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an outside chance(ごくわずかな見込み)

  • 2020-10-26 (Mon) 23:00
  • 総合

 昨年の6月にこのブログで次のように書いている。日本人名のローマ字表記を従来の「名―姓」順ではなく、日本流の「姓―名」順にするべく、日本政府が動き始めたと報じられている。2020年に東京オリンピックがあることから、それを機に「ファミリーネーム・ファースト」を国内外で定着させたいと考えているようだ。
 先週末の朝刊にその続報的なニュースが掲載されていた。来夏の東京五輪で日本人の名前のローマ字表記について、国際オリンピック委員会(IOC)が「姓―名」に統一することを決めたとか。日本政府はこれを機に「姓―名」表記を国内外に定着させることを狙っているという。日本は今後、欧米と異なる「姓―名」表記のグループに中国、台湾、香港、韓国、北朝鮮とともに加わることになる。
 私を含め多くの日本人が英語をしゃべる場では “My name is Taro Suzuki.” などと語っていたかと思うが、これからは “My name is Suzuki Taro.” と口にする日本人が増えていくのは必至だろう。以前にも書いたが、“Call me Taro. That’s my first name.” などと言い添える必要が増えるかもしれない。
 この変更にはまさかどこかの国から「日本は名前の表記でもナショナリズムを選択。これで右傾化に拍車か」などと批判されることはないのだろう。
                 ◇
 米大統領選が一週間余に迫った。コロナ禍の中での大統領選であり、予断を許さない状況だと思うが、諸般の情勢から判断するとバイデン氏がトランプ大統領に勝利するのではと期待したくなる。ニューヨークタイムズ紙からネットで送られてくる高級誌ニューヨーカーのコメンタリー(論評)の中に興味深いものを見つけた。
 Joe Biden and the possibility of a remarkable presidency という見出しだった。リード(前文)は以下のよう・・。There’s really nothing in Joe Biden’s character or his record to suggest that he would be anything more than a sound, capable, regular President, which would obviously be both a great advance and a relief. If we could return to the days when we could forget that the White House even existed, for days at a time, that in itself would be worth waiting in line for hours to vote. That said, there’s at least an outside chance that the stars are aligning in a way that might let Biden make remarkable change, if that is what he wants to do.
 バイデン氏の政治スタイルは過去の副大統領時代を含め、堅実で実務的かつオーソドックスというイメージ以上のものは想像し難いし、そのこと自体はポストトランプ時代には朗報となる。その上でバイデン氏が新大統領に選ばれれば画期的な変革をもたらす可能性を秘めていると述べている。天空の星が奇跡を予知する配列を示す(stars are aligning)幸運に恵まれれば、彼が変革を志すごくわずかな見込み(an outside chance)があると指摘しているのだ。
 そう期待したくなる背景にはバイデン氏が大統領選でトランプ氏に圧勝する可能性があること、加えて彼は大統領就任時に78歳の高齢であり、再選ははなから望んでいないことがあるとか。周囲の評価を気にすることなく、自らが信じる政策に全精力を傾注するシナリオ。なかなか説得力のあるコメンタリーだった。

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