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Who's won after all?

  • 2020-11-04 (Wed) 19:35
  • 総合

 米大統領選。水曜日は朝からCNNのテレビに釘付け状態が続いた。当初は挑戦者のバイデン民主党候補が順調に票を伸ばしているように思えたが、段々と現職のトランプ大統領が巻き返してきた。これはまずいぞ! まさか、米国民は過去4年間近く大統領の言動を目の当たりにしてきてなお、トランプ氏に更に向こう4年間の舵取りを託すというのだろうか。まさか?!
 CNNのお馴染みのベテランキャスターたちは「まだ開票は終わっていません。郵便投票や期日前投票などの大半はまだ開いていません。どちらの候補者が勝利するかまだまだ分かりません」と語っている。かくしてアメリカという国に長年抱いてきた好意的なイメージが瓦解することのないことを願いながら、終日を過ごす羽目に陥った。窓の外を見やれば、青空が見える好天。香椎浜をジョギングしたいと思ったが、外出する気にはなれなかった。
 トランプ大統領に関してこの数か月の米メディアの報道に接していて、一番記憶に残っているエピソードは、CNNが先月報じた、トランプ政権を昨年1月に去った主要人物の一人、ジョン・ケリー元首席補佐官の言葉だ。彼は友人たちに次のように大統領の人物評を吐露していたという。“The depths of his dishonesty is just astounding to me. The dishonesty, the transactional nature of every relationship, though it’s more pathetic than anything else. He is the most flawed person I have ever met in my life.”
 私が興味深く思ったのは “He is the most flawed person I have ever met in my life.” という表現だ。flawは辞書を引くと「(宝石、陶器などの)傷、ひび」「(性格などの)欠点」であり、flawedは「欠点のある、欠陥のある」という意味だ。この世界の最高権力者の地位に上り詰めてもなお、the most flawed person I’ve ever met と蔑まされるとは。意味合いは異なるが、flawedは大統領がよく口にするfakeという語とそう乖離してはいないかと思う。
 というわけでテレビを見続けるのに疲れを感じていた夕刻少し前、ホワイトハウスで開票を見守っていたトランプ大統領が突然テレビカメラの前に現れ、大統領選に関するスピーチを始めた。フライングの勝利宣言でもするのかと思って見ていると、勝利宣言というより、開票作業がまだ終了していないミシガン州やジョージア州などの開票を停止して、その州の勝者を決定しろというようなことを宣っている。にわかには信じがたい発言だ。CNNの各コメンテーターも口々に憤っていたが、残る未開票の票を無視しろというのは民主主義の否定・放棄に他ならない。
 この項を書いている水曜日夜の時点で、両者の選挙人の獲得票はバイデン氏220票対トランプ氏213票でバイデン氏がわずかにリードしている。当選に必要なのは270票。開票が終了していないミシガン州やジョージア州などでは確かにトランプ氏がリードしているが、その差は縮まりつつある。未開票の郵便投票や期日前投票などの票はバイデン氏が圧倒的に有利と見られ、開票が進めばバイデン氏が最終的に逆転勝利する可能性が高いとか。必然的にトランプ氏が焦りまくり、上記の常軌を逸した発言となったと見られている。
 嗚呼、見え透いた手、子供だましの手であることか。何てこった、肩凝った、正義はありや、何をか言わんやである!

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