられますよ」と言う。「え、チンするだけで食べられるんですか」「ええ、(500Wなら)2分40秒ぐらいかな。房を取って水でよく洗って、ラップで包んでチンするんですよ」。彼女の言葉を聞いていて、最初は買うつもりはなかったが、一つ買ってスイカとともに持ち帰った。
土曜日。洗濯を済ませたお昼時、ランチの代わりにトウモロコシをチンした。マヨネーズをかけてかじりついてみた。美味い! 知らなんだ。こんなに簡単にトウモロコシが食べられるなんて! この後、ガスコンロであぶれば、焼きトウモロコシができるのかな?
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元凶はT氏?
- 2025-06-21 (Sat)
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仕事で結構忙しい日々が続いている。高校では期末テストの時期となり、採点作業に追われた。もう何度も書いているかもしれないが、まさか古希を過ぎてこれほど忙しい日々を過ごすことになるとは・・・。夏休みが待たれる。今夏も海外の旅は考えていない。気楽な独り身の暮らし。どこか静かな海に出かけ、のんびり海水浴と読書の時間を持ちたいと考え始めているが、どうなることやら。
それにしても、我が身のことだけを考えていていいのだろうか。世界はとんでもない危機的状況に直面しつつあるようだ。最近はあまり熱心にそうした情勢をフォローしておらず、間違ったことを書きそうでスルーしたくなるが、このブログは個人的な備忘録でもあり、折々の思いはやはりきちんと記しておきたい。
2025年6月時点での気がかりなことは何と言ってもイスラエルとイランの交戦か。一昔前ならこのような激しいロケット攻撃、その応酬のミサイル攻撃が世界が見つめる中、連日繰り返されるとは想像しづらかったのではないかと思う。イスラエルの後ろ盾は米国だが、これまでの米政権だったら、今回のような武力攻撃は容認しなかったではないか。もう一つ意外に感じたのは、イランには存外、頼れる友好国がいなかったのかという思いだ。アラブ民族ではないイランがかくも孤立無援の国だったとは思わなかった。
トランプ米大統領は米軍の軍事介入を真剣に考慮しているとも伝えられる。イスラエルは支配下におくガザ地区のパレスチナ住民にも無慈悲の砲撃を続けており、イスラエルのこのところの「傍若無人ぶり」は理解に苦しむ。イスラエルにとって仇敵とするイランの核武装は何としても阻止したいということは分かる。しかし、いずれアラブ諸国の中に核武装に走る国は出てくるかもしれない。そうした国をそのつど攻撃するわけにはいかないだろう。イスラエルの戦略が私には見えない。
◇
ミスタープロ野球の長嶋茂雄氏が今月初めに死去した。職場でスマホの画面を開いてその速報を目にした時、思わず声が出た。「巨人大鵬卵焼き」世代の一人である私にとって「巨人」を代表するのは間違いなく、長嶋さんだった。私が長嶋さんと最も「接近」したのは、監督就任後に成績不振で解任された直後に彼がどういう事情があったか知らないが、ナイロビを訪問した時。私は当時、読売新聞社のナイロビ支局に赴任していた。たまたまナイロビ市内の高級ホテルのカジノをのぞいていた長嶋さんを至近距離で目撃したが、当然のことながら彼は何人もの取り巻きに囲まれており、おいそれと近づける雰囲気ではなかった。
長嶋さんの訃報に接し、思い出したことがあった。彼が現役を引退した1974年10月14の試合直後のセレモニーで語った「私はきょう引退をいたしますが、わが巨人軍は永久に不滅です」という言葉。今も語り草になっているあのスピーチを私は留学先の米国で聞いた。長嶋さんのファンだった今は亡き長兄がカセットテープに録音して送ってくれたのだ。今とは違い、当時はこうした出来事に海を越えて触れるのは大変なことだった。大学の寮で有り難くテープに耳を傾けたことを覚えている。長兄が黄泉の国で憧れの人と出会うことなどありうるのだろうか。
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