- 2020-10-09 (Fri) 14:27
- 総合
アメリカの大統領選では October surprise という語があるそうだ。11月3日の投票を直前にして起きる、選挙戦の帰趨を左右する予期せぬ出来事を「オクトーバーサプライズ」と呼んでいるとか。トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染したことがそうなるのだろうかと思っていたら、どうやらそれだけでドラマは終わりそうにない。
金曜日のCNNのネットの記事ではトランプ大統領はもう明日(土曜日)には公務に復帰できるとホワイトハウスの主治医が語っている。いくら何でも早過ぎないか。素人の素朴な疑問はともかく、これからどんなオクトーバーサプライズが飛び出すことやら。有権者ではないが、日本や世界の命運を左右する大国の指導者だけに気にはなる。
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その大統領選にも影響を与える副大統領候補のテレビ討論会。さすがに全部付き合う暇はなかったが、こちらでもカマラ・ハリス民主党候補の方が共和党候補のマイク・ペンス副大統領よりも優勢のように思えた。討論後にCNNのコメンテーターの一人がハリス氏はトランプ氏のことに言及した時に一度もプレジデントとは言わず、Mr Trumpと呼び続けたことを指摘していた。なるほどなあ・・・
CNNの記事でまた一つ勉強になったのは見出しとなっていた次の表現。—Harris didn’t let Pence explain away Trump’s failures— 私はこのexplain away という表現を即座には理解できなかった。おそらくハリス氏がトランプ政権の失政を責め、ペンス氏が言い逃れをするのを許さなかったぐらいのことではないかと推察はできたものの。explain away を辞書で調べると、「(誤りなどを)弁明する、言い逃れる」と載っていた。例文として She explained away her rude behavior as a joke.(彼女は無礼な振る舞いをおどけてやっただけだと言い逃れた)という文章が載っていた。前置詞のaway の「~から離れて」「向こうへ」という原意が何となく分かる表現だと思う。
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毎月二回の日曜日の英語教室はコロナ禍のため、このところずっとオンライン(スカイプ)の開講となっている。慣れてしまえば、わざわざ出かける必要もなく、洗面、歯を磨き、ひげをそるだけで準備完了だから楽だ。
今読んでいるアリスの物語も大詰めに近づいている。これを読み終えたら、次に何を読もうかなと考えていたら、断捨離の最中に段ボールから “50 Great Short Stories” という英書が出てきた。ヘンリー・ジェイムズ、ジェイムズ・ジョイス、ホーソーン、モーパッサン、モーム、ポーなど世界に名だたる作家の短篇を集めた書だ。幾つかは読んだことを覚えているが、粗筋はすっかり忘れてしまっている。
それでFlannery O’connor (1925-64) という米作家の A Good Man Is Hard to Find を読み始めた。米南部の一家の姿が描かれている。次のような言葉が出てきた。車窓から黒人の子供がズボンをはいていなかったのを見て、白人の祖母が孫たちに語りかける。“Little niggers in the country don’t have things like we do.” 当時の話し言葉は今さらカモフラージュできないものの、さすがに今読むとドキッとさせられる。
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